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2066年12月3日午前9時25分00秒、歴史に名を残す大事件が起こった。後世に「アイリスの英雄」と語り継がれるこの出来事の全貌を書き記した文書は、これが最後になるだろう。
                   '''アメリカ合衆国政府情報長官並びに現合衆国大統領以外の閲覧を固く禁ず。 アメリカ合衆国情報局長官エドウィン・ローバード'''
==                      // 禁文書 2024-1-1 no.162 //      ==


==                      ///アイリス核実験///                           ==
よくぞご覧になりました、情報長官または大統領。御説明致します。禁文書とは「人類が到達すべきでなかった理論、事実」を文章にまとめたものです。
     '''''通知:この文書MnP-13485は、アメリカ合衆国憲法第163条にのっとり2099年にアメリカ国民限定として公開されました。 2199.3.1アメリカ合衆国情報局'''''


それらの多くは、一般的にオカルトなどと言われたりされるもの、大多数の人々は信じない物ですが、禁文書に掲載されている物は全て事実と言うことが確定しています。


カリフォルニア、ユタ、ネバダ、アリゾナ州内モハベ砂漠。2066年12月3日午前8時50分、モハベ空港から実験機X34-1番機「アイリス」が飛び立つ。
また、事実かどうかが怪しいものの、事実だとすれば世界の根幹を揺るがしかねないものは、準禁文書に分類されています。


=== 現場での調査記録 ===
そしてこれらの情報は一般に知られるべきではなく、存在を秘匿し続け、然るべき時に柔軟に対応できるようにしなければなりません。
現場の天候:快晴(雲面積⅒)


風向き:東向き4ノットで微弱
それを行うのはアメリカ合衆国のリーダーたる貴方なのです。どうかお赦しください。


am.9.15.00時点での状態:全て順調


=== 実験機X34-1 ===
=== 神はもう生きていない  Confidentiality level "top secret"===
無人特殊核実験機X34-1


愛称:アイリス
禁文書-1に記したとおり、神が存在することはもはや疑いようのない事実です。


操縦方法:プログラム、緊急用の無線操縦
そしてこの情報は、1978年にアメリカ合衆国、ソビエト帝国、プロイセン公国の連合により発表されました。


ペイロード内容物:起爆信号作動型プルトニウム原爆「スパロー」
よって現在は禁文書には記されていませんが、これに関して調査チームSKYLINEが「神としての生体反応、並びに実態反応、顕現反応の全てが消失している」ことを突き止めました。


備考:燃料少   
この事実は、現在信徒が3億人ににのぼるとされる実体神教の過激な暴動を引き起こし、世界を混乱に貶める可能性があるため。現時点では公表できません。
 
   9時25分00秒にスパロー起動、並びに自爆予定
 
=== 実験の概要 ===
上空6000mでスパロー起爆、アイリス消滅。原子雲が下にどのような形を形成するのかを観察
 
=== 無線通信記録 ===
    <<スパロー起爆士ノイ・フォーマンと観測者エドウィン・ローバードによる無線通信記録>>
 
2066.12.3 am.9.25.15 ノイ・フォーマン
 
       <スパローの起爆スイッチを押した。観測次第、応答してくれ。>
         
      am.9.25.32 エドウィン・ローバード
 
       <こちら観測者エドウィン・ローバード。スパローの爆発は観測されていない。もう一度起爆スイッチを押してくれ。>
 
      am.9.25.39 ノイ・フォーマン
 
       <爆発が観測されていないなんて言うのはあり得ない。俺はさっき押した。今ももう一回押してる。起爆スイッチを押したままで話してるんだぞ。>
 
      am.9.25.55 エドウィン・ローバード
 
       <スパローは爆発していない。実験は失敗だ。だが、、、もしあれがずっと起爆せずに落ちていったら、どこに落ちる?>
 
      am.9.26.33 ノイ・フォーマン
 
       <遅くなってすまない。だが、そんなこと話してる場合じゃない。今アイリスは北の方角に向かってる。アイリスの残り燃料と航続距離、それに風から算出すると、アイリスは 、、、あ
        あ、これは震え上がるほど恐ろしい真実なんだが、そう、多分、ラスベガスに落ちるだろう。>
 
      am.9.26.50 エドウィン・ローバード
 
       <ラスベガスだと!?じゃあ、ラスベガスの64万人は、消え去るってことか?どうするんだ!アイリスをどうにかしろってか。ハハ、冗談にも程がある。相手は高度6000mに居て、
        ロールスロイスのジェットを積んでる。どうやって止めろって言うんだ?ああ?>
 
      am.9.27.29 ノイ・フォーマン
 
       <まぁまぁ、一旦落ち着け。こんな状況だが、今はあれを止める事を考えるんだ。そうだな。例えば、、、あ、あれとかはどうだ?アイリスの2番機だ。確か名前は、何だったかな。そう!
       ポラリス!ポラリス。あれを飛ばして、アイリスに追いつく。それでアイリスを落とすんだ。幸い、ポラリスを操縦するための遠隔操縦席はシミュレーターセンターに残ってある。
       あそこから遠隔操縦できるハズだろう。ポラリスも役目御免になって可哀想だ。一仕事させてあげよう。
 
      am.9.28.15 エドウィン・ローバード
 
       <この期に及んで未だ冗談を言ってるあんたの度胸には感心するが、それで本当に落とせるのか?武装も積んでないんだし、スパローに引火させでもしたらただじゃ済まないんだぞ。>
 
      am.9.28.30 ノイ・フォーマン
 
       <エド、君は本当に頭が固い。落とすと言っても、まさか武装で落とすわけがないだろう。アイリスの翼の下にポラリスの翼を入れて揚力を無くすんだ。だが、問題はある。
        今、丁度シミュレーターセンターに着いたんだが、僕はシミュレーターがとんでもなく苦手なんだ。誰か変わってもらえる人もいない。まあ、砂漠だから当然か。
        インターネットで回線をつないでシミュレーターをやってもらおうと思ってるんだが、無理だろうな。結局、俺がやるしかないってことか。こんなのに命を任されたラスベガスは
        可哀想だな。よし。準備が終わった。万事OKだ。君も、できる限りの支援を頼む。>
 
      am.9.30.01 エドウィン・ローバード
 
       <なあ、お前の長話を聞いている間にこっちもやっていたんだが、実は俺は結構な有名人なんだ。まあ、知ってるだろうけど。ほら、YOUTUBEじゃ引っ張りだこさ。
        だから今、ライブ配信を開始した。もう200人は居る。これで助言を聞くことは出来ないか。君の画面を即座に伝えてくれ。僕たちが指示を出す。>
 
      am.
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