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 白坂氏の語気が荒くなる。
 白坂氏の語気が荒くなる。


「すみません……少し取り乱してしまいました。最近は物忘れもひどくてね、そろそろ認知症の病院なんかに行くべきなのかもしれません。……ただ、私は、あの『家族の会』がどんなものだったのか、そして息子夫婦の身に何があったのか、本当に知りたいんです。しかし、警察には依頼できない。そんなことをしたら、『あの息子夫婦はキチガイのカルト信者だった』だとか、まず間違いなく近所で噂が立ってしまうでしょう。女房がこの手紙を隠していたのも、きっとそのためだったんですよ。これ以上、不幸な、かわいそうな息子夫婦の顔に、泥を塗りたくなかったんです。
「すみません……少し取り乱してしまいました。最近は物忘れもひどくてね、そろそろ認知症の病院なんかに行くべきなのかもしれません。……ただ、私は、あの『家族の会』がどんなものだったのか、そして息子夫婦の身に何があったのか、本当に知りたいんです。しかし、警察には依頼できない。こんな田舎ですからね。そんなことをしたら、『あの息子夫婦はキチガイのカルト信者だった』だとか、まず間違いなく近所で噂が立ってしまうでしょう。女房がこの手紙を隠していたのも、きっとそのためだったんですよ。これ以上、不幸な、かわいそうな息子夫婦の顔に、泥を塗りたくなかったんです。


 本当に我が儘で、愚かなお願いだということは百も承知です。聞けば、あなた方の雑誌では、実際に未解決事件を扱い、行き詰っていた捜査を進展させたこともあるらしい。……あれから九年経って、ようやく尻尾を掴めたんだ。しかし、こんな老いぼれ一人には何もできやしません。……どうか、お力を貸していただけないでしょうか」
 本当に我が儘で、愚かなお願いだということは百も承知です。聞けば、あなた方の雑誌では、実際に未解決事件を扱い、行き詰っていた捜査を進展させたこともあるらしい。……あれから九年経って、ようやく尻尾を掴めたんだ。しかし、こんな老いぼれ一人には何もできやしません。……どうか、お力を貸していただけないでしょうか」
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