3,314
回編集
(→歴史) |
編集の要約なし |
||
10行目: | 10行目: | ||
<br> 兄弟はとても仲が良く、喧嘩などもめったにしなかった。彼らが喧嘩したのは、ティナディヨのバター-トーストをルビルラスが横取りしようとした時のみである。このルビルラスの目論見は失敗に終わった。彼はティナディヨのバター-トーストを釣り竿で釣り上げようと試みたのだが、引っ掛け方を間違えて'''聖なる床'''に落としてしまったからである。<ref>なお、このときバターの付いた面を下に落ちたことは宇宙の基礎定数として確定し、今日ではマーフィーの法則との呼称で知られる。</ref> | <br> 兄弟はとても仲が良く、喧嘩などもめったにしなかった。彼らが喧嘩したのは、ティナディヨのバター-トーストをルビルラスが横取りしようとした時のみである。このルビルラスの目論見は失敗に終わった。彼はティナディヨのバター-トーストを釣り竿で釣り上げようと試みたのだが、引っ掛け方を間違えて'''聖なる床'''に落としてしまったからである。<ref>なお、このときバターの付いた面を下に落ちたことは宇宙の基礎定数として確定し、今日ではマーフィーの法則との呼称で知られる。</ref> | ||
==== | ====宇宙狭小化とゲブクス会議==== | ||
ある段階で、宇宙は日に日に狭くなっていた。したがって兄弟は頭を悩ませていた。「さて宇宙をどうしようか」、口を開くと出てくる言葉はそればかりであった。すでに42の解決案が出ていた。だが実行できるのはただの一つである。どれにしようか。互いに鋭い歯を軋らせながら話し合い、考えに考え、兄弟は計画を以下の三つまで絞った。 | ある段階で、宇宙は日に日に狭くなっていた。したがって兄弟は頭を悩ませていた。「さて宇宙をどうしようか」、口を開くと出てくる言葉はそればかりであった。すでに42の解決案が出ていた。だが実行できるのはただの一つである。どれにしようか。互いに鋭い歯を軋らせながら話し合い、考えに考え、兄弟は計画を以下の三つまで絞った。 | ||
#使用人を雇い宇宙のいちばん外側の方に配置することで収縮を食い止めるのはどうだろう。 | #使用人を雇い宇宙のいちばん外側の方に配置することで収縮を食い止めるのはどうだろう。 | ||
16行目: | 16行目: | ||
#もはや諦めてしまうのはどうだろう。 | #もはや諦めてしまうのはどうだろう。 | ||
さて次に何が起こったのかというと、兄弟は、あろうことかここへ来て怠け始めたのだ。三つに決まったのだといい、休息を欲したのである。 | |||
<br> 14年が過ぎた頃、ティナディヨはふいに叫んだ。 | <br> 14年が過ぎた頃、ティナディヨはふいに叫んだ。 | ||
<br> <big>「やっべ」</big> | <br> <big>「やっべ」</big> | ||
<br> | <br> 兄弟はこの重大な話し合いにふたたび取り掛かる決意をした。とはいえ、今まで通りやるのではまたすぐに怠けてしまうだろう。よって兄弟は新しい手段を探さなければならなかった。どうしたものだろうか、ああ……。悲しいことに、このように困っても兄弟は神頼みをすることさえできなかった。何を隠そう、自身が神だったからである。 | ||
<br> | <br> 新しい手段はなかなか見つからなかった。兄弟にとって探し物とは、原始そういうものであった。兄弟は二人とも部屋が整っていなかった。少なくとも探し物をする環境ではなかった。 | ||
<br> なんとか彼らは次のような手段を見つけ出した<ref>絶対に無いと思っていたはずの引き出しから見つかったという。</ref> | <br> なんとか彼らは次のような手段を見つけ出した<ref>絶対に無いと思っていたはずの引き出しから見つかったという。</ref>――「だいたい、ぼくたちの仲が良すぎるのがいけないのだ。話し合いの間だけは他人として接しようじゃないか。よそよそしく、礼儀正しく」――そうして彼らは新しい話し合いを始めた。これがゲブクス会議である。 | ||
兄弟は仕事に取り掛かったのだ! しかし、三つのうちのどの案も、非常に魅力的に思えるものだった。そのため兄弟は実に42ヶ月の月日を費やして、ようやく二つの自明な真理に気づいた。 | |||
#(その当時は)宇宙の収縮を抑えこむことのできる者はいないため、そのような仕事をする使用人を雇うことは不可能である。 | #(その当時は)宇宙の収縮を抑えこむことのできる者はいないため、そのような仕事をする使用人を雇うことは不可能である。 | ||
#「アノ呪文」の話は祖父・ボレクシュナット(Bodghchjuenagjtt-Hafgjuyki)から聞いたものだが、よく考えてみればその内容も文言も知らないので、そのような呪文を唱えることは不可能である。 | #「アノ呪文」の話は祖父・ボレクシュナット(Bodghchjuenagjtt-Hafgjuyki)から聞いたものだが、よく考えてみればその内容も文言も知らないので、そのような呪文を唱えることは不可能である。 | ||
この気づき<ref>これは世のあらゆる気づきのなかで最初のものであるため、現在では"o-ugrhvett' Fjdsughrk"「偉大なる気づき」と呼ばれ讃えられている。</ref> | この気づき<ref>これは世のあらゆる気づきのなかで最初のものであるため、現在では"o-ugrhvett' Fjdsughrk"「偉大なる気づき」と呼ばれ讃えられている。</ref>によって兄弟は決意を固めた。すなわち消去法で、 | ||
<br> 3.もはや諦めてしまう。 | |||
<br>を選んだのだ。 | |||
======== | ====第一次宇宙消失と再興==== | ||
兄弟の選択により、当時の宇宙狭小化がついに止まることはなかった。兄弟が | |||
==国風== | ==国風== |
回編集