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==起== | ==起== | ||
「ねえ小島さん、'''叙述トリック'''って知ってます?」 | |||
<br>「急になんだよタケ。まあ知ってるけどさ」 | <br>「急になんだよタケ。まあ知ってるけどさ」 | ||
<br> | <br> 朝の6時15分、僕はいつもより少し早く目覚めてしまい、同じく起きていた小島さんにこの質問をぶつけたのだった。僕はしばらく前にトラブルを起こして大学を退学になり、今は男4人で同居している。ルームシェアだと思えばましだけど…誰が進んで野郎共と一つ屋根の下で住むものか。4人というのは、僕と小島さん、そして京極さんと三津田さん。皆僕より年上だ。あとの2人はまだぐっすり寝こけている。 | ||
<br> | <br>「こないだ読んだ本にあって。ミステリーあたりはからっきしなんですよ」 | ||
<br>「はっ、マジかよ」 | <br>「はっ、マジかよ」 | ||
<br> | <br> 小島さんは鼻で笑った。お前がかよという顔をしている。 | ||
<br> | <br>「小島さんはこういうの好きだったでしょう? 教えてくださいよ」 | ||
<br>「わかったよ。丁度叙述トリックについての昔話があってな、聞かせてやるよ。ただし、手を動かしながらだ」 | <br>「わかったよ。丁度叙述トリックについての昔話があってな、聞かせてやるよ。ただし、手を動かしながらだ」 | ||
<br> | <br> 見ると、三津田さんと京極さんがもぞもぞと起き出していた。いつも同じ時間に起きていると、アラームなぞ無くとも自然と目が覚めてしまうものだ。僕はため息を吐くと、布団を畳むために立ち上がった。 | ||
<br>「あれは俺が小4の時だった」 | <br>「あれは俺が小4の時だった」 | ||
<br> | <br> そう言って小島さんは話し始めた。 | ||
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