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最後だ!!!!
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(最後だ!!!!)
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 世哉の言葉に、卦伊佐は応える。
 世哉の言葉に、卦伊佐は応える。


「機械科学捜査倫理法は、『機械・機械生体三原則』を基に作られたものだ。……流石に知っているだろう? 『一、機械または機械生体は、人間に危害を加えてはならない』――失礼、これはもう改訂されたんだったな。列強の軍事転用推進は恐ろしいものだ。『一、機械または機械生体は、年齢が十八に満たない人間の子供に危害を加えてはならない』『二、機械または機械生体は、その自発的知能を立法、司法に過度に活用してはならない』『三、機械または機械生体は、以上二つの事項を違反した際、すみやかに機能を停止しなければならない』――つまるところ、この第二項を警察はこう解釈したってわけだ。」
「機械科学捜査倫理法は、『機械・機械生体三原則』を基に作られたものだ。……流石に知っているだろう? 『一、機械または機械生体は、人間に危害を加えてはならない』――失礼、これはもう改訂されたんだったな。ここで言うのもなんだが、利権がらみの軍事転用推進はやはり恐ろしい。……『一、機械または機械生体は、年齢が十八に満たない人間の子供に危害を加えてはならない』『二、機械または機械生体は、その自発的知能を立法、司法に過度に活用してはならない』『三、機械または機械生体は、以上二つの事項を違反した際、すみやかに機能を停止しなければならない』――つまるところ、この第二項を警察はこう解釈したってわけだ。」


 一気に室内の緊張感が増す。これには橘地も、ブリッジしたまま硬直していた。
 一気に室内の緊張感が増す。これには橘地も、ブリッジしたまま硬直していた。
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「はい……あの……はい……まあうまい事騙して金をむしり取ってやろうとしてました……時間……曖昧だけどまあ……十時前くらいでしたかね……飲み物はコーヒーっした……あと……はい……俺の時も律家さんはマグカップを拭いてました……はい……」
「はい……あの……はい……まあうまい事騙して金をむしり取ってやろうとしてました……時間……曖昧だけどまあ……十時前くらいでしたかね……飲み物はコーヒーっした……あと……はい……俺の時も律家さんはマグカップを拭いてました……はい……」


「よし。あー、じゃあ次は奥さんで。ウソ発見器の予備はちゃんとあるのでご安心を」
「よし。あー、じゃあ次は奥さんで」
 
 卦伊佐はウソ発見器の予備を取り出し、聞き取りを続けた。


「……あ、はい、えっと、私はまあ……なんというか、とりとめのないどうでもいいような話をしに行きました。今日は天気がいいね、とか。飲み物はミルクでした。時間は……覚えてないけど、そんなに遅くではなかったと思います。あ、あと、入るときに冷蔵庫からミルクを出してるところが見えたのは覚えてます。ちょっと来るのが早かったかな、って思って。あ、あと、私が出ていくときに氷を出してました。それくらい……ですね」
「……あ、はい、えっと、私はまあ……なんというか、とりとめのないどうでもいいような話をしに行きました。今日は天気がいいね、とか。飲み物はミルクでした。時間は……覚えてないけど、そんなに遅くではなかったと思います。あ、あと、入るときに冷蔵庫からミルクを出してるところが見えたのは覚えてます。ちょっと来るのが早かったかな、って思って。あ、あと、私が出ていくときに氷を出してました。それくらい……ですね」
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 「ラレ……ううん、何も無いわよ。もうこんなこと忘れて、早く寝ましょう」
 「ラレ……ううん、何も無いわよ。もうこんなこと忘れて、早く寝ましょう」


 ダイニングルームに残された五人と、未だに電話越しの一人は、深く息をついた。
 ダイニングルームに残された五人の間に、沈黙が流れる。未だに電話越しの一人は、どこか安堵したようにため息をついた。




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 亜奈秋はヒステリックを起こしている。手に持っているのは、家のキッチンにあったナイフだ。
 亜奈秋はヒステリックを起こしている。手に持っているのは、家のキッチンにあったナイフだ。


「ど、どういうこと? 殺した? 世哉おじさんがパパを?」
「ど、どういうこと? 殺した? 世哉おじさんが……パパを?」


「そもそも最後に書斎に行った人が犯人だなんて、明らかに暴論だろうが! 世哉の後に誰かが入って殺したという可能性はちっとも考えないわけ!? なぜそれを無視するの! それにあいつも……此井江もおかしい! この家は確かに豪邸だけど、道に迷うほど複雑な造りじゃない! ダイニングルームなんて、ちょっと廊下を歩けばすぐ見つかる! ……有曾津もきな臭い。あいつの証言の時、卦伊佐は示し合わせたようにウソ発見器を破壊した! 嘘をついてもバレないようにしたんだよ! 普通だったらもし壊したとしてもすぐに予備を使うはずなのに、そうしなかった! ええ、ノレだっておかしい! あいつはお義兄さんのことが好きだったから結婚したんじゃない。金が好きだったから結婚したんだよ! {{傍点|文章=連れ子}}のてめえのことなんて微塵も良く思ってないわ!」
「そもそも最後に書斎に行った人が犯人だなんて、明らかに暴論だろうが! 世哉の後に誰かが入って殺したという可能性はちっとも考えないわけ!? 殺さなかった方の訪問のことだけ話せば、ウソ発見器に引っ掛かることもない……なのになぜそれを無視するの! それにあいつも……此井江もおかしい! この家は確かに豪邸だけど、{{傍点|文章=道に迷うほど複雑な造りじゃない}}! ダイニングルームなんて、ちょっと廊下を歩けばすぐ見つかる! ……有曾津もきな臭い。あいつの証言の時、卦伊佐は示し合わせたようにウソ発見器を破壊した! {{傍点|文章=嘘をついてもバレないようにした}}んだ! 普通だったらもし壊したとしてもすぐに予備を使うはずなのに、そうしなかった! ええ、ノレだっておかしい! あいつはお義兄さんのことが好きだったから結婚したんじゃない。金が好きだったから結婚したんだよ! {{傍点|文章=連れ子}}のてめえのことなんて微塵も良く思ってないわ!」


 声を荒らげて震える亜奈秋は、凶器の切っ先をラレに向ける。
 声を荒らげて震える亜奈秋は、凶器の切っ先をラレに向ける。
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 間一髪のところで、橘地がラレを庇って刺されたのだ。ラレは今にも泣きそうになっている。
 間一髪のところで、橘地がラレを庇って刺されたのだ。ラレは今にも泣きそうになっている。


「ぐ……ラレ様……。無事で……よかった。……ここは私が何とかしますから、ラレ様は……早く、早く{{傍点|文章=屋敷の外に}}お逃げください……!」
「ぐ……ラレ様……。無事で……よかった。……ここは私が何とかしますから、ラレ様は……早く、早く{{傍点|文章=屋敷の外}}にお逃げください……!」


「外……? で、でも、凱兄を置いていくだなんて――」
「外……? で、でも、凱兄を置いていくだなんて――」
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 此井江は、ギロチン台の上で仰向けになり、どこか遠くを見つめている。
 此井江は、ギロチン台の上で仰向けになり、どこか遠くを見つめている。


「大声で叫んで逃げようとしたけど、まさかあの犬が……モポでしたっけ? 邪魔してくるとは思いませんでしたよ。よくしつけられてますね。そのまま手足を縛られて、謎の扉から地下に投げ出されて……気づいたら{{傍点|文章=こう}}ですよ。おまけに無事に解放されたければ、口裏を合わせて世哉さんに罪を{{傍点|文章=なすりつける}}手伝いをしろときた。もし電話で助けを呼んだりしたら、ギロチンが遠隔で作動するらしい……{{傍点|文章=まったく想像通り}}、あなたはひどい人だった」
「大声で叫んで逃げようとしたけど、まさかあの犬が……モポでしたっけ? 邪魔してくるとは思いませんでしたよ。よくしつけられてますね。そのまま手足を縛られて、謎の扉から地下に投げ出されて……気づいたら{{傍点|文章=こう}}ですよ。おまけに無事に解放されたければ、口裏を合わせて世哉さんに罪をなすりつける手伝いをしろときた。もし電話で助けを呼んだりしたら、ギロチンが遠隔で作動するらしい……{{傍点|文章=まったく想像通り}}、あなたはひどい人だった」


「……?」
「……?」
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