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(ようやく時代に追いついた) |
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|サイモン・シン『フェルマーの最終定理』||数学わかんねすぎるラプラプでも楽しめた。さすがはサイエンスライター。 | |サイモン・シン『フェルマーの最終定理』||数学わかんねすぎるラプラプでも楽しめた。さすがはサイエンスライター。 | ||
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|米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』|| | |米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』||帯がダルすぎてなかなか買わずにいたら、<s>Notoriousが貸してくれた('</s>Notoriousはこれを否認したので、おそらく図書館で借りたのだと思われる。どの篇も良かったというぼんやりとした記憶があるが、特に火葬に関係する一篇がすごい良かったのを覚えている。こんな具体性を欠いた言葉じゃ信じてもらえないかもしれないけど、信じてくれ! 良かったと思ってるんだ! てかこれ米澤穂信じゃん(' 今気づいたわ(' | ||
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|二宮敦人『!』||過去をときめくケータイ小説の雄らしく、タイトルに惹かれてなんかのモールのイベントみたいなので買った。俺は都会の若者が出てくるショッキングで露悪的なコンテンツで育ったので、非常に好みに馴染んだ。特に隣の部屋かなんかに住み着いている殺人鬼に恋してる女子の話と、起きたら知らない部屋にいて、その部屋がどんどん小さくなってくるという全編圧死の恐怖で走りきるやつが好き。 | |二宮敦人『!』||過去をときめくケータイ小説の雄らしく、タイトルに惹かれてなんかのモールのイベントみたいなので買った。俺は都会の若者が出てくるショッキングで露悪的なコンテンツで育ったので、非常に好みに馴染んだ。特に隣の部屋かなんかに住み着いている殺人鬼に恋してる女子の話と、起きたら知らない部屋にいて、その部屋がどんどん小さくなってくるという全編圧死の恐怖で走りきるやつが好き。 | ||
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|背筋『穢れた聖地巡礼について』||通称「ケガジュン」または「げんあな(帯の「げんきなあなたがうまれます」より)」(俺が勝手にそう呼んでいただけ'。幽霊に関する三人の登場人物の立場とか人間性にはそれぞれある種切実なものがあって素晴らしかった。ただ、一読して、意味が分からなくて再読したら、人間どうしのその物語はただの一面というかある意味で必然性の無い、何にもならないもので、最初から、うまれた時から{{粛清されました}} | |背筋『穢れた聖地巡礼について』||通称「ケガジュン」または「げんあな(帯の「げんきなあなたがうまれます」より)」(俺が勝手にそう呼んでいただけ'。幽霊に関する三人の登場人物の立場とか人間性にはそれぞれある種切実なものがあって素晴らしかった。ただ、一読して、意味が分からなくて再読したら、人間どうしのその物語はただの一面というかある意味で必然性の無い、何にもならないもので、最初から、うまれた時から{{粛清されました}} | ||
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|レイ・ブラッドベリ『華氏451度』|| | |レイ・ブラッドベリ『華氏451度』||「縮小現実」を書く前に読んどこうと思って読んだ。主人公が壁に投影されるファンタジーランドに耽溺する妻とその友人たちに対して、所持が禁止された(叙述用法)詩集か本か忘れたけどそれの内容を対愚者感情に任せて激しく読み上げるシーンが印象的だった。(それは愚かで感情的な自殺行為であって、共感も嫌悪もできてしまうことよ) | ||
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|米澤穂信『クドリャフカの順番』||「縮小現実」を書く前に読んどこうと思って読んだ2。主題となる怪盗事件に関しても、漫画研究会の論戦におけるその主張に関しても、人間の感情というものが動機となってそうさせているという事実に、キャラクターというものの素晴らしさを感じた。古典部の四人におかれましても料理バトルのところとか面白かった。 | |米澤穂信『クドリャフカの順番』||「縮小現実」を書く前に読んどこうと思って読んだ2。主題となる怪盗事件に関しても、漫画研究会の論戦におけるその主張に関しても、人間の感情というものが動機となってそうさせているという事実に、キャラクターというものの素晴らしさを感じた。古典部の四人におかれましても料理バトルのところとか面白かった。 | ||
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|背筋『近畿地方のある場所について 文庫版』||主要な役割を占める二人の登場人物が単行本版から替わったことで、提示される資料(もとい物語の前提条件)はそのままに、別の視点から物語は異なった形で展開されていく。袋とじの最後のページの被写体は、単行本版と全く同じなのに、全く違う見え方で写っていて、あの時抱いた恐怖はどこへやら、それなら視えて殺されてしまってもいいのかもしれない、と思う。(客観的に見たら完全に怪異に魅入られてしまった人になっている) | |背筋『近畿地方のある場所について 文庫版』||主要な役割を占める二人の登場人物が単行本版から替わったことで、提示される資料(もとい物語の前提条件)はそのままに、別の視点から物語は異なった形で展開されていく。袋とじの最後のページの被写体は、単行本版と全く同じなのに、全く違う見え方で写っていて、あの時抱いた恐怖はどこへやら、それなら視えて殺されてしまってもいいのかもしれない、と思う。(客観的に見たら完全に怪異に魅入られてしまった人になっている) | ||
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|梨『お前の死因にとびきりの恐怖を』|| | |梨『お前の死因にとびきりの恐怖を』||物語を駆動する設定と結びついた形で、結局のところ人間の剥き出しの感情が主題になるという構造で大いに好き。読んできた本の中であえて最も好きなのを選ぶ時、今まで浅倉秋成『教室が、ひとりになるまで』を挙げてきたが、最近これに更新されたかも、と思ったところで、上で言ったような大いに好き構造がこの二冊のどちらにも当てはまることに初めて気付き、俺ってこういうのが確かに好きなんだ、となった。明言こそされてないし知らなくても読めると思うが、世界観はSCPでありその基礎知識があったおかげで読みやすかった。 | ||
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|米澤穂信『遠まわりする雛』|| | |米澤穂信『遠まわりする雛』||どいつもこいつも色気づきやがって……(すばらしい)。[[九マイルもの]]で見た「心当たりのある者は」をついに読んだ感動も内容の素晴らしさもひとしおである。「手作りチョコレート事件」が特に好きだった。客観的に見ればかなりえげつないその行為もまたキャラクター性より出でてまた還元されるなあ! | ||
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|坂口安吾『不連続殺人事件』|| | |坂口安吾『不連続殺人事件』||推理小説として、犯人特定の糸筋となるものの描かれ方が素晴らしかった。登場人物たちのぐっちゃぐちゃのカスみたいな関係性も面白い。連載当時、犯人を当てた人には賞金が出ることになっていたようで、本文と同時に筆者による読者への挑戦状的なテキストが掲載されているのだがそれがずっとめちゃくちゃ挑発的でそこも面白かった(' | ||
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