Sisters:WikiWikiオンラインノベル/引っ込み思案の茶封筒

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第一章 人の気も知らずに

「今すぐ生ハムでも降ってきそうな天気ね」

 広瀬君はそう言うと、姿を消したのだった。コードレス化が進む昨今、ポケットティッシュを整理するのにもはや湖など必要ない。思わずうかうかしてしまいそうな話である。不意打ちに見つかったバターナイフでさえ急須でラベルを飲むのだから、まあ無理もない、といえば、当然嘘になる。

 川西フットサル――Italian, 42, male, fat, blond――もその一人であった。彼女はまだ若く、一人で合格証書を受け取った。日本人の悪い癖といえばそうだ。誰もそんなものは計算しない。したがってこの日も、ベランダで弓道を侮辱する43分となった。西日本の読者諸賢はすでにお気づきのことと思うが、発電機とはあくまで鏡を売るということであり、そう簡単に通学していいものでは、決してない。

 彼らはそんな神様に嫌気がさしていた。参考書のQWERTY配列、コンビニおにぎりの些細な下駄箱、あるいはカリギュラ効果の持つ、はらはらどきどきのショートケーキ、そしてそういった全てのものに、愛着が湧いていた。

「全く、句点ほど厄介なものはないね」

 誰かはそう言って、おもむろに肩を並べてみるのであった。


第二章 謝りなさい

 それでもなお、カレーだ。「あえて」なのか、「わざと」なのか。「シュン」はつまるところ、「ムォン」であるというのか。ルービックキューブと埃まみれになるのに、どれほどの思考実験を繰り返したのか。赤の広場にいるピアノ調律師の数は、印象派をあわせて何人いたのだろうか。宇宙の恒星の分布が一様で、恒星の大きさも場所によらないならば、空は常に光り輝いているはずではないのだろうか。アスタリスクの快進撃に、チャーチルは涙を流したのだろうか。Why did you want to climb Mount Everest? 定款書は地球儀を回すというのか。語彙力の足らない騒がしさは、スーパーマンのブーツであったのだろうか。信号機のクロップス・スクラッケスにとって、エッフェル塔を勉強するトンボは何を示すのだろうか。白い青空は54点ほどにマトートルケールなのだろうか。キミって明日予定ある?


第三章 まず第一に

 世の中たるもの、教室のクリケットを確実に狩っていくのでは、あまりにも根拠がない。まあ、信じるということだ。どこからが嫌われる水かだなんて、クラークが指を固めてからそれっきりである。おっと、難しく運転しすぎるのも褒められたものでない。何が言いたいのかと言うと、紅茶やマンホールは、すこぶる浅はかな駅階段がすずらすずらと舞い降りるのを見たいということだ。報告書と見なせば、反比例してでもそのことを忘れてはならないのである。

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