「利用者:Notorious/サンドボックス/コンテスト」の版間の差分

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<br>「ああ。朝になったら探してみよう」
<br>「ああ。朝になったら探してみよう」


 天井のライトは随分暗くなり、権田の顔もよく見えないほどになった。
 天井のライトは随分暗くなり、権田の顔もよく見えないほどになった。暗くなると何も見えないから、必然的に寝るくらいしかできなくなる。僕はベッドで寝ることを固辞したが、権田の頑固な説得と恫喝、果ては先輩命令も発せられ、結局僕もベッドを使うことになった。マットレスの端ギリギリに横たわり、権田に背を向けて固く目を閉じる。
<br> 権田はもう寝入ったのか、ぐうぐうという寝息が聞こえてきた。僕は頭が冴えていて、全然眠れそうになかった。数々の疑問が渦巻いて、脳内をぐるぐると回っている。
<br> 僕らはなぜ閉じ込められているのか? 実験ならば、それはどんな実験なのか? この建築物の構造の意味は?
<br> 疑問の奔流はとどまるところを知らず、このままだと到底眠れそうになかったので、僕は必死に気を逸らせた。
<br> いつもなら、勤務を終えて寮に帰っている頃だろうか。いかんせん時計が無いため、今何時なのか全くわからない。ひょっとしたら、体内時計を狂わせるタイプの実験かもしれない。建物の構造や鍵の掛け方に疑問は残るが。
<br> いや待て、また思考がこの状況に戻っている。日常のことに考えを戻そう。でなきゃ眠れない。いつもなら、そうだな、風呂上がりに一杯やってたかもしれない。寝巻きでだらだらとテレビを見ているか、スマホを眺めているか。ツイッターとかのタイムラインを、漫然と周回するのだ。
<br> ああ、急に懐かしく感じてきた。スマホは奪われているから、もちろんネットサーフィンなんてできない。飯も風呂もベッドも用意されているからあまり感じていなかったが、紛れもなく僕は拉致されて自由を奪われているのだ。ふつふつと犯人たちへの怒りが湧き上がってきた。しかし、僕はそれを一旦忘れることにする。今はさっさと寝て、一刻も早く気を逸らさねばならない。怒るのは明日の倉庫捜索のモチベーションのために、取っておこう。
<br> 日常にもう一度思いを馳せよう。ツイッターを見るのだ。知り合いのくだらない日常のあれこれや、推しのアイドルグループの公式情報、それから最近はイラストも多く流れてくる。好きなアニメの二次創作が多く流れてきて、過激なものも時にはあるけれど、概してリスペクトがこめられていて、見ていてとても楽しいのだ……。
 
 はっとした。まさか。
<br> 嫌な想像をしてしまった。そして、それを拭えない。いろんな状況が符合してしまう。
<br> 調べなくては。この予想が、どうか外れていてほしい。
<br> 僕はベッドからそっと降り、ゆっくりとその場を離れた。
 
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 僕は倉庫にいた。ぼんやりとしか見えない光の中、何度も躓きながら奥の方を目指す。
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