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*凍った薔薇
*凍った薔薇
*まきびし
*まきびし
*<ruby>機関銃<rt>マシンガン</rt></ruby>
*機関銃
*ゴールボール
*ゴールボール
*[[自学帳]]
*[[自学帳]]
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いまさらは明治41年、<ruby>'''矢場舌助'''<rt>やばしたすけ</rt></ruby>男爵が考案した。
いまさらは明治41年、<ruby>'''矢場舌助'''<rt>やばしたすけ</rt></ruby>男爵が考案した。


矢場舌助は、明治20年、紡績で財を成した名家・矢場一族の長男として生を享けた。二代目当主・杉夫と珠子は、長く子宝に恵まれず、舌助はそれぞれ42歳と37歳のときの子であった。年齢もあって、その後二人の間に子供が授かることはなかった。そのため夫婦は舌助を溺愛した。
矢場舌助は、明治20年、紡績で財を成した名家・矢場一族の長男として生を享けた。二代目当主・杉夫と珠子は、長く子宝に恵まれず、舌助はそれぞれ42歳と37歳のときの子であった。年齢もあって、その後二人の間に子供が授かることはなく、そのため夫婦は舌助を溺愛した。


舌助は健やかに成長した。体格は中肉中背で、丸っこい瞳が愛らしかったと伝えられている。九段小学校から東京第二中等学校へ進学・卒業する。当時の成績表によれば、勉学と運動のどちらにも優がつけられているが、特に蹴球の才は学級でも飛び抜けていたという。明治38年には第一帝国大学に入学。法学を専攻し、発布されたばかりの大日本帝国憲法を研究したという。
舌助は健やかに成長した。体格は中肉中背で、丸っこい瞳が愛らしかったと伝えられている。九段小学校から東京第二中等学校へ進学・卒業する。当時の成績表によれば、勉学と運動のどちらにも優がつけられているが、特に蹴球の才は学級でも飛び抜けていたという。明治38年には第一帝国大学に入学。法学を専攻し、発布されたばかりの大日本帝国憲法を研究した。


しかし、明治40年、矢場杉夫と珠子が自動車事故で亡くなる。舌助が二十歳のときであった。愛する両親の喪失により舌助は深い悲しみと世の不条理への怒りを覚える。その燃え滾る赫怒のあまり、舌助は遅れ気味の反抗期に突入してしまう。
しかし、明治40年、矢場杉夫と珠子が自動車事故で亡くなる。舌助が二十歳のときであった。愛する両親の喪失により舌助は深い悲しみと世の不条理への怒りを覚える。その燃え滾る赫怒のあまり、舌助は遅れ気味の反抗期に突入してしまう。
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舌助は裕福な両親に溺愛されて育ったため、幼少期より美味しいものばかり食べて育ってきた。反抗期の舌助は、その親の愛に逆らおうと、不味い料理を食べようとしたのである。舌助は、まずは料理の経験がないのに自炊をしてみた。しかし、舌助の作る料理は食えないわけではなく、それどころか回数を重ねるほどに美味しくなっていく。舌助は自らの調理の才能を嫌った。次に舌助は劣悪な食材を好んで食すようになった。ちょっと泥がついてるままの人参や、なんか生えてきているじゃがいも、賞味期限を三日過ぎている牛乳などを舌助は食べるようになった。しかし、普通にお腹を壊してめちゃくちゃ苦しかったので、すぐにやめた。舌助は玉の汗を浮かべて[[ゲリ|下痢]]しながら自分の胃腸の弱さを呪った。
舌助は裕福な両親に溺愛されて育ったため、幼少期より美味しいものばかり食べて育ってきた。反抗期の舌助は、その親の愛に逆らおうと、不味い料理を食べようとしたのである。舌助は、まずは料理の経験がないのに自炊をしてみた。しかし、舌助の作る料理は食えないわけではなく、それどころか回数を重ねるほどに美味しくなっていく。舌助は自らの調理の才能を嫌った。次に舌助は劣悪な食材を好んで食すようになった。ちょっと泥がついてるままの人参や、なんか生えてきているじゃがいも、賞味期限を三日過ぎている牛乳などを舌助は食べるようになった。しかし、普通にお腹を壊してめちゃくちゃ苦しかったので、すぐにやめた。舌助は玉の汗を浮かべて[[ゲリ|下痢]]しながら自分の胃腸の弱さを呪った。


そして明治41年、舌助は究極の“愛のない料理”の制作を目指す。自らの誕生日の宴会でそれを食すことを目論み、舌助は使用人に食材を買わせていった。厳選した食材が集まってくると、使用人の制止<ref>「おやめください! そのようなものを食すだなんて! その……その<del>おぞましい実</del><ins>トマト</ins>を召し上がるのですか⁈」</ref>を振り切って舌助は調理を開始した。そして翌日の2月2日、ついに料理は完成し、食卓に並んだ。これが後のいまさらである。
そして明治41年、舌助は究極の“愛のない料理”の制作を目指す。自らの誕生日の宴会でそれを食すことを目論み、舌助は使用人に食材を買わせていった。厳選した食材が集まってくると、使用人の制止<ref>「おやめください! そのようなものを食すだなんて! その……その<ruby>おぞましい実<rt>トマト</rt></ruby>を召し上がるのですか⁈」</ref>を振り切って舌助は調理を開始した。そして翌日の2月2日、ついに料理は完成し、食卓に並んだ。これが後のいまさらである。


列席するゲストたちが萎縮する中、舌助は皿に盛られたサラダを嬉々として食べた。皿が空になると同時に、舌助は満面の笑みで「不味い」と言うと、激しく嘔吐して倒れてしまう。懸命な救命活動も報われず、舌助は間もなく息を引き取った。享年21。
列席するゲストたちが萎縮する中、舌助は皿に盛られたサラダを嬉々として食べた。皿が空になると同時に、舌助は満面の笑みで「不味い」と言うと、激しく嘔吐して倒れてしまう。懸命な救命活動も報われず、舌助は間もなく息を引き取った。享年21。
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大正元年、発明家の師田俊勝は、舌助の逸話を聞いて興味を持ち、いまさらを自作して食べてみた。その結果、猛烈な腹痛に苦しみ、四日後に死亡した。遺体を解剖してみると、腸に謎の大量の顆粒が詰まり、腸閉塞を起こしていた。<ref>なお、「普通にサンドバッグが入ってたからじゃね?」とか言ってる阿呆もいる。</ref>
大正元年、発明家の師田俊勝は、舌助の逸話を聞いて興味を持ち、いまさらを自作して食べてみた。その結果、猛烈な腹痛に苦しみ、四日後に死亡した。遺体を解剖してみると、腸に謎の大量の顆粒が詰まり、腸閉塞を起こしていた。<ref>なお、「普通にサンドバッグが入ってたからじゃね?」とか言ってる阿呆もいる。</ref>


昭和2年、料理研究家の佐藤一郎は、いまさらのレシピを再現して門弟に振る舞った。その結果、部屋が突如としてなぜか蜂の巣となり、佐藤を含む全員が死亡した。<ref>なお、「普通に機関銃が入ってたからじゃね?」とか言ってる頓珍漢もいる。</ref>
昭和2年、料理研究家の佐藤一郎は、いまさらのレシピを再現して門弟に振る舞った。その結果、なぜか部屋が突如として蜂の巣となり、佐藤を含む全員が死亡した。<ref>なお、「普通に機関銃が入ってたからじゃね?」とか言ってる頓珍漢もいる。</ref>


昭和22年、東京の基地に駐屯していた米兵のジョージ・カーターは、仲間との賭けビリヤードに負け、いまさらを食べさせられた。その結果、ジョージは謎の内臓破裂を起こして死亡した。<ref>なお、「普通に三階フロアが入ってたからじゃね?」とか言ってる唐変木もいる。</ref>
昭和22年、東京の基地に駐屯していた米兵のジョージ・カーターは、仲間との賭けビリヤードに負け、いまさらを食べさせられた。その結果、ジョージは謎の内臓破裂を起こして死亡した。<ref>なお、「普通に三階フロアが入ってたからじゃね?」とか言ってる唐変木もいる。</ref>
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令和2年、ある老夫婦がレストランでいまさらを注文し、それを食べた。その結果、食べ切らないうちに猛烈な腹痛に襲われ、救急車で搬送されたが、翌日息を引き取った。<ref>なお、「普通にトマトが入ってたからじゃね?」とか言ってるトマト嫌いもいる。</ref>
令和2年、ある老夫婦がレストランでいまさらを注文し、それを食べた。その結果、食べ切らないうちに猛烈な腹痛に襲われ、救急車で搬送されたが、翌日息を引き取った。<ref>なお、「普通にトマトが入ってたからじゃね?」とか言ってるトマト嫌いもいる。</ref>


令和2年、大学に通う男が幼馴染の女と帰宅する途中、にわか雨に降られてずぶ濡れになり、二人は慌てて男の家に転がり込んだ。このままでは風邪をひきそうだったため、まずは女がシャワーを浴びることになったが、女は「寒いからって入ってきたりすんなよ! 絶対だからな!」と言い残して脱衣所の扉を閉めた。その結果、男は衣擦れの音を極力聞かないようにして、寒さに必死に耐えながら愚直に女の言いつけを守った。<ref>なお、「え⁈ だって入ってくるなって言ってたじゃん⁉︎ なんで怒ってるの⁈ え⁈」とか言ってる朴念仁もいる。</ref>
令和2年、大学に通う男が幼馴染の女と帰宅する途中、にわか雨に降られてずぶ濡れになり、二人は慌てて男の家に転がり込んだ。このままでは風邪をひきそうだったため、まずは女がシャワーを浴びることになったが、女は「寒いからって入ってきたりすんなよ! 絶対だからな!」と言い残して脱衣所の扉を閉めた。その結果、男は衣擦れの音を極力聞かないようにして、寒さに必死に耐えながら愚直に女の言いつけを守った。<ref>なお、「え、だって入ってくるなって言ったじゃん。なんで怒ってるの⁈ ごめ、あっ……」とか言ってる朴念仁もいる。</ref>


令和3年、ある男が「35歳の誕生日に妻がこんなに豪華なごちそうを作ってくれました✨」と写真付きでSNSに投稿した。その結果、特定の界隈でめちゃくちゃ炎上して男はアカウントに鍵をかけた。<ref>なお、「自らのために女性に尽くさせるクソオスの典型💢」とか言ってるフェミニストもいる。</ref>
令和3年、ある男が「35歳の誕生日に妻がこんなに豪華なごちそうを作ってくれました✨」と写真付きでSNSに投稿した。その結果、特定の界隈でめちゃくちゃ炎上して男はアカウントに鍵をかけた。<ref>なお、「自分だけのために女性に尽くさせるクソオスの典型💢」とか言ってるフェミニストもいる。</ref>


令和4年、自称インフルエンサー「かのちゃん@新米ママ🦄」が、6歳の娘のためにいまさらを食べさせるという旨の投稿をした。その結果、全員から総バッシングを食らった。<ref>なお、「これよ〜く見るとハムが入ってます❗️ 牛の命を奪う人間は見にくい、即刻辞めさせます🤬🤬🤬」とか言ってるヴィーガンもいる。</ref>
令和4年、自称インフルエンサー「かのちゃん@新米ママ🦄」が、6歳の娘のためにいまさらを食べさせるという旨の投稿をした。その結果、全員から総バッシングを食らった。<ref>なお、「これよ〜く見るとハムが入ってます❗️ 牛の命を奪う人間は見にくい、即刻辞めさせます🤬🤬🤬」とか言ってるヴィーガンもいる。</ref>
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==志仁田少女風の挑戦==
==志仁田少女風の挑戦==
===遍歴===
===遍歴===
<ruby>志仁田<rt>しにた</rt></ruby><ruby>少女風<rt>がーりー</rt></ruby>は、死にたがっていた。その理由は定かでない。親子関係の不和とも、学校でのいじめとも、将来へのただぼんやりした不安とも言われている。
<ruby>志仁田<rt>しにた</rt></ruby><ruby>少女風<rt>がーりー</rt></ruby>は、死にたがっていた。その理由は定かでない。親子関係の不和とも、学校でのいじめとも、ただぼんやりした不安とも言われている。


他の「死にたい」と言っている多くの人とは異なり、志仁田は自殺を試みた。それも繰り返し。しかし、志仁田は死ななかった。それは土壇場で怖気づいたとか、他の人に助けられたとかが原因ではない。志仁田は不可抗力によって自殺に失敗したのである。
他の「死にたい」と言っている多くの人とは異なり、志仁田は自殺を試みた。それも繰り返し。しかし、志仁田は死ななかった。それは土壇場で怖気づいたとか、他の人に助けられたとかが原因ではない。志仁田は不可抗力によって自殺に失敗したのである。
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17歳の夏、志仁田は溺死を試みた。近所の川に出かけ、両手両足を紐で結んだのち、芋虫みたいに身をよじってどうにかこうにか橋の欄干を乗り越えた。水中に体が沈み、じきに息が持たなくなる。数分のうちにたまらず水を吸い込んでしまい、志仁田は「これは逝ける!」と思った。しかし、鼻が異物を排除しようと反射的に咳を行い、ものすごい勢いで水を噴出した。すると一帯の水が吹き飛び、息ができるようになってしまった。数十秒待つと川の上流からまた水が流れてくるが、強靭な肺機能のせいで同じことしか起こらなかった。なお、周辺の家の洗濯物が多く濡れ、志仁田は母に痛烈に叱られた。
17歳の夏、志仁田は溺死を試みた。近所の川に出かけ、両手両足を紐で結んだのち、芋虫みたいに身をよじってどうにかこうにか橋の欄干を乗り越えた。水中に体が沈み、じきに息が持たなくなる。数分のうちにたまらず水を吸い込んでしまい、志仁田は「これは逝ける!」と思った。しかし、鼻が異物を排除しようと反射的に咳を行い、ものすごい勢いで水を噴出した。すると一帯の水が吹き飛び、息ができるようになってしまった。数十秒待つと川の上流からまた水が流れてくるが、強靭な肺機能のせいで同じことしか起こらなかった。なお、周辺の家の洗濯物が多く濡れ、志仁田は母に痛烈に叱られた。


その次は、オーバードーズを試してみた。志仁田は父がかつて使っていた睡眠薬をこっそり持ち出し、食卓にて二瓶を一気に飲み下した。しばらくして猛烈な嘔気と睡魔に襲われ、志仁田は「今度こそ逝っただろ」と朦朧とする意識のなか思った。しかし、近所に住む幼馴染・<ruby>品瀬<rt>しなせ</rt></ruby><ruby>琢内<rt>たくない</rt></ruby>が謎の虫の知らせを感じ、志仁田宅へ飛び込んできて、催吐、胃洗浄、迅速な通報など、超絶適切な処置を施した結果、志仁田はことなきを得た。病院で意識を回復したあと、品瀬から何か色々言われたが、志仁田は次の自殺方法に思いを巡らせていた。
その次は、オーバードーズを試してみた。志仁田は父がかつて使っていた睡眠薬をこっそり持ち出し、食卓にて二瓶を一気に飲み下した。しばらくして猛烈な嘔気と睡魔に襲われ、志仁田は「今度こそ死んだな」と朦朧とする意識のなか思った。しかし、近所に住む幼馴染・<ruby>品瀬<rt>しなせ</rt></ruby><ruby>琢内<rt>たくない</rt></ruby>が謎の虫の知らせを感じ、志仁田宅へ飛び込んできて、催吐、胃洗浄、迅速な通報など、超絶適切な処置を施した結果、志仁田はことなきを得た。病院で意識を回復したあと、品瀬から何か色々言われたが、志仁田は次の自殺方法に思いを巡らせていた。


これ以降も、志仁田は幾度も幾度も自殺に挑戦した。トラックの前に飛び込んだが車体がひしゃげて運転手が病院送りになり、包丁で喉と目を突いたが刃が欠けたので母に小言を言われる前に研ぎ、目張りして練炭を焚いたが飛んできた品瀬に窓をぶち割られ、高層ビルの屋上から飛んでみるも地面に小さなクレーターができただけに終わり、はしか患者が集まる隔離病棟に乱入し深呼吸を繰り返すも激つよ免疫が病原体を抹殺して発病に至らず、海へと飛び込んでみるも川同様に水を吹き飛ばしてしまいモーセの海割りならぬ志仁田の海穿ち(間欠的)を披露してしまい、近所の爺さんの物置からパクった農薬を飲むも一秒も経たないうちに品瀬が窓を砕いて現れ最強手当てをし、その窓ガラスの破片で太腿の動脈を切ろうとするも硬い皮膚に阻まれ、そのまま病院へと速やかに送られた。このように、志仁田は自殺に失敗し続けた。しかし、やがて転機が訪れる。
これ以降も、志仁田は幾度も幾度も自殺に挑戦した。トラックの前に飛び込んだが車体がひしゃげて運転手が病院送りになり、包丁で喉と目を突いたが刃が欠けたので母に小言を言われる前に研ぎ、目張りして練炭を焚いたが飛んできた品瀬に窓をぶち割られ、高層ビルの屋上から飛んでみるも地面に小さなクレーターができただけに終わり、はしか患者が集まる隔離病棟に乱入し深呼吸を繰り返すも激つよ免疫が病原体を抹殺して発病に至らず、海へと飛び込んでみるも川同様に水を吹き飛ばしてしまいモーセの海割りならぬ志仁田の海穿ち(間欠的)を披露してしまい、近所の爺さんの物置からパクった農薬を飲むも一秒も経たないうちに品瀬が窓を砕いて現れ最強手当てをし、その窓ガラスの破片で太腿の動脈を切ろうとするも硬い皮膚に阻まれ、そのまま病院へと速やかに送られた。このように、志仁田は自殺に失敗し続けた。しかし、やがて転機が訪れる。
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