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ついで、飛行機大好き少女が戻ってきた。部屋には誰もいなかったが、少女はおつかい歴戦の勇士であるため、なんとゴマドレをちゃんと冷蔵庫にしまい、家へと向かった。両親にお姉ちゃんの話をするためである。両親はこういう流行しているものが好きなのである。早く教えてあげて喜ばせてあげようと少女は考えていた。その間隙をついて、開いた窓から妖精が舞い降りてきた。ひじきの妖精は、摘んできたトリカブトを抱えてふわりと机に着地した。その時、養生テープを持ってきた農家のおじさんとマンション王が入ってきて、妖精は慌てて人の姿に変身した。入ってきた二人はいつの間にかいた女性に驚きつつも、屋根の補修作業を始めた。妖精はひじきなので光合成をして生きている。だから、妖精は外に出てひなたぼっこを始めた。
ついで、飛行機大好き少女が戻ってきた。部屋には誰もいなかったが、少女はおつかい歴戦の勇士であるため、なんとゴマドレをちゃんと冷蔵庫にしまい、家へと向かった。両親にお姉ちゃんの話をするためである。両親はこういう流行しているものが好きなのである。早く教えてあげて喜ばせてあげようと少女は考えていた。その間隙をついて、開いた窓から妖精が舞い降りてきた。ひじきの妖精は、摘んできたトリカブトを抱えてふわりと机に着地した。その時、養生テープを持ってきた農家のおじさんとマンション王が入ってきて、妖精は慌てて人の姿に変身した。入ってきた二人はいつの間にかいた女性に驚きつつも、屋根の補修作業を始めた。妖精はひじきなので光合成をして生きている。だから、妖精は外に出てひなたぼっこを始めた。


その頃、一人の掏摸が道を歩いていた。掏摸は何食わぬ顔で歩きながらも、ガードの緩い人がいないか虎視眈々と狙っていた。最近は火事場泥棒のような真似もして懐も温かかったから、掏摸は機嫌が良かった。その時、前方から子供が歩いてきた。目を伏せ、せかせかと歩を進めている。何か口の中で呟いていて、心ここにあらずである。掏摸にとって格好の標的である。すれ違う瞬間、掏摸は全く自然に肩をぶつけた。子供が驚いてこっちを見上げるより先に、掏摸の手は肩掛けバッグに差し込まれ、すでに抜かれていた。軽く声をかけてまた歩き出した掏摸は、手につかんだものを見て、落胆した。財布の類いを期待していたが、抜き取ったものは一冊のノートだった。大方さっきの子供の学習道具だろう。こんなものには一銭の価値もない。
その頃、一人の掏摸が道を歩いていた。掏摸は何食わぬ顔で歩きながらも、ガードの緩い人がいないか虎視眈々と狙っていた。最近は火事場泥棒のような真似もして懐も温かかったから、掏摸は機嫌が良かった。その時、前方から子供が歩いてきた。目を伏せ、せかせかと歩を進めている。何か口の中で呟いていて、心ここにあらずである。掏摸にとって格好の標的である。すれ違う瞬間、掏摸は全く自然に肩をぶつけた。子供が驚いてこっちを見上げるより先に、掏摸の手は肩掛けバッグに差し込まれ、すでに抜かれていた。軽く声をかけてまた歩き出した掏摸は、手につかんだものを見て、落胆した。財布の類いを期待していたが、抜き取ったものは一冊のノートだった。大方さっきの子供の学習道具だろう。こんなものには一銭の価値もない。その辺に捨てようかと思ったが、人目が増えてきたので、掏摸はノートをしまうと素知らぬ顔で歩き続けた。
 
公民館には、薔薇を咥えた雪女が帰ってきていた。彼女は忍者の里でまきびしを買ってきた。雪女が選んだのは、昔ながらの菱の実であった。鉄製のまきびしは珍しく、多くの忍者は菱の実を乾かしたものなど、植物由来のまきびしを使っていたという。雪女は雪山でオーガニックな暮らしをしているので、菱の実が気に入ったのだった。雪女は菱の実を机の上に置いた。ちょうど雨漏りの修繕が終わり、農家のおじさんはガスコンロの動作確認を始めた。
 
掏摸は道端の文房具店に入ってみた。掏摸に失敗したから何か目ぼしいものを盗って埋め合わせたいという思いがあった。幸運にも、店主の老夫婦は奥にでも引っ込んでいるようだった。レジでも漁ろうかとカウンターに寄った時、外に人の気配を感じた。入ってきた女が白杖をついているのを見て、掏摸は驚いた。そこで、掏摸は悪戯を思いついた。掏摸は「いらっしゃいませえ」と声をかけてみた。すると女は完全にこちらを店員と思ったようで、ノートを買いたいと言い出した。掏摸はちょうどノートを持っていた。掏摸は女に先ほどの子供のノートを渡し、レジを勝手に拝借して、女の差し出したカードでノートを買わせた。女は丁寧に礼を言うと、全く気づかぬままに店を出ていった。掏摸は思わず笑い声を上げた。使用済みかつ訳ありのノートを買っていくとは。悪戯がものの見事に成功し、掏摸は心底可笑しく思った。すると笑い声が大きすぎたようで、店主の爺が奥から出てきて、掏摸は慌てて退散した。
 
ゴールボール好きの女性は公民館に到着し、農家のおじさんに収穫物を手渡した。おじさんは、食べ物でないことに一瞬当惑したが、食べ物以外のおつかいもあったなと思い出し、長机の上にそれを置いた。女性は外に出ると、ひなたぼっこをしていた妖精に躓きかけ、妖精と言葉を交わすうちに、女性もまたひなたぼっこを始めた。芝生に寝転がるのなんていつぶりかしらと思いながら、妖精とともに燦々と降り注ぐ暖かみを全身で受け取った。


==脚注==
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