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そして、このさびれたショッピングモールもまた、今日行われるサーカスの会場だった。 | そして、このさびれたショッピングモールもまた、今日行われるサーカスの会場だった。 | ||
一階のフードコートの中央にはウッドデッキ調のステージが置かれており、そこから三つのフロアの中央を貫くように吹き抜けがある。どのフロアもテナントはまばらで、電気はほとんど通っていない。普段はほとんど廃墟のようにも見えるこの商業施設は、しかしサーカスの日だけは開業当初の熱気を取り戻した。観衆は各フロアの吹き抜けを囲う柵から身を乗り出し、思い思いに歓声や罵声を飛ばす。それはさながら古代ローマのコロッセオだ。ただし、彼らが見ていたのは一階中央のステージではなく、吹き抜けの空間に出し抜けに立っている、電力供給の止まったエスカレーターだった。どうやら彼らのスターは、いつもここをレッドカーペットにして登場するらしい。 | |||
「俺は{{傍点|文章=三ターン}}に賭けるぜ!」 | 「俺は{{傍点|文章=三ターン}}に賭けるぜ!」 | ||
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……ふう、退屈なルールの説明は、これでおしまいだ。狂暴な市民たちよ、よく耐えてくれたな。ここからは、お前たちの見たいものを思う存分見せてやる!」 | ……ふう、退屈なルールの説明は、これでおしまいだ。狂暴な市民たちよ、よく耐えてくれたな。ここからは、お前たちの見たいものを思う存分見せてやる!」 | ||
クリームパンダはそう言って、拍手を二回響かせた。観客が総立ちで拳を突き上げる中、一階のステージに現れた思想者の男、あるいは{{傍点|文章=今日の獲物}}と呼ぶべきか、彼は二人の軍人に前後を囲まれ、麻の縄で胴と腕を後ろ手に縛られていた。 | |||
===3 ただいま開幕サーカスショー=== |
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