クローズドサークル

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概要[編集 | ソースを編集]

クローズドサークルとは、閉鎖された環境、特に生活可能な施設などに数人が閉じ込められ、脱出不可能になることである[1]。これが出現した場合、人が死ぬことはほぼ不可避である。

特徴[編集 | ソースを編集]

クローズドサークルで起こる事件には、以下のような特徴が挙げられる。ただし、犯人以外の何者かによって故意にクローズドサークルが出現させられたもの、いわゆる「デスゲーム系クローズドサークル」はこの限りでない場合もある。

犯人側のメリット[編集 | ソースを編集]

  • 警察の到着が遅れる

警察の初動捜査が遅れ、逮捕される可能性が低くなる。また、証拠隠滅もしやすくなる。さらに、ターゲットが複数居る場合は、第一の犯行が終わった後も邪魔されることなく、次の犯行に及ぶことができる。この理由がクローズドサークル事件の動機の8割を占めている[2]

  • ターゲットが逃げられない

ターゲットを確実に捕捉し、タイミングを計って殺害できる。日常生活で殺人を犯すには、隙をつくのが難しい。非日常な空間に閉じ込めることで、確実に、また容易にターゲットを殺せるようになるのだ。

  • ターゲットに恐怖を与えられる

この動機は、ターゲットが大勢居て、なおかつ殺害の目的が「罰を与える」などの場合に見られる。少ないが、一定数見られる動機である。
脱出不可能な状況で人がどんどん殺されていけば、強烈な恐怖を抱くのが普通だ。単に命を奪うだけでは飽き足らぬという場合、被害者を苦しめるためにクローズドサークルが用いられることがある。

犯人側のデメリット[編集 | ソースを編集]

  • 犯人が限定される

クローズドサークルで事件が起きた場合、容疑者はその内部に居た者に絞られる。通常の事件に比べ、非常に犯人候補が狭まり、逮捕される確率がとても高くなってしまう。クローズドサークル事件の犯人の実に90%がこのことについて「非常に苦慮した」または「苦慮した」と回答している[2]
ただし、ごく稀に全滅覚悟で犯行に臨む者もいる。

  • 暴動の可能性がある

次々に仲間が殺されていくと、疑心暗鬼に陥り、生存者が暴動を起こすことがある。もし集団が半狂乱になり他者を殺し始めたら、犯人も巻き込まれるかもしれない。また、ターゲットが少数の犯人にとっては、無駄な犠牲者を増やしたり、殺したくない人の命も奪ってしまうという結果につながりかねない。そのため、犯人はときには生存者を宥め、落ち着かせる必要がある。

種類[編集 | ソースを編集]

孤島系[編集 | ソースを編集]

絶海の孤島に人が集まり、そこで電話線が切られるなどして出現する。連絡船が来るのは大抵約一週間後である。嵐系と組み合わさることも多い。

実例
「そして誰もいなくなった」アガサ・クリスティ、 「十角館の殺人」綾辻行人、 「○○○○○○○○殺人事件」早坂吝

雪系[編集 | ソースを編集]

豪雪によって山荘に続く道が閉ざされたり、乗り物が事故で雪に突っ込んだりして出現する。

実例
「オリエント急行殺人事件」アガサ・クリスティ、 「星降り山荘の殺人」倉知淳、 「ジェリーフィッシュは凍らない」市川憂人

火災系[編集 | ソースを編集]

山火事などによって山荘などから脱出できなくなって出現する。

実例
「シャム双子の謎」エラリー・クイーン、 「紅蓮館の殺人」阿津川辰海、 「魔眼の匣の殺人」今村昌弘

嵐系[編集 | ソースを編集]

嵐によって道が閉ざされたり、橋が落ちたりして出現する。孤島系と組み合わさることも多い。

実例
「水車館の殺人」綾辻行人、 「双頭の悪魔」有栖川有栖、 「螢」麻耶雄嵩

デスゲーム系[編集 | ソースを編集]

馬鹿な独特な趣味をお持ちの方々によって人が閉じ込められて殺人等を強制され、出現する。全くやめてほし粛清されました

実例
「インシテミル」米澤穂信、 「極限推理コロシアム」矢野龍王

遺言系[編集 | ソースを編集]

馬鹿な独特な趣味をお持ちの方々が亡くなり、「ある範囲から出た者から遺産の相続権を剥奪する」というような遺言が残され、出現する。全くやめてほし粛清されました

実例
「迷路館の殺人」綾辻行人、 「五覚堂の殺人」周木律

その他系[編集 | ソースを編集]

その他なんやかんやあって出現する。

実例
「屍人荘の殺人」今村昌弘、 「女王国の城」有栖川有栖、 「月の扉」石持浅海、 「時計館の殺人」綾辻行人、 「敬語を知らない探偵伊藤しえる

人殺しと一緒にいるなんて嫌! 私は部屋に戻る![編集 | ソースを編集]

クローズドサークルにおいてその夜誰かを殺すことができる呪文である。しかし、死者が誰になるかは分からず、呪文を発した当人となることも少なくない。クローズドサークルが出現しても何も起こらないわずかな可能性をも打ち砕く極めて強力な呪文である。

対策[編集 | ソースを編集]

この章では、クローズドサークルから身を守る方法を解説する。

クローズドサークルを出現させない[編集 | ソースを編集]

最も効果的な対策である。

  • 一本しか道が無いようなところに建物を作らない
  • 辺境、特に孤島で集まりを開かない[3]
  • 変な遺言を残したり、変なゲームを開催したりしない

クローズドサークルを回避する[編集 | ソースを編集]

  • 豪雨や豪雪が見込まれる地域に行かない。天気予報をよく見ることが効果的
  • 孤島などの隔絶された地域に行かない[4]
  • 怪しげなイベントに参加しない。時給十一万二千円のバイトにほいほい参加するとか論外である[5]

クローズドサークルで事件を防ぐ[編集 | ソースを編集]

絶望的な努力だが、やらないよりマシである。

  • 平和に過ごす。間違っても喧嘩したり殺意を抱いたりしてはいけない
  • 万一死者が出た場合、死んでも呪文を唱えない。呪文の当たり判定は甘く、穏和な表現でも効果は出る
  • 夜はみんなで過ごす。これを怠ったせいで過去何百人もの犠牲者が出ている。
  • 長期間いなくなったら不安に思い、探してくれるような人を持つ。
  • 何より、人に殺意を抱かれるようなことをしない

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. 稀に、部員同士がとても親密なサークルを意味することもある。
  2. 2.0 2.1 警察庁「孤島等閉鎖環境での凶悪犯罪に関する統計」2021年版
  3. クローズドサークル事件の原因の4割が「孤島もしくはその他の隔絶された地域における合宿や同窓会などの会合」との調査結果もある。
  4. 警視庁はクローズドサークル事件防止のため、「クローズドサークル、しない、させない、許さない運動」を行っている。
  5. 「インシテミル」米澤穂信著、文春文庫

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