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この奇病、租唖が再び行重の村人達の前に姿を現すのは、それから4年後のことじゃ。
この奇病、租唖が再び行重の村人達の前に姿を現すのは、それから4年後のことじゃ。
==隆盛==
1938年の正月、初めに異変に気づいたのは、百姓の清二という男じゃった。行重は田舎で、まだ田圃で米を育てて生きている者も少なからずおった。清二もその一人で、老母と妻、息子二人を養っていた。体の丈夫さには自信があり、三十路を過ぎても病気知らずじゃった。その時までは。
その日、清二は田の様子を見ようと、薄く雪の積もった道を歩いておった。しかし家を出て少しした所で、慣れない雪に重心を崩して左肩から転けてしもうた。その瞬間、猛烈な痛みが走り、思わず清二は悲鳴を上げた。肩の骨が、折れたのである。
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