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「まあ、まず俺からかな。俺は威山横世哉。……旧姓は律家世哉。知っての通り律の弟だ。うう……兄貴い……。」 | 「まあ、まず俺からかな。俺は威山横世哉。……旧姓は律家世哉。知っての通り律の弟だ。うう……兄貴い……。」 | ||
「こっちは妻の威山横<ruby> | 「こっちは妻の威山横<ruby>亜奈秋<rt>あなあき</rt></ruby>。大切なお義父さんを殺した奴は、ゴリゴリの私刑に処そうと思っているわ。」 | ||
「……私は律の妻、律家ノレよ。……とてもお喋りなんかできる気持ちじゃないわ。」 | 「……私は律の妻、律家ノレよ。……とてもお喋りなんかできる気持ちじゃないわ。」 | ||
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「じゃあ、まずは此井江からだ。声紋鑑定タイプなので、電話越しでも大丈夫だぞ。」 | 「じゃあ、まずは此井江からだ。声紋鑑定タイプなので、電話越しでも大丈夫だぞ。」 | ||
「……あーはい、分かりました。えー、まあさっきも言った通り、僕は取材のために書斎に行きましたね。あ、そうそう、アポ取りの時にノレさんにミルクとコーヒーどっちが好きかって聞かれて、どういうことなんだろうと思ってたんですけど、飲み物出すための質問だったんですね。僕はコーヒーを飲みました。すいませんが、時間は覚えてませんね……えー、で、部屋の状態……部屋の状態ねえ……うーん、流しにマグカップがあったはずです。それ以外は全然注目してませんでしたね。あ! あと、部屋を出てから廊下の方で取材したことのメモを見返してたんですけど、その時に亜奈秋さんが書斎に入っていくのを見ました。このくらいですかね。あと、早く助けてください。」 | |||
「よし、反応は出なかったな、じゃあ次は弟さんの方から。」 | 「よし、反応は出なかったな、じゃあ次は弟さんの方から。」 | ||
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「うい。えー、俺はまあ、母の話をしたよ。そろそろ認知症がやばいから、施設に預けたほうがいいかもしれないってな。飲み物は俺もコーヒーだったぜ。時間は知らん。俺はそういうの気にしないタイプなんでな。状態……うーん、流しは見てなかったけど、律が洗ったらしいマグカップを拭いてたのは覚えてる。あーあと、コーヒーマシーンのスイッチを切ってたから、少なくとも次出される飲み物はコーヒーじゃないだろう。こんなとこかな。」 | 「うい。えー、俺はまあ、母の話をしたよ。そろそろ認知症がやばいから、施設に預けたほうがいいかもしれないってな。飲み物は俺もコーヒーだったぜ。時間は知らん。俺はそういうの気にしないタイプなんでな。状態……うーん、流しは見てなかったけど、律が洗ったらしいマグカップを拭いてたのは覚えてる。あーあと、コーヒーマシーンのスイッチを切ってたから、少なくとも次出される飲み物はコーヒーじゃないだろう。こんなとこかな。」 | ||
「よし、これも無反応。じゃあ続いてそっちの……亜奈秋さんだっけ?」 | |||
「ええ。亜奈秋よ。私は……その……せ、世間話をしに行ったのよ。」 | |||
瞬間、ウソ発見器から警告音が放たれた。卦伊佐はニヤニヤしながら言う。 | 瞬間、ウソ発見器から警告音が放たれた。卦伊佐はニヤニヤしながら言う。 | ||
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「ぐ……あー、正直に言うと、世哉の誕生日のサプライズパーティーの相談に行ってたの。……今の今で台無しになったけどね。私刑にしてやうろかてめえら。」 | 「ぐ……あー、正直に言うと、世哉の誕生日のサプライズパーティーの相談に行ってたの。……今の今で台無しになったけどね。私刑にしてやうろかてめえら。」 | ||
「亜奈秋……うう……。」 | |||
世哉の目は潤い、卦伊佐をはじめ他の人たちはめっちゃ気まずくなった。橘地でさえもがあまりの気まずさに耐え兼ね、ブリッジを解除してトリプルアクセルした。 | 世哉の目は潤い、卦伊佐をはじめ他の人たちはめっちゃ気まずくなった。橘地でさえもがあまりの気まずさに耐え兼ね、ブリッジを解除してトリプルアクセルした。 |
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