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 有曾津は何も言わず、ただ息を呑んだ。
 有曾津は何も言わず、ただ息を呑んだ。


「その後ラレに聞いてみたけど……本当に酷かった。……ラレはとっても純粋で……もうすぐ中学生になるっていうのに{{傍点|文章=殺人という概念さえよく分かっていない}}ほどなの。それを……それをあんな風に最悪な形で使うっていうのが本当に許せなかった。卦伊佐を連れて死体を見に行った時にも反吐が出たわ。とにかく……あの子を守ってあげたい、そう思ったの。でも……私にそんな資格なんてないから。だから……私には、もう……分からないの。」
「その後ラレに聞いてみたけど……本当に酷かった。……ラレはとっても純粋で……もうすぐ中学生になるっていうのに{{傍点|文章=殺人という概念さえよく分かっていない}}ほどなの。それを……それをあんな風に最悪な形で使うっていうのが本当に許せなかった。卦伊佐を連れて死体を見に行った時にも反吐が出たわ。橘地も可哀想な奴ね。あんなクズに騙されて心酔しきってしまって。……とにかく、あの子を守ってあげたい、そう思ったの。でも……私にそんな資格なんてないから。だから……私には、もう……分からないの。」


 ――再び、沈黙。そしてそれは、ついに破られることがなかった。
 ――再び、沈黙。そしてそれは、ついに破られることがなかった。
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