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<span style="font-size:150%">'''リアル殺人ゲームの行き着く果ては?'''</span>
<span style="font-size:150%">'''リアル殺人ゲームの行き着く果ては?'''</span>
 aXe、頭狂人、ザンギャ君、044APD、伴道全教授。奇妙なニックネームの五人は、ネット上で顔を隠して集い、推理ゲームを出題し合う。密室、アリバイ、ミッシングリンクなど、数々の殺人事件の謎が提出され、ゲームは白熱する。しかし、事件の犯人を当てることはない。なぜなら、問題となる殺人は、すべて出題者が実際に起こした事件なのだから。
 倫理観のぶっ飛んだ設定で話題を呼んだ異色作。しかし、至って秀逸な本格ミステリ。数々のトリックが乱れ飛ぶ、個々の問題の出来はもちろんいい。楽しむために何の良心の咎めもなく殺人を犯す、互いの顔も知らぬ五人の間の空気も、どこか癖になってしまう。そして、この密室殺人ゲームはどこに行き着くのか。『密室殺人ゲーム2.0』も、本作を受けた続編としてとても良いので、合わせてどうぞ。


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<span style="font-size:150%">'''臨床犯罪学者・火村英生の推理が冴えわたる'''</span>
<span style="font-size:150%">'''臨床犯罪学者・火村英生の推理が冴えわたる'''</span>
 天井に蝶の標本が一面に刺された殺人現場。滝の周りの足跡のない雪密室。密室から忽然と消えた一組のカップル……。難事件の数々に、フィールドワークとして犯罪捜査に加わる犯罪学者・火村英生と、しがない推理作家・有栖川有栖のコンビが挑む。
 有栖川有栖の国名シリーズ3作目。でも、過去の事件との繋がりはそんなにないので、あまり順番は気にする必要はない。どこから読んでも面白い、それが火村英生シリーズ。端正な論理が冴える本格ミステリを得意とする作者の持ち味が発揮された短編集。蝶に満ちた殺人現場の謎を解く表題作と、砂浜の密室から消失したカップルの謎を描いた「蝶々がはばたく」が特におすすめ。


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<span style="font-size:150%">'''アントン症候群の少年が遭遇する、四つの事件'''</span>
<span style="font-size:150%">'''アントン症候群の少年が遭遇する、四つの事件'''</span>
 全盲にもかかわらず、脳が勝手に視覚情報を補填し、本人は目が見えているように知覚してしまう状態、アントン症候群。この障害を負った高根沢光輝は、それでも前を向いて、あふれる想像力を駆使して遭遇する謎に立ち向かっていく。
 珍しい症例ならではの事件を描く本格ミステリとしても、とてもレベルが高い。解決篇がワンパターンにならず、手を替え品を替え繰り出されているのもすごい。とりわけ、作中作と現実の事件の両方を追う最終話のクオリティは素晴らしい。しかし魅力はそれだけではない。重度の障害を負った主人公だが、(病気の症状も手伝って)前向きに生きていき、それを受けてヒロインや姉との関係も変化していく。光輝の生き方に勇気をもらえる、青春本格ミステリの名作。


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<span style="font-size:250%; color:navy; background-color:yellow; font-weight:bold" id="5">市井豊『聴き屋の芸術学部祭』</span>
<span style="font-size:250%; color:navy; background-color:yellow; font-weight:bold" id="5">相沢沙呼『マツリカ・マジョルカ』</span>
 
<span style="font-size:150%">'''冴えない陰キャ男子と廃墟の魔女'''</span>


<span style="font-size:150%">'''何でも聴いて、ときどき解決もします'''</span>
 


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