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「守秘義務はどうしたんだよ」 | 「守秘義務はどうしたんだよ」 | ||
「まず……『このダイイングメッセージの筆跡は完全に被害者のものだったし、書き換えられた形跡もなかった』。もう一つ、『犯人と思しき人物の{{傍点|文章=なぞるような指紋}} | 「まず……『このダイイングメッセージの筆跡は完全に被害者のものだったし、書き換えられた形跡もなかった』。もう一つ、『犯人と思しき人物の{{傍点|文章=なぞるような指紋}}がダイイングメッセージの上から付着して残されていた』。あとはまあ……そうだな、『ダイイングメッセージを書くのに使われた……まあ、『塗料』とでも呼ぼう。その容器が、それを完全に塗りつぶせる量を残して遺体の傍にあったが、犯人が手をつけた形跡は無かった』。これくらいでどうだ?」 | ||
「……なるほど、これで少なくとも三つ目の蓋然性が下がる。文章のある場所をピンポイントで触っておいて、『気づいていない』という方が無茶だからな。こうなると、一つ目の『改変失敗』が最もありえそうだが……塗りつぶせるのにそうしなかったというのは謎だ。犯人が被害者を脅迫して書かせた可能性も排除できないし、そもそも文章が犯人にとって『不利益ではなかった』という可能性も再浮上してくる」 | 「……なるほど、これで少なくとも三つ目の蓋然性が下がる。文章のある場所をピンポイントで触っておいて、『気づいていない』という方が無茶だからな。こうなると、一つ目の『改変失敗』が最もありえそうだが……塗りつぶせるのにそうしなかったというのは謎だ。犯人が被害者を脅迫して書かせた可能性も排除できないし、そもそも文章が犯人にとって『不利益ではなかった』という可能性も再浮上してくる」 | ||
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「……ごもっともだな。だがまあ……先にお前の結論を聞かせてくれ」 | 「……ごもっともだな。だがまあ……先にお前の結論を聞かせてくれ」 | ||
「分かった。俺の考えでは、話の流れはこうだ――犯人は被害者を追い詰め、抵抗する気力を失わせた。そうしてから、『塗料』を使って{{傍点|文章=無意味な文章}}を書くように被害者を脅したんだ。そして被害者は息絶えた」 | |||
「急にあっさりしたな」 | 「急にあっさりしたな」 | ||
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「なんだ?」 | 「なんだ?」 | ||
「あの『ダイイングメッセージ』の『塗料』は、酢だったのか? 醤油だったのか? それとも味噌だったのか?」 | |||
「ああ……醬油だったよ」 | 「ああ……醬油だったよ」 | ||
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{{曖昧さ回避|「'''料れのさしすせせ'''」あるいは「'''醤油が見えない探偵'''」|'''料理のさしすせそ'''|料理のさしすせそ}} | {{曖昧さ回避|「'''料れのさしすせせ'''」あるいは「'''醤油が見えない探偵'''」|'''料理のさしすせそ'''|料理のさしすせそ}} |
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