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{{姉妹|ロゴ画像=オンライン3.png|=green|正式名称=WIKIWIKI ONLINE NOVEL|名称=WikiWikiオンラインノベル|アイコン画像=ノベル.png|紹介文=WikiWikiオンラインノベルは誰でも執筆できる次世代型センテンスです|個数=52|サービス=物語|単位=|看板メニュー=傑作小説}}
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{{ノベル|題名=非自己叙述的|著者=[[利用者:芯|]]|説明=「非自己叙述的」という言葉から生まれる概念を、満遍なく説明した作。二部構成!}}
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|}
<span style="font-size:300%"><p style="text-align:center">傑作小説</p></span>
{{ノベル|題名=非自己叙述的|説明=「非自己叙述的」という言葉から生まれる概念を、満遍なく説明した作。二部構成!|内容=
<big>'''第一節 「物語(一人の老人による語り)」'''</big>
君「<big>'''非自己叙述的'''</big>(heterological)」という言葉を知っているか? 知らないとな? 仕方のないやつめ、教えてやろう。<br>非自己叙述的とは、「''ある言葉の意味がその言葉自体と矛盾していること''」だ。たとえば"long"という言葉は「長い」を意味するが、この言葉の綴りはわずか4文字と、'''長くない'''。<br>したがって"long"という言葉は'''非自己叙述的だ'''といえる。また"misspelled(綴りの誤った)"という言葉は正しく綴られている。つまりこの言葉も'''非自己叙述的'''だ。<br>
君この話は飽きたか。面白くないか。けども{{underline|文字列=しばし待て}}。ここからだ、面白くなるのは。さあ君、この問題について考えようじゃないか。<br><br>
<big>''   ・「非自己叙述的」という言葉は非自己叙述的であるか?''</big><br><br>
これを解くにあたって、重要なことがある。「'''すべての言葉は非自己叙述的であるか非自己叙述的でないかのどちらかである。'''」ということだ。<br>おっと、当たり前だといって笑っちゃいけないぞ君。これはほんとうに大切なことだ。何せ……{{粛清されました}}<br>
本題に戻ろう。ではまず、「『非自己叙述的』は非自己叙述的である」と仮定して話を進めようか。「非自己叙述的」は非自己叙述的である。<br>すなわち「非自己叙述的」はその言葉自体と矛盾した意味を持っている。よって「非自己叙述的」は'''非自己叙述的でない'''。<br>
むむ? いま、「非自己叙述的」は非自己叙述的だ、として話を進めたはずだ。しかしそこから、それを否定する結論が得られた。なぜだろうか? うーん。<br>
あるいは、最初の仮定が間違っていた、と考える方が自然であろう。<br>今度は{{underline|文字列=他の可能性}}にかけるのだ――ところで先ほど、「'''すべての言葉は非自己叙述的であるか非自己叙述的でないかのどちらかである。'''」と述べた。<br>となると{{underline|文字列=他の可能性}}とは、「『非自己叙述的』は非自己叙述的でない」ということじゃあないか!<br>
では、そう仮定するとどうなるのだろうか? 「非自己叙述的」は非自己叙述的でない。つまり「非自己叙述的」はその言葉自体と矛盾した意味を持っていない。<br>ゆえに、「非自己叙述的」は'''非自己叙述的である'''。<br>
またもや仮定と矛盾する結論を導いてしまった。やあ君、どうしてこうなったのだ? 僕たちはすべての可能性を検討しきったのに、そのどれにおいても矛盾が生まれるだなんて……。<br>
はっ! 君君、これ、'''パラドックスじゃないか!'''
 
 
 
<br><big>'''第二節 「物語(二人の若者の会話)」'''</big>
<br>[[非自己叙述的|続きを読む]]
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==すべての小説==
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{{ノベル|題名=敬語を知らない探偵|説明=敬語を知らない探偵が、夜行列車で起こった殺人事件の謎を解く短編ミステリー。|内容=
{{ノベルタブ|タブ数=2}}
'''<big>第一章 めっちゃ暗い電車と死体'''</big>
{{ノベル|題名=敬語を知らない探偵|著者=[[利用者:キュアラプラプ|伊藤しえる]]|説明=敬語を知らない探偵が、夜行列車で起こった殺人事件の謎を解く短編ミステリー。}}
 
{{ノベル|題名=引っ込み思案の茶封筒|著者=[[利用者:芯|芯]]|説明=27年ぶりの世紀末、その雲はハンバーガーとともに輝きだした……。}}
―――六月二日・深夜―――
{{ノベル|題名=人形浄瑠璃|著者=爺s([[利用者:Yuito|Yuito]]&[[利用者:キュアラプラプ|キュアラプラプ]])|説明="古き良き日本の文化"をテーマにした、大和魂溢れるジジイ共による人形浄瑠璃。}}
 
{{ノベル|題名=The Tragedy In The Plastic Bag|著者=[[利用者:Notorious|Notorious]]|説明=One day, a woman was killed in the ship. Can you solve this case?}}
六月二日午前二時、めっちゃ高級な夜行列車に悲鳴が響き渡った。
{{ノベル|題名=麻薬の大きな危険性|著者=[[利用者:キュアラプラプ|学者A]]|説明=麻薬の危険性について、詳細に述べました。}}
 
{{ノベル|題名=蜘蛛の糸、あるいは悪趣味な釈迦|著者=[[利用者:Notorious|Notorious]]|説明=現代版[https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/92_14545.html 蜘蛛の糸]。}}
六名しかいない(決して登場人物を考えるのが面倒だったわけではない。断じて。)乗客の一人、<ruby>笹<rt>ささ</rt>怜太<rt>れいた</rt></ruby>の遺体が発見されたのだ。
{{ノベル|題名=賭けイクスティンクション、そして頭足類|著者=[[利用者:キュアラプラプ|キュアラプラプ]]|説明=あなたはこのトリックを見破れるだろうか。}}
 
{{ノベル|題名=名探偵シャーロック・ゲームズの事件簿 田中邸事件|著者=[[利用者:Notorious|Notorious]]|説明=大物小説家の田中零蔵が殺された。あなたはこの事件の犯人を当てられますか?}}
しかし、こういうミステリー小説にありがちな、何故か同乗している探偵、<ruby>梅丹逞<rt>めいたんてい</rt></ruby>は、事件解決に乗り出した。
{{ノベル|題名=人形浄瑠璃2|著者=爺s([[利用者:Yuito|Yuito]]&[[利用者:キュアラプラプ|キュアラプラプ]])|説明=相変わらず"古き良き日本の文化"をテーマにした、ド王道の人形浄瑠璃。}}
 
{{ノベル|題名=ボトルネック|著者=[[利用者:Notorious|Notorious]]|説明=もしあなたが実在の人物・団体を連想しても、それは根拠のない妄想に過ぎません。}}
「あー、まずみんなの名前を教えてくれ」
{{ノベル|題名=賭けメロンパン、そしてメロンパン|著者=[[利用者:キュアラプラプ|キュアラプラプ]]|説明=稽留している。}}
 
{{ノベル|題名=水を飲んでみた!!!|著者=[[利用者:キュアラプラプ|キュアラプラプ]]|説明=暇すぎたので。}}
第一レクリエーションルームの静寂を破ったのは梅丹の一声だった。
{{ノベル|題名=やあ今日は。|著者=[[利用者:芯|芯]]|説明=この文字列は和暦にして令和四年六月一日に公開されたものです。}}
 
{{ノベル|題名=顔面蒼白|著者=[[利用者:Notorious|Notorious]]|説明=川上功大は、隣家の森金吾を殺す決意をした。捜査の目を逸らすため、綿密な工作を施すが……。}}
この部屋には、コクピットの操縦記録という確固たるアリバイがある運転手以外の全員がいた。
{{ノベル|題名=汗だくなのに|著者=[[利用者:キュアラプラプ|キュアラプラプ]]|説明=時代遅れの町に引っ越してきた青年は、ひどい目に合うのだった。}}
 
{{ノベル|題名=それいけ!ルサンチマン|著者=[[利用者:キュアラプラプ|キュアラプラプ]]|説明=何のために生まれて 何をして生きるのか 解らないまま―――――}}
 
{{ノベル|題名=疑心暗鬼|著者=[[利用者:Notorious|Notorious]]|説明=扉の向こうに立つ弟は、通り魔なのか……?}}
「私は<ruby>茂公家<rt>もくげ</rt>喜紗<rt>きしゃ</rt></ruby>。えーと・・・こういうときの持ちネタは無いわ。」
{{ノベル|題名=遊んでいっておくれよ|著者=[[利用者:Notorious|Notorious]]|説明=ねえ、ちょっと遊んでいっておくれよ。}}
 
{{ノベル|題名=水とちくわとカップ麺|著者=[[利用者:Notorious|Notorious]]|説明=こっそり夜食を食べていたのは誰だ? 名探偵志望のヴァレンチーナは犯人特定に動き出す……!}}
「俺は<ruby>有曾津<rt>うそつ</rt>偉輝<rt>いてる</rt></ruby>。俺のことは信用していいぞ、探偵さん。」
{{ノベル|題名=曖昧|著者=[[利用者:キュアラプラプ|キュアラプラプ]]|説明=曖昧・ブラインド}}
 
{{ノベル|題名=古語を知らない探偵|著者=[[利用者:Notorious|Notorious]]|説明=古語を知らない探偵が、飛行機で起こった殺人事件の謎を解く短編ミステリー。}}
「俺ぁ<ruby>慈研<rt>じけん</rt>繁仁<rt>はんにん</rt></ruby>だ。早く帰らせてくれよ。ったく・・・」
{{ノベル|題名=プールか体育館か|著者=[[利用者:Notorious|Notorious]]|説明=遅刻を免れるには、授業が行われる場所がプールか体育館か、当てなくてはならない。<ruby>授業開始<rt>タイムリミット</rt></ruby>まであと3分……!}}
 
{{ノベル|題名=ドア越しの夫婦|著者=[[利用者:Notorious|Notorious]]|説明=今玄関にいるよ!}}
「私、<ruby>伊藤<rt>いとう</rt></ruby>しえる!どこにでもいるフツーの女子中学生!」
{{ノベル|題名=賞味|著者=[[利用者:キュアラプラプ|キュアラプラプ]]|説明=小鳥といちごのボーイ・ミーツ・ガール。やがて訪れる<ruby>賞味期限<rt>タイムリミット</rt></ruby>は果たして……!}}
 
{{ノベル|題名=スノータイムリミット|著者=[[利用者:Mapilaplap|Mapilaplap]]|説明=いつも練習熱心な由紀が、なぜか部活をサボって帰宅してしまった……! 閉邦高校で巻き起こる短編青春ミステリ!}}
「私はこの列車のナース、<ruby>律家<rt>りつけ</rt></ruby>ラレよ。」
{{ノベル|題名=ノゾキマド|著者=[[利用者:キュアラプラプ|キュアラプラプ]]|説明=今、玄関にいるよ。}}
 
{{ノベル|題名=殺人を知らない探偵|著者=[[利用者:キュアラプラプ|キュアラプラプ]]|説明=「敬語を知らない探偵」初の公式スピンオフ! あの列車のナース、律家ラレが幼き日に経験したある殺人事件に迫る。}}
 
{{ノベル|題名=人形浄瑠璃 アナザー|著者=ChatGPT|説明="古き良き日本の文化"をテーマにしたかどうかは不明の、大和魂を一滴も持たないAIによる人形浄瑠璃。}}
ついさっき来たばかりなのに図々しく椅子に深く腰を据えている男は、ただ黙っている。
{{ノベル|題名=善人しか出てこない話|著者=西尾彰|説明=文字通り、この物語には善人しか出てこない。}}
 
{{ノベル|題名=二回読むと死ぬ話 一覧|著者=[[利用者:キュアラプラプ|キュアラプラプ]]|説明=二回読むと死ぬ話 一覧}}
「えーと、一応そこの警察の人も・・・」
{{ノベル|題名=大海を知らない探偵|著者=[[利用者:Notorious|Notorious]](原案:[[利用者:せうゆ|せうゆ]])|説明=ベラ助が謎めいたマンボウの死に挑む、短編ミステリー。}}
 
{{ノベル|題名=アクニンシカデテコナイハナシ|著者=[[利用者:Notorious|Notorious]]|説明=悪人しか出てこない話?}}
「私は<ruby>卦伊佐<rt>けいさ</rt>通寛<rt>つかん</rt>。犯人は早く自首したほうが身のためだぞ。」
{{ノベル|題名=怪異との遭遇|著者=[[利用者:Notorious|Notorious]]|説明=今、玄関の前にいるの}}
 
{{ノベル|題名=愛の言葉|著者=[[利用者:Mapilaplap|Mapilaplap]]|説明=「月が綺麗ですね」への肯定の返事は「死んでもいいわ」なんだって。}}
「それにしても・・・何故か非常ドアが開いていたおかげで列車に入れたのは運がよかったな。」
{{ノベル|題名=人問|著者=[[利用者:キュアラプラプ|キュアラプラプ]]|説明=something human}}
 
{{ノベル|題名=安らかに眠れ|著者=[[利用者:Notorious|Notorious]]|説明=今はただ──}}
時速三千キロメートル以上の速さで走るこの列車に―――それも動いているときに―――
{{ノベル|題名=教室海|著者=[[利用者:Mapilaplap|Mapilaplap]]|説明=ドビュッシーの夢みたいなものです。}}
 
{{ノベル|題名=地図クライシス|著者=[[利用者:Notorious|Notorious]]|説明=魔法の地図が巻き起こすドタバタ劇。}}
非常ドアが何故か開いていたからという理由で飛び込む精神を疑ったのは梅丹だけではなかった。
{{ノベル|題名=浮|著者=[[利用者:キュアラプラプ|キュアラプラプ]]|説明=①うく。うかぶ。うかべる。 ②はかない。よりどころがない。 ③うわつく。うわべだけの。}}
 
{{ノベル|題名=遅刻間違いなしの状況から打てる起死回生の一手|著者=[[利用者:Notorious|Notorious]]|説明=シスコンランナー・Notoriousバージョン}}
「みんな、ありがとう。」
{{ノベル|題名=最悪の一日と救済の力士|著者=[[利用者:キュアラプラプ|キュアラプラプ]]|説明=横断プロット・ラプラプバージョン}}
 
{{ノベル|題名=シスコンランナー|著者=[[利用者:キュアラプラプ|キュアラプラプ]]|説明=シスコンランナー・ラプラプバージョン}}
「では、午前二時に悲鳴を上げた人、名乗り出てくれ。」
{{ノベル|題名=故郷|著者=[[利用者:Mapilaplap|Mapilaplap]]|説明=SFプロット・Mapバージョン}}
 
{{ノベル|題名=過去への逃走|著者=[[利用者:Notorious|Notorious]]|説明=SFプロット・Notoriousバージョン}}
 
{{ノベル|題名=賭け駄段々、そして革命|著者=[[利用者:キュアラプラプ|キュアラプラプ]]|説明=WikiWikiオフラインノベルへの書き下ろし作品。『それいけ!ルサンチマン』から二年後、{{傍点|文章=新たな皇帝}}が打ち出した娯楽産業『サーカス』とは……!?}}
 
{{ノベル|題名=養育⑴|著者=[[利用者:Mapilaplap|Mapilaplap]]|説明=養育①}}
ここまでご覧になった読者の中には、何か違和感を抱いた人もいるかもしれない。
{{ノベル|題名=ポカ|著者=[[利用者:Notorious|Notorious]]|説明=WikiWikiオフラインノベルへの書き下ろし作品。『プールか体育館か』続編。}}
 
{{ノベル|題名=無音の叫び|著者=[[利用者:Notorious|Notorious]]|説明=音がないから、聞こえない。音がないのに、聞こえてしまう。}}
そう、普通、ミステリー小説に出てくるような探偵は紳士的な口調で語りかけるが・・・
{{ノベル|題名=ひといき|著者=[[利用者:キュアラプラプ|キュアラプラプ]]|説明=蛍が躍る洞窟に、わけのわからない声が聞こえる。}}
 
{{ノベルタブ|タブ数=2}}
梅丹逞は敬語を一切使っていないのだ。これは、彼なりの信念というわけではなく、
 
ただ単に国語の授業を寝て過ごし続けたせいで、敬語の存在を知らないからなのである。
 
何てダメなやつなんだ。
 
 
 
「私よ。」
 
「茂公家、きみが笹怜太の遺体を発見した時の様子を教えてくれ。」
 
「ええ、私はのどが渇いて、水を飲みに台所に向かったの。」
 
「そしたら、通路にナイフが刺さった笹さんの遺体があって・・・警察に通報したわ。」
 
「あーね、じゃあ、誰か他の人を見なかった?」
 
「えーと、白い服を着た人が通りかかったのは見えたわ。けど、暗くて顔はわからなかったの・・・」
 
「確かに、この列車何故か夜は消灯して目の前も見えないくらい真っ暗になるからな・・・」
 
「お!これ、犯人、ナースの人じゃね!?」
 
突如として有曾都が声を上げる。
 
「白い服着てる人ってあの人しかいねぇじゃ~ん!」
 
「ちょっと静かに。律家、きみは午前二時、何をしていた?」
 
「私は自分の部屋にいたわ。」
 
「誰か、午前二時頃に律家を見たかい?」
 
「私はさっき言った通りよ。」
 
「私、この部屋のでっかいテレビでプリキュア見てたから知らな~い。」
 
「俺と慈研はコイツが廊下を歩いていたのを見たぜ。」
 
「ああ。有曾都の言った通りだ。」
 
「なるほど、律家は外にいた可能性が高い・・・と。」
 
「噓つき!私はずっと自分の部屋にいたわよ!!!」
 
少し間をおいて、律家が言った。
 
「一応言っとくけど、私はやってないわよ。人を助けるためにナースやってるのに、人殺しなんてありえないわ。」
 
「おいおい、苦し紛れの感情論か?やっぱコイツ犯人だろ!」
 
「有曾都、すこし落ち着いてくれ。大体まだ凶器も見つかってないんだぞ。」
 
―――「私、さっき凶器っぽい包丁拾ったわよ。」
 
「私の部屋のドアの前に落ちてた。」
 
「誰かが私を犯人に仕立て上げようとしてるってとこかしら。」
 
律家が続けざまに言う。
 
口調こそ冷静だが、目がバタフライでもしているように泳いでいる。<s>凶器はバタフライナイフか!?</s>
 
梅丹には、これが「嘘と思われるかもしれない恐怖」から来ているのか、それとも「嘘がばれるかもしれない恐怖」からなのか、見当もつかなかった。
 
「律家ラレ、少し貴方の話を伺いたい。」
 
律家は卦伊佐によってどこかに連れられていった。
 
「あの人が犯人だったのね・・・」
 
「夜更かししてたら肌荒れちゃうから、お部屋にもどっていい?」
 
「やっぱナースが犯人じゃねぇか!」
 
「あーだりィ、もう帰っていいか?」
 
「ちょっと待ってくれ。」
 
梅丹は何か不可解な蟠りを感じていた。
 
「荷物検査を行いたい。みんな、荷物を持ってきてくれないか。」
 
「はァ!?もうナースが犯人で決まりだろ!そんなん必要ねぇよ!」
 
「やましいものでも入ってなければ何ら問題はないだろう?」
 
「まぁいいじゃねぇか、慈研。」
 
と、有曾都がなだめる。
 
馬鹿みたいにデカい慈研の舌打ちが廊下に鳴り響いた。
 
<big>'''第二章 コペルニクス的転回(使いたいだけ)'''</big>
 
―――あれから数分後―――
 
第一レクリエーションルームに全員が荷物を持ってきた。
 
あぁ、運転手と卦伊佐と律家以外・・・それと、梅丹以外は。
 
「なんなんだよアイツ!」
 
慈研が壁を殴る。
 
「宇曾都、もう帰らねぇか?」
 
「おいおい、ここで帰ったら絶対疑われるぞ。」
 
慈研が壁を殴る。
 
「ほんと、あいつら馬鹿ね。」
 
突如、ドアが開いた。
 
「律家ラレは犯人ではなかった」
 
卦伊佐の言葉が部屋中を駆け巡った。
 
「ここの変態運転手が律家の部屋に隠しカメラをセットしていた。」
 
「午前二時、たしかに律家は部屋にいたことが記録されている。」
 
「あのゴミ・・・」
 
律家は複雑な表情だったが―――安堵していた。
 
「はァ?俺たちが嘘をついてたっていうのかよ!絶対そいつが犯人だろ!」
 
「そうだぞ、慈研の言う通りだ。」
 
声を荒らげこそしないものの、茂公家も動揺していた。
 
そのとき、再びドアが開いた。
 
「みんなの部屋を調べさせてもらった。」
 
梅丹はスマホと小さな紙を持って、ニヤニヤしていた。
 
「私のスマホ!返しなさいよ!」
 
茂公家は先ほどとは別人の形相で梅丹に掴みかかるが、卦伊佐に引きはがされた。
 
「運転手から部屋のカギを借りたんだ。犯人に荷物を持って来いといったところでやましいものは持ってこないことくらい誰もがわかる。」
 
「そして・・・いくつかとても興味深いものがあった。」
 
「まず一つ・・・茂公家と有曾都の通話履歴だ。聞いてみてくれ。」ポチー
 
 
 
「「慈研...k..らだ...」」
 
「「..伊藤sh...えるs...aが殺さ...れた....」」
 
「「...ええ、分k...った..。確認sh...てく..る」」
 
 
 
「雑音のせいで聞き取りずらいが・・・」
 
「伊藤しえるが殺された、と言っているな。」
 
「クソが・・・」
 
有曾都が壁を殴る。
 
茂公家はバタフライ中の競泳選手が急に陸上にテレポートしてきたかの如くバタバタしていた。
 
「そして・・・この紙だ。」
 
 
最低な私を許してくだ<br>さい。もうこれ以上涙<br>を拭くのはたくさん。<br>今夜飛び降ります。線<br>路に当たったら死ねま<br>すよね。死ねるよね。<br>     伊藤しえる
 
 
「嘘!私こんなの書いてないわ!」
 
「これはどういうわけか有曾都の部屋にあった。」」
 
「今までの手がかりから推測するに、犯人は・・・慈研、有曾都、茂公家の三人さ。」
 
「どういうこと?」
 
律家と伊藤は混乱している。
 
「こいつら三人は伊藤しえるを殺害しようと企んでいた。」
 
「本来の予定では・・・まず慈研が伊藤を殺害し、有曾都に連絡、」
 
「そして有曾都はあの偽造遺書をセッティングしてから、茂公家に連絡し、茂公家は非常ドアを開けて伊藤の死体を線路に突き落とす。」
 
「こうして伊藤は自殺したことになり、完全犯罪は成立する。」
 
「といったところだったが・・・慈研。きみはミスを犯してしまったようだね。」
 
梅丹を睨む慈研。もはや壁を殴る気力すらなくしたのだろうか。
 
「きみは―――”暗くて顔がわからなかった”から―――間違えて笹怜太を殺した。そうだろ?」
 
「慈研から有曾都を経由した茂公家への連絡と、偽造遺書のセットは順調に進んだが、」
 
「茂公家は非常ドアを開け・・・月明りのおかげで抱えている死体が伊藤のものではないことに気づいた。」
 
「偽造遺書は伊藤しえる用だったから、笹怜太の死を隠せない。」
 
「その後こいつらは、とっさに機転を利かせて、律家ラレを犯人に仕立て上げようとした。」
 
「三人がかりなら丸め込めるとでも思ったのだろうね。」
 
 
慈研、有曾都、茂公家は卦伊佐によってどこかに連れられていった。
 
 
 
 
翌朝の新聞が―――――死者九名を告げた。
 
<big>'''第三章 敬語を知らない探偵'''</big>
 
―――六月二日・未明―――
 
「ねぇ、探偵さん」
 
「あぁ、伊藤。なんだい?」
 
「なんで頑なに敬語を使わないの?」
 
「ケイゴ?誰だ、それは。」
 
「国語の授業、ちゃんと受けてた?」
 
「も、もちろんだよ!授業中に寝るなんてこと、す、するわけがないじゃないか!」
 
「ふふ、敬語ってね、ちょっと面白いんだよ。」
 
「例えば、「先生が食べる」という文。これを敬語にするとね、「先生が召し上がる」とか、「先生がお食べになる」とか・・・」
 
「「先生が食べられる」にもなるんだ。」
 
「ねぇ、」
 
「あの”遺書”に違和感を感じなかった?」
 
「特に最後なんか、「死ねますよね。死ねるよね。」なんて・・・」
 
「あの”遺書”を書いたのは私なんだよ。」
 
「お友達に私の意思を伝えるために、書いたんだよ。」
 
「でも私は別に自殺したいわけじゃない。」
 
「あなたたちは読み方を間違えてるのかもしれないね。」
 
 
「ねぇ、」
 
「もしかして、あなた、」
 
[[キュアラプラプ|]]のこと、知ってるの?」}}
{{ノベル|題名=引っ込み思案の茶封筒|説明=27年ぶりの世紀末、その雲はハンバーガーとともに輝きだした……。|内容=
<big>'''第一章 人の気も知らずに'''</big>
<br>「今すぐ生ハムでも降ってきそうな天気ね」
<br> 広瀬君はそう言うと、姿を消したのだった。コードレス化が進む昨今、ポケットティッシュを整理するのにもはや湖など必要ない。思わずうかうかしてしまいそうな話である。不意打ちに見つかったバターナイフでさえ急須で油を飲むのだから、まあ無理もない、といえば、当然嘘になる。
<br> 川西フットサル――Italian, 42, male, fat, blond――もその一人であった。彼女はまだ若く、一人で合格証書を受け取った。日本人の悪い癖といえばそうだ。誰もそんなものは計算しない。したがってこの日も、ベランダで弓道を侮辱する43分となった。西日本の読者諸賢はすでにお気づきのことと思うが、発電機とはあくまで鏡を売るということであり、そう簡単に通学していいものでは、決してない。
<br> 彼らはそんな神様に嫌気がさしていた。参考書のQWERTY配列、コンビニおにぎりの些細な下駄箱、あるいはカリギュラ効果の持つ、はらはらどきどきのショートケーキ、そしてそういった全てのものに、愛着が湧いていた。
<br>「全く、句点ほど厄介なものはないね」
<br> 誰かはそう言って、おもむろに肩を並べてみるのであった。


<br><big>'''謝りなさい'''</big>
{{姉妹3|姉妹番号=3}}
<br> 「あえて」なのか、「わざと」なのか。ルービックキューブと埃まみれになるのに、どれほどの思考実験を繰り返したのか。赤の広場にいるピアノ調律師の数は、印象派をあわせて何人いたのだろうか。宇宙の恒星の分布が一様で、恒星の大きさも場所によらないならば、空は常に光り輝いているはずではないのだろうか。アスタリスクの快進撃に、チャーチルは涙を流したのだろうか。Why did you want to climb Mount Everest? 今、何問目?}}
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