8,864
回編集
編集の要約なし |
編集の要約なし |
||
34行目: | 34行目: | ||
近年では、ヘリコバクターピロリがもとより所持していた言語体系において、その単語などを日本語や英語から借用しただけであり、これらの言語家族的な関係性は皆無であるともされる。 | 近年では、ヘリコバクターピロリがもとより所持していた言語体系において、その単語などを日本語や英語から借用しただけであり、これらの言語家族的な関係性は皆無であるともされる。 | ||
これらのことから、言語学においてピロリ語は[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%A4%E7%AB%8B%E3%81%97%E3%81%9F%E8%A8%80%E8%AA%9E 孤立言語]であると考えられている。 | これらのことから、言語学においてピロリ語は<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%A4%E7%AB%8B%E3%81%97%E3%81%9F%E8%A8%80%E8%AA%9E 孤立言語]</span>であると考えられている。 | ||
==音韻== | ==音韻== | ||
41行目: | 41行目: | ||
ピロリ語の音韻は、前述した通り日本語のそれとかなり類似している。しかし、細かな違いは多くみられる。 | ピロリ語の音韻は、前述した通り日本語のそれとかなり類似している。しかし、細かな違いは多くみられる。 | ||
代表的なものとして、[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%93 撥音]において、「ん」で一括りにされる日本語とは異なり、'''軟口蓋音'''と'''硬口蓋音'''が表記面でも区別される<ref>本項で用いているピロリ=アルファベット表記では、軟口蓋音の方を「'''n'''」、硬口蓋音の方を「'''gn'''」としている。</ref>ことや、[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8B%97%E9%9F%B3 拗音]が存在しないことなどが挙げられる。詳細は後述する。 | 代表的なものとして、<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%93 撥音]</span>において、「ん」で一括りにされる日本語とは異なり、'''軟口蓋音'''と'''硬口蓋音'''が表記面でも区別される<ref>本項で用いているピロリ=アルファベット表記では、軟口蓋音の方を「'''n'''」、硬口蓋音の方を「'''gn'''」としている。</ref>ことや、<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8B%97%E9%9F%B3 拗音]</span>が存在しないことなどが挙げられる。詳細は後述する。 | ||
====モーラ==== | ====モーラ==== | ||
ピロリ語では、日本語と同様に撥音、促音、長音がそれぞれ独立して1拍に数えられ、さらに子音だけの音さえも1拍として数えられている。 | ピロリ語では、日本語と同様に撥音、促音、長音がそれぞれ独立して1拍に数えられ、さらに子音だけの音さえも1拍として数えられている。 | ||
ピロリ語における[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%A9 モーラ]の種類は、以下の表に示すように'''116'''ほど存在している。ここでは、ピロリ語の字に対応するピロリ=アルファベット表記と、その[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E9%9F%B3%E5%A3%B0%E8%A8%98%E5%8F%B7 国際音声記号]における発音も列挙する。 | ピロリ語における<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%A9 モーラ]</span>の種類は、以下の表に示すように'''116'''ほど存在している。ここでは、ピロリ語の字に対応するピロリ=アルファベット表記と、その<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E9%9F%B3%E5%A3%B0%E8%A8%98%E5%8F%B7 国際音声記号]</span>における発音も列挙する。 | ||
なお、括弧内の表記は、普通は使われないものの、一部の単語に稀に使われることがあるものである。<ref>「'''jiyota'''(楽しむ)」の「'''ji」'''など。</ref> | なお、括弧内の表記は、普通は使われないものの、一部の単語に稀に使われることがあるものである。<ref>「'''jiyota'''(楽しむ)」の「'''ji」'''など。</ref> | ||
388行目: | 388行目: | ||
これらの母音は日本語のそれとほとんど同じであり、特に「あ」、「い」、「お」に至っては完全に同じ音である。 | これらの母音は日本語のそれとほとんど同じであり、特に「あ」、「い」、「お」に至っては完全に同じ音である。 | ||
しかし、「う」は日本語のものと少し違っており、口をすぼめて発音するのではなく、「い」の形に口を開けた状態で、「う」と発音するような形となっている。<ref>詳細には、「'''い'''」のような完全な張唇でありながら、「'''う'''」 のように後舌の狭母音であるということ。[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%9E%E5%86%86%E5%94%87%E5%BE%8C%E8%88%8C%E7%8B%AD%E6%AF%8D%E9%9F%B3 非円唇後舌狭母音]も参照。</ref> | しかし、「う」は日本語のものと少し違っており、口をすぼめて発音するのではなく、「い」の形に口を開けた状態で、「う」と発音するような形となっている。<ref>詳細には、「'''い'''」のような完全な張唇でありながら、「'''う'''」 のように後舌の狭母音であるということ。<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%9E%E5%86%86%E5%94%87%E5%BE%8C%E8%88%8C%E7%8B%AD%E6%AF%8D%E9%9F%B3 非円唇後舌狭母音]</span>も参照。</ref> | ||
「え」に関してはさほど変わりはないが、若干半狭母音に寄った発音となっている。 | 「え」に関してはさほど変わりはないが、若干半狭母音に寄った発音となっている。 | ||
また、日本語と同様に[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E9%9F%B3 長音]という概念が存在し、前にある母音を一拍分引くような形での、独立した一つのモーラとして機能している。 | また、日本語と同様に<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E9%9F%B3 長音]</span>という概念が存在し、前にある母音を一拍分引くような形での、独立した一つのモーラとして機能している。 | ||
{| class="wikitable" style="text-align:center" | {| class="wikitable" style="text-align:center" | ||
! style="border-top:1px solid #ffffff ; border-left:1px solid #ffffff ; background-color:#ffffff" | | ! style="border-top:1px solid #ffffff ; border-left:1px solid #ffffff ; background-color:#ffffff" | | ||
454行目: | 454行目: | ||
ピロリ語の子音は、音声学上では | ピロリ語の子音は、音声学上では | ||
*[k]、[s]、[t]、[h]、[ʈɾ]、[ɸ]([https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%85%E9%9F%B3 清音]) | *[k]、[s]、[t]、[h]、[ʈɾ]、[ɸ](<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%85%E9%9F%B3 清音]</span>) | ||
*[g]、[z]、[d͡ʑ]、[d]、[b]、[v]([https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BF%81%E9%9F%B3 濁音]) | *[g]、[z]、[d͡ʑ]、[d]、[b]、[v](<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BF%81%E9%9F%B3 濁音]</span>) | ||
*[p]([https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%8A%E6%BF%81%E9%9F%B3 半濁音]) | *[p](<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%8A%E6%BF%81%E9%9F%B3 半濁音]</span>) | ||
*[ŋ]、[ɲ]、[m]、[ɽ] | *[ŋ]、[ɲ]、[m]、[ɽ] | ||
*[j]、[β̞]([https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%8A%E6%AF%8D%E9%9F%B3 半母音]<ref>母音に接続したときには'''半子音'''とも呼ばれる。</ref>) | *[j]、[β̞](<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%8A%E6%AF%8D%E9%9F%B3 半母音]</span><ref>母音に接続したときには'''半子音'''とも呼ばれる。</ref>) | ||
の十九が存在する。 | の十九が存在する。 | ||
639行目: | 639行目: | ||
===文の構成=== | ===文の構成=== | ||
ピロリ語では、主に「ご飯を 食べる 私は」のような語順で文を作る、[https://ja.wikipedia.org/wiki/OVS%E5%9E%8B OVS型]の言語である。ピロリ語には文型が3つ存在する。 | ピロリ語では、主に「ご飯を 食べる 私は」のような語順で文を作る、<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/OVS%E5%9E%8B OVS型]</span>の言語である。ピロリ語には文型が3つ存在する。 | ||
====第一文型==== | ====第一文型==== | ||
1,212行目: | 1,212行目: | ||
基本的には、'''ピロリベド(piroribedo)'''と'''ピロソーバド(piroso^bado)'''のどちらで表記するかによって、前者なら'''代表語(bedomei)'''、後者なら'''単純語(badomei)'''とする。 | 基本的には、'''ピロリベド(piroribedo)'''と'''ピロソーバド(piroso^bado)'''のどちらで表記するかによって、前者なら'''代表語(bedomei)'''、後者なら'''単純語(badomei)'''とする。 | ||
なお、ピロリ語では、単純語の後に修飾語や補助語をつけ足して文法的な役割などを表すため、言語類型論上は[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%86%A0%E7%9D%80%E8%AA%9E 膠着語]に分類される。 | なお、ピロリ語では、単純語の後に修飾語や補助語をつけ足して文法的な役割などを表すため、言語類型論上は<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%86%A0%E7%9D%80%E8%AA%9E 膠着語]</span>に分類される。 | ||
====代表語==== | ====代表語==== | ||
1,274行目: | 1,274行目: | ||
ピロリ語における、いわゆる人称代名詞の特徴として、「一人称」や「二人称」などが、話者のピロリ菌であるという性質上「一'''菌'''称」や「二'''菌'''称」とされるというものがある。 | ピロリ語における、いわゆる人称代名詞の特徴として、「一人称」や「二人称」などが、話者のピロリ菌であるという性質上「一'''菌'''称」や「二'''菌'''称」とされるというものがある。 | ||
なお、ピロリ語の菌称代名詞は'''一菌称(pigu)'''、'''二菌称(pugu)'''、''' | なお、ピロリ語の菌称代名詞は'''一菌称(pigu)'''、'''二菌称(pugu)'''、'''三菌称(pgu)'''、'''不定菌称(wigu)'''、'''四菌称(yipagu)'''からなる。 | ||
一般的な人称代名詞(一、二、三人称)にはない、'''不定菌称'''や'''四菌称'''があり、さらに'''単純格'''や'''疎外格'''などのこの言語独自の意味格による、かなり独特な区分があることが挙げられる。 | 一般的な人称代名詞(一、二、三人称)にはない、'''不定菌称'''や'''四菌称'''があり、さらに'''単純格'''や'''疎外格'''などのこの言語独自の意味格による、かなり独特な区分があることが挙げられる。 | ||
また、三菌称は'''男性(pegu)'''、'''女性(pogu)'''、'''中性(pagu)'''、'''生物(hagu)'''、'''物体 / 無生物(fagu)'''、不定菌称は'''生物(wigu)'''、'''物体 / 無生物(vigu)'''に分けられる。 | |||
なお、これらの「男性」や「女性」といった概念は、三菌称を順序立てて区別するために打ち立てられた'''三種類の三菌称'''<ref>北米アルゴンキン語族の、三、四、五人称の文法とかなり酷似している。[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9B%E4%BA%BA%E7%A7%B0#%E5%89%8D%E5%87%BA%E3%81%A8%E3%81%AE%E7%95%B0%E5%90%8C]</ref>が、 | |||
代名詞における言語的な慣習からそのように翻訳されたものであり、実際のピロリ語には性別などという概念は存在していない。<ref>[[ピロリ語#親族語彙|親族語彙節]]も参照。</ref> | |||
======菌称====== | ======菌称====== | ||
1,286行目: | 1,292行目: | ||
======格====== | ======格====== | ||
菌称代名詞の格には、文法格の'''主格(yigo)'''、'''所有格/属格(yifago)'''、そして意味格の'''単純格(yipayago)'''、'''疎外格(yipayaqingo)'''が存在し、英語と同様に「~のもの」を意味する所有代名詞も存在する。 | 菌称代名詞の格には、文法格の'''主格(yigo)'''、'''所有格 / 属格(yifago)'''、そして意味格の'''単純格(yipayago)'''、'''疎外格(yipayaqingo)'''が存在し、英語と同様に「~のもの」を意味する所有代名詞も存在する。 | ||
ピロリ語における'''単純格'''とは、いわばそれだけで主述が完結していることを示す格である。主に疑問文への返答などで使われる。<ref group="例文">Chyo^ jiyota pu(楽しい?)―'''piri'''('''うん!楽しい!''')</ref> | ピロリ語における'''単純格'''とは、いわばそれだけで主述が完結していることを示す格である。主に疑問文への返答などで使われる。<ref group="例文">Chyo^ jiyota pu(楽しい?)―'''piri'''('''うん!楽しい!''')</ref> | ||
1,398行目: | 1,404行目: | ||
|pifaoresin | |pifaoresin | ||
|- | |- | ||
! | ! rowspan="2" |不定菌称 | ||
!生物 | |||
|wi | |wi | ||
|wifa | |wifa | ||
1,409行目: | 1,416行目: | ||
|wiofari | |wiofari | ||
|wiofarizin | |wiofarizin | ||
|- | |||
!物体 | |||
|vi | |||
|vifa | |||
|vifavi | |||
|vifari | |||
|vifarizin | |||
|vio | |||
|viofa | |||
|viofavi | |||
|viofari | |||
|viofarizin | |||
|- | |- | ||
! colspan="2" |四菌称 | ! colspan="2" |四菌称 | ||
1,438行目: | 1,457行目: | ||
====== 格 ====== | ====== 格 ====== | ||
指示代名詞の格には、文法格の'''主格(yigo)'''、'''所有格/属格(yifago)'''、'''様格(yaraago)'''、そして意味格の'''時格(yarawago)'''、'''処格(yaravago)'''、'''菌格(yaratago)'''、'''因格(yaranago)'''、'''向格(yarata'go)'''、'''具格(yarataya)'''が存在する。 | 指示代名詞の格には、文法格の'''主格(yigo)'''、'''所有格 / 属格(yifago)'''、'''様格(yaraago)'''、そして意味格の'''時格(yarawago)'''、'''処格(yaravago)'''、'''菌格(yaratago)'''、'''因格(yaranago)'''、'''向格(yarata'go)'''、'''具格(yarataya)'''が存在する。 | ||
ピロリ語における'''菌格'''とは、菌(人物)に関することを表す格である。 | ピロリ語における'''菌格'''とは、菌(人物)に関することを表す格である。 | ||
1,589行目: | 1,608行目: | ||
====音象徴語彙==== | ====音象徴語彙==== | ||
ピロリ語では、'''音象徴語彙([https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%93%AC%E5%A3%B0%E8%AA%9E オノマトペ])'''はかなりの数が存在している。特に、擬態語が擬音語に比べて多い。 | ピロリ語では、'''音象徴語彙(<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%93%AC%E5%A3%B0%E8%AA%9E オノマトペ]</span>)'''はかなりの数が存在している。特に、擬態語が擬音語に比べて多い。 | ||
これは、語彙のもととなった言語の一つである日本語における音象徴語彙がかなり多い部類であったことと、ヘリコバクターピロリは先述の通り胃の中という閉鎖的環境にいるため、 | これは、語彙のもととなった言語の一つである日本語における音象徴語彙がかなり多い部類であったことと、ヘリコバクターピロリは先述の通り胃の中という閉鎖的環境にいるため、 | ||
1,605行目: | 1,624行目: | ||
ピロリベドは、韓国のハングル文字に酷似しており、これは字の成り立ちに因るものだと言われている。また、ピロソーバドは日本のひらがなとアルファベットの筆記体を複合させたような見た目である。 | ピロリベドは、韓国のハングル文字に酷似しており、これは字の成り立ちに因るものだと言われている。また、ピロソーバドは日本のひらがなとアルファベットの筆記体を複合させたような見た目である。 | ||
さらに、ピロソーバドにおいては[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%81%8F 偏]と[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%81 旁]で構成された漢字のような形の字も多く、「J」段や「V」段はとくに[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B9%9E 繞]や[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9E%82_(%E6%BC%A2%E5%AD%97) 垂]に類似している。<ref>[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BC%A2%E5%AD%97#%E6%A7%8B%E6%88%90%E8%A6%81%E7%B4%A0 漢字の構成要素]も参照。</ref> | さらに、ピロソーバドにおいては<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%81%8F 偏]<span>と<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%81 旁]</span>で構成された漢字のような形の字も多く、「J」段や「V」段はとくに<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B9%9E 繞]や[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9E%82_(%E6%BC%A2%E5%AD%97) 垂]</span>に類似している。<ref><span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BC%A2%E5%AD%97#%E6%A7%8B%E6%88%90%E8%A6%81%E7%B4%A0 漢字の構成要素]</span>も参照。</ref> | ||
また、ピロリ語の文字の特徴として、[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%A0%E6%80%A7%E6%96%87%E5%AD%97 素性文字]であるため、非通常子音部がある文字以外の読み方を容易く理解できることも挙げられる。 | また、ピロリ語の文字の特徴として、<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%A0%E6%80%A7%E6%96%87%E5%AD%97 素性文字]</span>であるため、非通常子音部がある文字以外の読み方を容易く理解できることも挙げられる。 | ||
さらに、前述した通り、ピロリ語の文字にはまだ文字コードが定められていないため、ワープロなどでのピロリ語の表記が難しい。このため、ピロリ=アルファベット表記たるものが存在する。<ref>先述した通り、本項でも'''ピロリ=アルファベット表記'''を用いて解説している。</ref> | さらに、前述した通り、ピロリ語の文字にはまだ文字コードが定められていないため、ワープロなどでのピロリ語の表記が難しい。このため、ピロリ=アルファベット表記たるものが存在する。<ref>先述した通り、本項でも'''ピロリ=アルファベット表記'''を用いて解説している。</ref> | ||
1,639行目: | 1,658行目: | ||
===敬語=== | ===敬語=== | ||
ピロリ語では、普通体と丁寧体の区別などがなく、[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%AC%E8%AA%9E 敬語]などの[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%85%E9%81%87%E8%A1%A8%E7%8F%BE 待遇表現]も存在しない。しかし、公的な場などにおいては、補助語の代わりに、文型説明語をより多く用いることがある。 | ピロリ語では、普通体と丁寧体の区別などがなく、<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%AC%E8%AA%9E 敬語]</span>などの<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%85%E9%81%87%E8%A1%A8%E7%8F%BE 待遇表現]</span>も存在しない。しかし、公的な場などにおいては、補助語の代わりに、文型説明語をより多く用いることがある。 | ||
また、神への祈祷<ref name="a">ヘリコバクターピロリは'''独自の宗教'''を持つことが明らかになっているが、詳細は未だ解明されていない。</ref>などには全文をピロリベドで表記した文が使われたり、友や家族などの親しい間柄の菌(人物)に手紙を出すときなどは全文をピロソーバドで表記したりすることもあり、 | また、神への祈祷<ref name="a">ヘリコバクターピロリは'''独自の宗教'''を持つことが明らかになっているが、詳細は未だ解明されていない。</ref>などには全文をピロリベドで表記した文が使われたり、友や家族などの親しい間柄の菌(人物)に手紙を出すときなどは全文をピロソーバドで表記したりすることもあり、 | ||
1,651行目: | 1,670行目: | ||
====若者言葉==== | ====若者言葉==== | ||
日本語における「[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%81%AE%E4%B9%B1%E3%82%8C#%E3%82%89%E6%8A%9C%E3%81%8D%E8%A8%80%E8%91%89 ら抜き言葉]」のような若者による言葉の乱れと同様に、ピロリ語にも若者による砕けた表現が存在している。([[ピロリ語#脚注|脚注]]等を参照) | 日本語における「<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%81%AE%E4%B9%B1%E3%82%8C#%E3%82%89%E6%8A%9C%E3%81%8D%E8%A8%80%E8%91%89 ら抜き言葉]</span>」のような若者による言葉の乱れと同様に、ピロリ語にも若者による砕けた表現が存在している。([[ピロリ語#脚注|脚注]]等を参照) | ||
しかし、ピロリ語にまっとうな待遇表現がないことからも窺えるように、「失礼」というような概念がピロリ語には欠けているため、全くもって問題にはされていない。<ref>'''差別用語'''などの'''侮辱語'''は存在するため、ピロリ語では皮肉や失礼な表現というよりも、さらに'''攻撃的な言葉'''だけが発展してきたとみられている。</ref> | しかし、ピロリ語にまっとうな待遇表現がないことからも窺えるように、「失礼」というような概念がピロリ語には欠けているため、全くもって問題にはされていない。<ref>'''差別用語'''などの'''侮辱語'''は存在するため、ピロリ語では皮肉や失礼な表現というよりも、さらに'''攻撃的な言葉'''だけが発展してきたとみられている。</ref> | ||
1,664行目: | 1,683行目: | ||
若者は、ピロリ語の文字の表記においても独特のものを使うことがある。例えば、本来直線的な文字であるピロリベドを曲線的に書いたり、逆に曲線的な文字であるピロソーバドを直線的に書いたりなど、 | 若者は、ピロリ語の文字の表記においても独特のものを使うことがある。例えば、本来直線的な文字であるピロリベドを曲線的に書いたり、逆に曲線的な文字であるピロソーバドを直線的に書いたりなど、 | ||
字を意図的に崩したものが多く使われる。さらに、近年では日本語における顔文字のように、文字を組み合わせた[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88 アスキーアート]のようなものもインターネット上で流行している。 | 字を意図的に崩したものが多く使われる。さらに、近年では日本語における顔文字のように、文字を組み合わせた<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88 アスキーアート]</span>のようなものもインターネット上で流行している。 | ||
また、とりわけ[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A1%94%E6%96%87%E5%AD%97 顔文字]に関しては、縦書きであることや、[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%88%E6%96%87%E5%AD%97 2バイト文字]が使われるなど、日本語におけるそれと類似点が多い。これには、先述した通り、日本語との深い関わりがあるからだとされる。 | また、とりわけ<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A1%94%E6%96%87%E5%AD%97 顔文字]</span>に関しては、縦書きであることや、<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%88%E6%96%87%E5%AD%97 2バイト文字]</span>が使われるなど、日本語におけるそれと類似点が多い。これには、先述した通り、日本語との深い関わりがあるからだとされる。 | ||
==歴史== | ==歴史== | ||
1,673行目: | 1,692行目: | ||
ピロリ語という言語体系自体は、ヘリコバクターピロリがもとから所持していたと考えられており、人類の言語が発生する前から存在したという可能性も否定できない。 | ピロリ語という言語体系自体は、ヘリコバクターピロリがもとから所持していたと考えられており、人類の言語が発生する前から存在したという可能性も否定できない。 | ||
ピロリ語が発生した原因は、やはり胃内でのヘリコバクターピロリ同士での交流のためだったと考えられる。この辺りは、言語学における[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A8%80%E8%AA%9E%E3%81%AE%E8%B5%B7%E6%BA%90 言語の起源]にも深くかかわってくる。 | ピロリ語が発生した原因は、やはり胃内でのヘリコバクターピロリ同士での交流のためだったと考えられる。この辺りは、言語学における<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A8%80%E8%AA%9E%E3%81%AE%E8%B5%B7%E6%BA%90 言語の起源]</span>にも深くかかわってくる。 | ||
先述した通り、ヘリコバクターピロリは胃の中という閉鎖的環境から独自の言語を生み出したことから、人間の言語の発生について考えることにもその理由が応用できる可能性はある。 | 先述した通り、ヘリコバクターピロリは胃の中という閉鎖的環境から独自の言語を生み出したことから、人間の言語の発生について考えることにもその理由が応用できる可能性はある。 |
回編集