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'''ピロリ語'''(ピロリご、ピ:ranguba M pirorikin<ref>直訳すると、「'''私たちだけの言語'''」となる。</ref> / 英:Pylorian)とは、ピロリ菌もといヘリコバクターピロリの間で使用される言語である。 | '''ピロリ語'''(ピロリご、ピ:ranguba M pirorikin<ref>直訳すると、「'''私たちだけの言語'''」となる。</ref> / 英:Pylorian)とは、ピロリ菌もといヘリコバクターピロリの間で使用される言語である。 | ||
== 特徴== | == 特徴== | ||
ピロリ語の最大の特徴は、なんといっても<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%84%B6%E8%A8%80%E8%AA%9E 自然言語]</span>でも<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E8%A8%80%E8%AA%9E 人工言語]</span>でもなく、ヘリコバクターピロリによる'''細菌工言語'''であるということだろう。細菌が自発的に開発し、さらにその話者として存続させている言語など、前代未聞のものである。 | ピロリ語の最大の特徴は、なんといっても<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%84%B6%E8%A8%80%E8%AA%9E 自然言語]</span>でも<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E8%A8%80%E8%AA%9E 人工言語]</span>でもなく、ヘリコバクターピロリによる'''細菌工言語'''であるということだろう。細菌が自発的に開発し、さらにその話者として存続させている言語など、前代未聞のものである。<ref>しかし、ヘリコバクターピロリはピロリ語話者としてピロリ語の文法を拡張させていったのみであって、ピロリ語の起源は自然によるものであるとの主張もある。詳細は[[ピロリ語#歴史|歴史節]]を参照。</ref> | ||
また、ピロリ語には句読点はおろか疑問符、感嘆符すら存在せず<ref>ただし、句点と同様の働きをする'''促音補助符号'''たるものが存在する。詳細は[[ピロリ語#字種|字種節]]を参照。</ref>、文のイントネーションは独自の文頭説明語によって決まる。<ref>疑問文のときは文の後ろでイントネーションが上がる、など。</ref>さらに、ピロリ語は世界的にもかなり複雑な代名詞を持ち、これによって主語が省略されることはほとんどない。<ref>不定代名詞や普遍代名詞があるためである。詳細は[[ピロリ語#代名詞|語彙]]節を参照。</ref> | また、ピロリ語には句読点はおろか疑問符、感嘆符すら存在せず<ref>ただし、句点と同様の働きをする'''促音補助符号'''たるものが存在する。詳細は[[ピロリ語#字種|字種節]]を参照。</ref>、文のイントネーションは独自の文頭説明語によって決まる。<ref>疑問文のときは文の後ろでイントネーションが上がる、など。</ref>さらに、ピロリ語は世界的にもかなり複雑な代名詞を持ち、これによって主語が省略されることはほとんどない。<ref>不定代名詞や普遍代名詞があるためである。詳細は[[ピロリ語#代名詞|語彙]]節を参照。</ref> | ||
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また、過去や未来の時間説明語と現実の時間説明語が同時に文に入るときは過去や未来の時間説明語が文頭になり、文の一番後ろの時間説明語だけが音を伸ばす。 | また、過去や未来の時間説明語と現実の時間説明語が同時に文に入るときは過去や未来の時間説明語が文頭になり、文の一番後ろの時間説明語だけが音を伸ばす。 | ||
文の時間説明は、時間の述言修飾補助詞「'''S'''」のはたらきによって、さらに詳しくすることもできる。<ref group="例文">Sa^ '''asu''' S pi T ya pe(彼は'''明日'''、私と会う。)</ref>さらに、全ての時間説明語は強調の文係説明語である「'''Chyu^'''」との複合によって意味が変わる。 | |||
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! rowspan="2" |時間 | ! rowspan="2" |時間 | ||
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また、疑問の文係説明語とその他の文係説明語が同時に文に入るときは疑問の時間説明語が文頭になり、文の一番後ろの文係説明語だけが音を伸ばす。 | また、疑問の文係説明語とその他の文係説明語が同時に文に入るときは疑問の時間説明語が文頭になり、文の一番後ろの文係説明語だけが音を伸ばす。 | ||
全ての文係説明語は、強調の文係説明語である「'''Chyu^'''」との複合によって意味が変わる。 | |||
さらに、疑問説明詞によって表現されうる'''疑問文(chyoguba)'''は大きく分けて'''諾否疑問文(wiwuchyoguba)'''、'''疑問詞疑問文(yaduchyoguba)'''、'''選択疑問文(dowichyoguba)'''、 | さらに、疑問説明詞によって表現されうる'''疑問文(chyoguba)'''は大きく分けて'''諾否疑問文(wiwuchyoguba)'''、'''疑問詞疑問文(yaduchyoguba)'''、'''選択疑問文(dowichyoguba)'''、 | ||
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そしてピロリ語独自の'''起点疑問文(dagnchyoguba)'''という四種類が存在する。起点疑問文は、何かに所属するものに関わり、主にその起点に対しての疑問として機能する形態の疑問文である。 | そしてピロリ語独自の'''起点疑問文(dagnchyoguba)'''という四種類が存在する。起点疑問文は、何かに所属するものに関わり、主にその起点に対しての疑問として機能する形態の疑問文である。 | ||
また、強調の文係説明語である「'''Chyu^'''」と複合した疑問説明詞は、文の不能性を表すようになる。これによって表現される'''不能文(chchyoguba)'''は、大きく分けて疑問文と同様に | |||
'''形式諾否不能文(wiwuchchyoguba)'''、'''疑問詞不能文(yaduchchyoguba)'''、'''選択疑問文(dowichchyoguba)'''、そして'''起点不能文(dagnchchyoguba)'''の四種類が存在する。 | '''形式諾否不能文(wiwuchchyoguba)'''、'''疑問詞不能文(yaduchchyoguba)'''、'''選択疑問文(dowichchyoguba)'''、そして'''起点不能文(dagnchchyoguba)'''の四種類が存在する。 | ||
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*'''duriChyo^''' '''widuri''' N gu^ pe('''どうやって'''彼は寝るの'''だろうか'''。) | *'''duriChyo^''' '''widuri''' N gu^ pe('''どうやって'''彼は寝るの'''だろうか'''。) | ||
======連続疑問文====== | ======連続疑問文====== | ||
ピロリ語の'''連続疑問文(chyoguba gN mayeyato)''' | ピロリ語の'''連続疑問文(chyoguba gN mayeyato)'''は、不定疑問代名詞が使われ、文係説明詞が諾否疑問のものである「'''Chyo^'''」に限られる形態の疑問文である。 | ||
*'''Chyo^''' '''roda''' D pe(彼は'''誰だろうか?)''' | *'''Chyo^''' '''roda''' D pe(彼は'''誰だろうか?)''' | ||
*'''Chyo^''' '''roduri''' N gu^ pe('''どうやって'''彼は寝る'''のだろうか?''') | *'''Chyo^''' '''roduri''' N gu^ pe('''どうやって'''彼は寝る'''のだろうか?''') | ||
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|} | |} | ||
====文対象語==== | ====文対象語==== | ||
ピロリ語における'''文対象語(tarugemei)''' | ピロリ語における'''文対象語(tarugemei)'''は、述言や主言(通常文言)によって作られ、文を成り立たせる基本的な成分の一つである。いわゆる'''目的語'''として理解されている。 | ||
文叙述語の前に置かれ、文型説明語を除く文頭に位置しており、文起点語で叙述されたものによる行為の対象を表す名詞(対象名詞)や動詞(対象動詞)とその文修飾語、そして補助語によって構成される。 | |||
一説には、修飾補助詞を持たない形態の、後述する文修飾語のひとつであるともいわれている。 | |||
====文叙述語==== | ====文叙述語==== | ||
ピロリ語における'''文叙述語(mubumei)'''は、述言によって作られ、文を成り立たせる基本的な成分の一つである。いわゆる'''述語'''として理解されている。 | ピロリ語における'''文叙述語(mubumei)'''は、述言によって作られ、文を成り立たせる基本的な成分の一つである。いわゆる'''述語'''として理解されている。 | ||
活用形はなく、修飾補助詞や述言補助詞によって文の前後関係を作っている。文対象語の後、文起点語の前に置かれ、文起点語の行為を説明する動詞(叙述詞)とその文修飾語、そして補助語によって構成される。 | |||
====文起点語==== | ====文起点語==== | ||
ピロリ語における'''文起点語(sentamei)'''は、主言によって作られ、文を成り立たせる基本的な成分の一つである。いわゆる'''主語'''として理解されている。 | ピロリ語における'''文起点語(sentamei)'''は、主言によって作られ、文を成り立たせる基本的な成分の一つである。いわゆる'''主語'''として理解されている。 | ||
文の最も後ろに位置し、ある行為を行う名詞(起点詞)とその文修飾語、そして補助語によって構成される。 | |||
また、ピロリ語の文では、命令文などでさえ文起点語が省略されることはめったにない。これは、後述する不定代名詞や普遍代名詞の存在によるものである。 | |||
====文修飾語==== | ====文修飾語==== | ||
ピロリ語における'''文修飾語(modhifaimei)''' | ピロリ語における'''文修飾語(modhifaimei)'''は、述言や主言(通常文言)によって作られ、述言や主言などをより詳しく説明する文の成分の一つである。いわゆる'''修飾語'''として理解されている。 | ||
原則として、述言を修飾するときは前置修飾、主言を修飾するときは後置修飾となる。また、文修飾語は単独で被修飾語を修飾することはできず、修飾補助語による修飾補助を受けなければならない。 | 原則として、述言を修飾するときは前置修飾、主言を修飾するときは後置修飾となる。また、文修飾語は単独で被修飾語を修飾することはできず、修飾補助語による修飾補助を受けなければならない。 | ||
999行目: | 999行目: | ||
=====修飾補助語===== | =====修飾補助語===== | ||
ピロリ語における'''修飾補助語(modhifa ^ herukumei)'''は、述言や主言またはそれ自体を修飾し、対象や起点などの意味を付け加える際に、修飾語と述言や主言をつなぐ補助のために使われる言葉である。 | ピロリ語における'''修飾補助語(modhifa ^ herukumei)'''は、述言や主言またはそれ自体を修飾し、対象や起点などの意味を付け加える際に、修飾語と述言や主言をつなぐ補助のために使われる言葉である。 | ||
このとき、述言の修飾の補助となるものを'''述言修飾補助語(aukusaqu ^ modhifa ^ herukumei)'''とし、主言の修飾の補助となるものを'''主言修飾補助語(aubane ^ modhifa ^ herukumei)'''とする。 | |||
品詞分類においては、修飾補助詞の中でも述言修飾補助語としてのみ用いられる品詞を述言修飾補助詞とし、主言修飾補助詞としてのみ用いられる品詞を主言修飾補助詞としている。 | 品詞分類においては、修飾補助詞の中でも述言修飾補助語としてのみ用いられる品詞を述言修飾補助詞とし、主言修飾補助詞としてのみ用いられる品詞を主言修飾補助詞としている。 | ||
また、主言修飾補助詞「'''D'''」は修飾補助詞の中でもかなり特殊で、疑似的なCS文型を作り出すことができる。さらに、名詞をひとまとまりにすることもできる。<ref group="例文">iign D '''hitorecin D peo'''('''彼ら、人間'''は賢い)</ref> | |||
さらに、述言修飾補助詞「'''K'''」は、前置修飾の形を取らず、述言の後ろで促音補助符号を立ててから設けられる。 | |||
{| class="wikitable" | {| class="wikitable" | ||
! rowspan="2" |種類 | ! rowspan="2" |種類 | ||
1,116行目: | 1,118行目: | ||
日本語における助動詞と類似しているが、他のピロリ語の成分と同様に活用形はない。品詞分類においては、述言補助語としてのみ用いられる品詞を述言補助詞としている。 | 日本語における助動詞と類似しているが、他のピロリ語の成分と同様に活用形はない。品詞分類においては、述言補助語としてのみ用いられる品詞を述言補助詞としている。 | ||
また、述言補助詞「'''wi'''」は、基本的には省略されるが、主に名詞の動詞化や動詞の強調などに使われる。 | |||
{| class="wikitable" | {| class="wikitable" | ||
! rowspan="2" |述言補助詞 | ! rowspan="2" |述言補助詞 | ||
1,186行目: | 1,188行目: | ||
述言補助詞と同様に、他のピロリ語の成分と同様に活用形はなく、品詞分類においては、主言補助語としてのみ用いられる品詞を主言補助詞としている。 | 述言補助詞と同様に、他のピロリ語の成分と同様に活用形はなく、品詞分類においては、主言補助語としてのみ用いられる品詞を主言補助詞としている。 | ||
また、主言補助詞「'''yi'''」は、基本的には省略されるが、主に動詞の名詞化や名詞の強調などに使われる。<ref>なお、動詞の名詞化に関しては、一般に主言修飾補助詞「'''K'''」の方を使われることが多い。</ref><ref group="例文">regn apupuru '''yi'''(二つのリンゴが'''ある'''。)</ref><ref group="例文">' gu^ wu 'K '''yi''' yiu puru(あなたは「私は寝たい」'''と'''言った。)</ref> | |||
{| class="wikitable" | {| class="wikitable" | ||
! rowspan="2" |主言補助詞 | ! rowspan="2" |主言補助詞 | ||
1,254行目: | 1,256行目: | ||
ピロリ語における'''文接続語(kognjagnkumei)'''は、前の文とその文の関係を表す、文の成分の一つである。いわゆる'''接続語'''として理解されている。 | ピロリ語における'''文接続語(kognjagnkumei)'''は、前の文とその文の関係を表す、文の成分の一つである。いわゆる'''接続語'''として理解されている。 | ||
かなり数が少なく、一種類につき一つ程度しか存在しない。また、品詞分類においては、常に文接続語となる品詞を接続詞としている。ここではその中でもよく使われるものを挙げる。 | |||
{| class="wikitable" | {| class="wikitable" | ||
! rowspan="2" |種類 | ! rowspan="2" |種類 | ||
1,318行目: | 1,320行目: | ||
|} | |} | ||
====文独立語==== | ====文独立語==== | ||
ピロリ語における'''文独立語(isoratemei)''' | ピロリ語における'''文独立語(isoratemei)'''とは、他の部分との関係の一切がなく、孤立している文の成分の一つである。'''文孤立語'''と訳される場合もある。いわゆる'''独立語'''として理解されている。 | ||
ピロリ語の文に文独立語はほとんど発生しない。これは、ピロリ語における他の語との関係性のない語の位置が定まっていないため、ピロリ語話者(ヘリコバクターピロリ)たちが文独立語を文中に設けるという思考に達しにくいからである。 | |||
ただし、感嘆などを表す言葉('''談話詞''')は少しではあるが語彙として存在している。<ref group="例文">'''u''' sadoka pi('''ああ'''、悲しい…)</ref> | ただし、感嘆などを表す言葉('''談話詞''')は少しではあるが語彙として存在している。<ref group="例文">'''u''' sadoka pi('''ああ'''、悲しい…)</ref>また、品詞分類においては、文独立語としてのみ用いられる品詞を独立詞としている。 | ||
===品詞体系=== | ===品詞体系=== | ||
ピロリ語では、活用する言葉の一切が存在しないため、品詞分類は品詞の文中の位置や役割によって決まる。 | ピロリ語では、活用する言葉の一切が存在しないため、品詞分類は品詞の文中の位置や役割によって決まる。 | ||
1,329行目: | 1,331行目: | ||
なお、ピロリ語では、単純語の後に修飾語や補助語をつけ足して文法的な役割などを表すため、言語類型論上は<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%86%A0%E7%9D%80%E8%AA%9E 膠着語]</span>に分類される。[[ファイル:ピロリ語品詞分類.png|左|フレーム|ピロリ語における品詞分解の図。|リンク=https://ja.wikiwiki.ga/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:%E3%83%94%E3%83%AD%E3%83%AA%E8%AA%9E%E5%93%81%E8%A9%9E%E5%88%86%E9%A1%9E.png]] | なお、ピロリ語では、単純語の後に修飾語や補助語をつけ足して文法的な役割などを表すため、言語類型論上は<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%86%A0%E7%9D%80%E8%AA%9E 膠着語]</span>に分類される。[[ファイル:ピロリ語品詞分類.png|左|フレーム|ピロリ語における品詞分解の図。|リンク=https://ja.wikiwiki.ga/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:%E3%83%94%E3%83%AD%E3%83%AA%E8%AA%9E%E5%93%81%E8%A9%9E%E5%88%86%E9%A1%9E.png]] | ||
1,417行目: | 1,423行目: | ||
菌称代名詞の格には、文法格の'''主格(yigo)'''、'''所有格 / 属格(yifago)'''、そして意味格の'''単純格(yipayago)'''、'''疎外格(yipayaqingo)'''が存在し、英語と同様に「~のもの」を意味する'''所有代名詞(purono ^ baneyayi D zii'K yifaya)'''も存在する。 | 菌称代名詞の格には、文法格の'''主格(yigo)'''、'''所有格 / 属格(yifago)'''、そして意味格の'''単純格(yipayago)'''、'''疎外格(yipayaqingo)'''が存在し、英語と同様に「~のもの」を意味する'''所有代名詞(purono ^ baneyayi D zii'K yifaya)'''も存在する。 | ||
ピロリ語における'''単純格'''とは、いわばそれだけで主述が完結していることを示す格である。主に文中の二つ以上の起点詞が全て同一であるため最も後ろの起点詞に集約することや、疑問文への返答などで使われる。<ref group="例文">Kkho^ mesi mogu'K u wi zeafoyote Sa Chye Chyi^ oyamesi mogu '''puru'''('''あなた''' | ピロリ語における'''単純格'''とは、いわばそれだけで主述が完結していることを示す格である。主に文中の二つ以上の起点詞が全て同一であるため最も後ろの起点詞に集約することや、疑問文への返答などで使われる。<ref group="例文">Kkho^ mesi mogu'K u wi zeafoyote Sa Chye Chyi^ oyamesi mogu '''puru'''('''あなた'''[[はす]]でにご飯を食べてしまったので、'''あなた'''はおやつを食べられない。)</ref><ref group="例文">Chyo Na^ jiyota pu(楽しんでる?)―'''piri'''('''うん!楽しんでる!''')</ref> | ||
また、ピロリ語における'''疎外格'''とは、それに限定した叙述に使われていることを示す格である。近年では、これが転じて特に主格の菌称代名詞の強調に使われるなどもしている。 | また、ピロリ語における'''疎外格'''とは、それに限定した叙述に使われていることを示す格である。近年では、これが転じて特に主格の菌称代名詞の強調に使われるなどもしている。 | ||
1,612行目: | 1,618行目: | ||
代名詞 | 代名詞 | ||
|wiwiwu | |wiwiwu | ||
| | |是か非か / | ||
是が非でも | |||
|wiya | |wiya | ||
|どのときか / | |どのときか / | ||
1,682行目: | 1,689行目: | ||
|} | |} | ||
======指示代名詞====== | ======指示代名詞====== | ||
ピロリ語の指示代名詞は、'''近示称(ririgu)'''<ref>近示称と第一菌称の距離的な一致から、まれに''' | ピロリ語の指示代名詞は、'''近示称(ririgu)'''<ref>近示称と第一菌称の距離的な一致から、まれに'''第一菌示称(riripigu)'''とすることがある。</ref>、'''中示称(rurugu)'''<ref>中示称と第二菌称の距離的な一致から、まれに'''第二菌示称(rurupugu)'''とすることがある。</ref>、'''遠示称(reregu)'''<ref>遠示称と第三菌称の距離的な一致から、まれに'''第三菌示称(rerepgu)'''とすることがある。</ref>、'''不定示称(rorogu)'''<ref>不定示称と不定菌称の距離的な一致から、まれに'''不定菌示称(rorowigu)'''とすることがある。</ref>、'''超話示称(raragu)'''<ref>普遍示称との意味的な関連から、まれに'''狭窄普遍示称(yarayi^gu gN sema)'''とされることがある。</ref>、'''普遍示称(yarayigu)'''<ref>普遍示称と第四菌称の距離的な一致から、まれに'''四菌示称(yarayi^pagu)'''とすることがある。</ref>からなる。 | ||
また、'''菌格'''という独自の意味格がある。 | また、'''菌格'''という独自の意味格がある。 | ||
1,692行目: | 1,699行目: | ||
連続疑問文や重複疑問文の内部では、'''不定疑問代名詞(purono ^ baneyayi D zii'K roro)'''として、それぞれの文法上の形式的な役割、加えて自身に対する疑問の意味を獲得する。 | 連続疑問文や重複疑問文の内部では、'''不定疑問代名詞(purono ^ baneyayi D zii'K roro)'''として、それぞれの文法上の形式的な役割、加えて自身に対する疑問の意味を獲得する。 | ||
また、ピロリ語における'''超話示称''' | また、ピロリ語における'''超話示称'''は、文字通りに、ある会話には示されていないものの、それ以前の会話にて示されたものを、一つの会話を超えて指すものである。<ref group="例文">baChyo^ pihi husiru yi(私のえんぴつはどこにありますか。)―wiba D ruru husiru yi waka'K u wi u pi(私はそのえんぴつがどこなのか、残念なことに分かりません。) (一時間後) Chyo^ '''rara''' husiru mi'ke pi(私は<ruby>'''例のあれ'''<rt>えんぴつ</rt></ruby>を見つけました!)―u gurasi pi(ああ、喜ばしい…)</ref>日本語訳では「例の + あ系列」によってニュアンスが表される。 | ||
なお、これは前の会話との一切の接続のない状態で使用されることもしばしばあり、この場合は文中において特定・示され得ないものを指す表現として理解される。<ref group="例文">Ko^ ' Kona^ da' '''rada''' 'K yi zii pi(私は'''ある菌'''が走っていたことを見た。)</ref>日本語訳では「ある +(名詞)」としてニュアンスが表される。<ref>あくまでも「'''ある''' ○○」のことを表し、従って[[有無ジェリア|無ジェリア地方]]の事象を無視する。</ref> | なお、これは前の会話との一切の接続のない状態で使用されることもしばしばあり、この場合は文中において特定・示され得ないものを指す表現として理解される。<ref group="例文">Ko^ ' Kona^ da' '''rada''' 'K yi zii pi(私は'''ある菌'''が走っていたことを見た。)</ref>日本語訳では「ある +(名詞)」としてニュアンスが表される。<ref>あくまでも「'''ある''' ○○」のことを表し、従って[[有無ジェリア|無ジェリア地方]]の事象を無視する。</ref> | ||
1,860行目: | 1,867行目: | ||
!不定疑問代名詞 | !不定疑問代名詞 | ||
|rowiwu | |rowiwu | ||
| | |是非<ref>副詞的な表現の「是非」(例:今後とも、是非よろしくお願いいたします。)ではなく、物事のはい・いいえに係る名詞としてのもの。</ref> | ||
|roya | |roya | ||
|どのとき | |どのとき | ||
1,888行目: | 1,895行目: | ||
ピロリ語では、人語において手の指などから成り立った数の数え方があるように、8本の鞭毛と1つの体(細胞)、そして胃から成り立つ'''数の語彙(数詞)'''を持つ。 | ピロリ語では、人語において手の指などから成り立った数の数え方があるように、8本の鞭毛と1つの体(細胞)、そして胃から成り立つ'''数の語彙(数詞)'''を持つ。 | ||
なお、ピロリ語に「0」は存在しない。<ref>このため、「'''20'''」などを表すときは、「'''regnmou ^ ipirorou'''」(または「regn ^ | なお、ピロリ語に「0」は存在しない。<ref>このため、「'''20'''」などを表すときは、「'''regnmou ^ ipirorou'''」(または「regn ^ ipi」)のように、長音補助符号を用いて上の位の数詞と「ipirorou」をつなげる。例えば「'''400'''」を表すなら、上の位の数詞を「'''pegnmou ^ ipirorou'''(40)」として、「'''pegnmou ^ ipirorou ^ ipirorou'''」(または「pegn ^ ipi ^ ipi」)とする。</ref>また、「11」などを表す際は、そのまま「'''egnmouegnmou'''」(または「egnegn」)となる。 | ||
さらに、先に述べたピロリ語代名詞における所有格と同様に、ピロリ語における修飾の原則への例外として、主言を単独で前置修飾できる。<ref group="例文">'''regnmou''' pere T ribu pi(私は'''三匹のピロリ菌'''と暮らしている。)</ref> | さらに、先に述べたピロリ語代名詞における所有格と同様に、ピロリ語における修飾の原則への例外として、主言を単独で前置修飾できる。<ref group="例文">'''regnmou''' pere T ribu pi(私は'''三匹のピロリ菌'''と暮らしている。)</ref> | ||
1,937行目: | 1,944行目: | ||
これは、ヘリコバクターピロリは無性生殖を行うため、そもそも一般に云われる家族関係たるものが存在しないからだと考えられる。 | これは、ヘリコバクターピロリは無性生殖を行うため、そもそも一般に云われる家族関係たるものが存在しないからだと考えられる。 | ||
====音象徴語彙==== | ====音象徴語彙==== | ||
ピロリ語では、'''音象徴語彙(<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%93%AC%E5%A3%B0%E8%AA%9E オノマトペ]</span>)'''はかなりの数が存在している。特に、擬態語が擬音語に比べて多い。 | ピロリ語では、'''音象徴語彙(<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%93%AC%E5%A3%B0%E8%AA%9E オノマトペ]</span>)'''はかなりの数が存在している。特に、擬態語が擬音語に比べて多い。<ref group="例文">heriko gN '''guvo'raguvo'ra'''('''グヴォラグヴォラ'''なピロリ菌)―('''guvo'raguvo'ra''':'''はつらつ'''であることを表す'''擬態語''')など。</ref> | ||
これは、語彙のもととなった言語の一つである日本語における音象徴語彙がかなり多い部類であったことと、ヘリコバクターピロリは先述の通り胃の中という閉鎖的環境にいるため、 | これは、語彙のもととなった言語の一つである日本語における音象徴語彙がかなり多い部類であったことと、ヘリコバクターピロリは先述の通り胃の中という閉鎖的環境にいるため、 | ||
1,951行目: | 1,958行目: | ||
ピロリベドは、韓国のハングル文字に酷似しており、これは字の成り立ちに因るものだと言われている。また、ピロソーバドは日本のひらがなとアルファベットの筆記体を複合させたような見た目である。 | ピロリベドは、韓国のハングル文字に酷似しており、これは字の成り立ちに因るものだと言われている。また、ピロソーバドは日本のひらがなとアルファベットの筆記体を複合させたような見た目である。 | ||
さらに、ピロソーバドにおいては<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%81%8F 偏]<span>と<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%81 旁]</span> | さらに、ピロソーバドにおいては<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%81%8F 偏]<span>と<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%81 旁]</span>で構成された漢字のような形の字も多く、「'''J'''」段や「'''V'''」段はとくに<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B9%9E 繞]や[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9E%82_(%E6%BC%A2%E5%AD%97) 垂]</span>に類似している。<ref><span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BC%A2%E5%AD%97#%E6%A7%8B%E6%88%90%E8%A6%81%E7%B4%A0 漢字の構成要素]</span>も参照。</ref> | ||
また、ピロリ語の文字の特徴として、<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%A0%E6%80%A7%E6%96%87%E5%AD%97 素性文字]</span>であるため、母音部と子音の形さえわかれば非通常子音部以外の読み方を容易く理解できることも挙げられる。 | また、ピロリ語の文字の特徴として、<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%A0%E6%80%A7%E6%96%87%E5%AD%97 素性文字]</span>であるため、母音部と子音の形さえわかれば非通常子音部以外の読み方を容易く理解できることも挙げられる。 | ||
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さらに、前述した通り、ピロリ語の文字にはまだ文字コードが定められていないため、ワープロなどでのピロリ語の表記が難しい。このため、ピロリ=アルファベット表記たるものが存在する。<ref>先述した通り、本項でも'''ピロリ=アルファベット表記'''を用いて解説している。</ref> | さらに、前述した通り、ピロリ語の文字にはまだ文字コードが定められていないため、ワープロなどでのピロリ語の表記が難しい。このため、ピロリ=アルファベット表記たるものが存在する。<ref>先述した通り、本項でも'''ピロリ=アルファベット表記'''を用いて解説している。</ref> | ||
しかし、この表記方法には問題も多く、例えば「cha」と表記される文字の読み方が「チャ」ではなくむしろ「<small>トゥ</small> | しかし、この表記方法には問題も多く、例えば「cha」と表記される文字の読み方が「チャ」ではなくむしろ「'''<small>トゥ</small>ラ'''」に近いなど、<ref name="sound" />特に発音に関する弊害がかなり多いことが分かっている。 | ||
===字形=== | ===字形=== | ||
ピロリ語の字は、5つの母音'''「A」「I」「U」「E」「O」'''の固有の形に、それぞれ19の子音の固有の形を繋げたような形になっている。 | ピロリ語の字は、5つの母音'''「A」「I」「U」「E」「O」'''の固有の形に、それぞれ19の子音の固有の形を繋げたような形になっている。 | ||
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| style="background-color:none ; border:none" |[[ファイル:ピロリベド.png|ヘリコバクターピロリによる、ピロリベドが記された胃壁画。|代替文=|フレームなし|リンク=https://ja.wikiwiki.ga/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:%E3%83%94%E3%83%AD%E3%83%AA%E3%83%99%E3%83%89.png]] | | style="background-color:none ; border:none" |[[ファイル:ピロリベド.png|ヘリコバクターピロリによる、ピロリベドが記された胃壁画。|代替文=|フレームなし|リンク=https://ja.wikiwiki.ga/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:%E3%83%94%E3%83%AD%E3%83%AA%E3%83%99%E3%83%89.png]] | ||
| style="background-color:none ; border:none" |[[ファイル:ピロソーバド.png|ヘリコバクターピロリによる、ピロソーバドが記された胃壁画。|代替文=|フレームなし|リンク=https://ja.wikiwiki.ga/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:%E3%83%94%E3%83%AD%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%89.png]] | | style="background-color:none ; border:none" |[[ファイル:ピロソーバド.png|ヘリコバクターピロリによる、ピロソーバドが記された胃壁画。|代替文=|フレームなし|リンク=https://ja.wikiwiki.ga/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:%E3%83%94%E3%83%AD%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%89.png]] | ||
|} | |}左がピロリベド、右がピロソーバドである。なお、ここに記載されているピロリ=アルファベット表記はあくまでも基本原則であり、例外的に異なる表記方法をとることもある。<ref>「ki」の文字を「'''qi'''」と表記するなど。詳細は[[ピロリ語#モーラ|モーラ節]]を参照。</ref> | ||
===表記=== | ===表記=== | ||
ピロソーバドに関しては、筆記体のように文字をつなげて書くことがある。しかし、近年では読みやすさが重視される傾向に基づき、あまり姿を見せなくなった。<ref>ピロリ語の特性上、英語などの筆記体の衰退も影響していると考えられる。</ref> | ピロソーバドに関しては、筆記体のように文字をつなげて書くことがある。しかし、近年では読みやすさが重視される傾向に基づき、あまり姿を見せなくなった。<ref>ピロリ語の特性上、英語などの筆記体の衰退も影響していると考えられる。</ref> | ||
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字を意図的に崩したものが多く使われる。さらに、近年では日本語における顔文字のように、文字を組み合わせた<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88 アスキーアート]</span>のようなものもインターネット上で流行している。 | 字を意図的に崩したものが多く使われる。さらに、近年では日本語における顔文字のように、文字を組み合わせた<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88 アスキーアート]</span>のようなものもインターネット上で流行している。 | ||
また、とりわけ<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A1%94%E6%96%87%E5%AD%97 顔文字]</span>に関しては、縦書きであることや、<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%88%E6%96%87%E5%AD%97 2バイト文字]</span> | また、とりわけ<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A1%94%E6%96%87%E5%AD%97 顔文字]</span>に関しては、縦書きであることや、<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%88%E6%96%87%E5%AD%97 2バイト文字]</span>が広く使われるなど、日本語におけるそれと類似点が多い。これには、先述した通り、日本語との深い関わりがあるからだとされる。 | ||
==歴史== | ==歴史== | ||
===発生=== | ===発生=== | ||
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しかしながら、人類の言語が発達したことによって、胃の外の存在を、その人類の言語によって知られるようになった。このときピロリ語に発生したのが外語である。 | しかしながら、人類の言語が発達したことによって、胃の外の存在を、その人類の言語によって知られるようになった。このときピロリ語に発生したのが外語である。 | ||
===発展=== | ===発展=== | ||
外語の登場によって、ピロリ語は大きく発展した。単純に語彙が莫大に増えたことも要因の一つだが、最も大きな要因は未知の事象を知ったことによって、文法を根本的に見直す必要があったからだ。 | |||
例えば、過去について言及している文は、当時のピロリ語には翻訳できなかった。このため、このごろに時間説明語などの文型説明語が意図的に発生したとみられている。これが細菌工言語と呼ばれる所以である。 | |||
このように、翻訳できないものをピロリ語に追加するというような形でピロリ語の文法は発展していき、現在の形に近づいていったとみられている。 | このように、翻訳できないものをピロリ語に追加するというような形でピロリ語の文法は発展していき、現在の形に近づいていったとみられている。 |
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