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――ぱたぱたと街を飛び回り、おいしい木の実を集めて食べる。ひんやりした枝を枕に、すずしい夜風を毛布に眠る。
 あるところに小鳥がいました。小さな緑色の翼と、小ぎれいでふさふさな毛並みを持ち、気ままにのうのうと暮らしている小鳥です。今日は好物の甘い実をたくさんとれたようで、ごきげんな様子で巣に持ち帰ってきました。夕焼け空を風のようにかけぬけて、とっても気持ちよさそうです。


彼はどこか、鬱屈とした思いを抱いていた。きれいな一対の羽で空をかき分けて走っても、胸の中にはぽっかりとした大きな穴が開いている。そこから伸びた鎖には鈍色の重しが繋がっていて、アスファルトと擦れてぎいぎいと叫んでいる。
 「あっ、小鳥さんだ! 空を飛んできた!」
 
 「こんにちは小鳥さん。わあ、おいしそうな木の実!」
 
 「さすが、小鳥くんは木の実を取るのが上手だね。」
 
 小鳥には森の友達がたくさんいます。いつも元気なリスさんに、食いしん坊なウサギさん、とっても頼りになるフクロウさん! 小鳥はみんなに木の実を少しずつ分けてあげました。みんなが美味しそうに食べているのを見て、小鳥はちょっぴり誇らしくなりました。
 
 自分が食べる分を木の幹のほら穴に詰め込んだあと、小鳥は夜まであたりを散歩することにしました。この森をぬけたすぐそばには、人間の暮らす街があります。いつもにぎやかな歌や音楽が聞こえるし、おいしい食べ物もそこら中にあるので、小鳥はその街をとっても気に入っていました。
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