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「あっ、小鳥さんだ! 空をとんできた!」 | 「あっ、小鳥さんだ! 空をとんできた!」 | ||
「やあ小鳥さん。わあ、お~いしそうな木の実!」 | |||
「ほうほう、さすが小鳥くん、木の実をとるのがじょうずだねえ。」 | |||
小鳥には森のともだちがたくさんいます。いつも元気なりすさんに、食いしんぼうなうさぎさん、とっても頼りになるふくろうさん! 小鳥はみんなに木の実をすこしずつ分けてあげました。みんながおいしそうにたべているのをみて、小鳥はちょっぴりほこらしくなりました。 | 小鳥には森のともだちがたくさんいます。いつも元気なりすさんに、食いしんぼうなうさぎさん、とっても頼りになるふくろうさん! 小鳥はみんなに木の実をすこしずつ分けてあげました。みんながおいしそうにたべているのをみて、小鳥はちょっぴりほこらしくなりました。 | ||
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「うん、とっても!」 | 「うん、とっても!」 | ||
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じぶんが食べる分を木のみきのほら穴につめこんだあと、小鳥は日がくれるまであたりをさんぽすることにしました。この森をぬけたすぐそばには、にんげんたちのくらす街があります。そこにはにぎやかな歌やようきな音楽がいつもなりひびいていて、おいしい食べものもそこら中にあふれているのです。小鳥はこの街を、とーっても気にいっていました。 | じぶんが食べる分を木のみきのほら穴につめこんだあと、小鳥は日がくれるまであたりをさんぽすることにしました。この森をぬけたすぐそばには、にんげんたちのくらす街があります。そこにはにぎやかな歌やようきな音楽がいつもなりひびいていて、おいしい食べものもそこら中にあふれているのです。小鳥はこの街を、とーっても気にいっていました。 | ||
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「今日はつかれちゃったから、またこんどでいいかな?」 | 「今日はつかれちゃったから、またこんどでいいかな?」 | ||
もしあれがうそだったとわかったら、いちごはじぶんのことをきらいになってしまうかもしれません。もしそうなってしまったら――その先をそうぞうすることさえ、小鳥にはこわくてとてもできませんでした。こんなことなら、うそなんてつかなければよかったのに。 | |||
「わかった。じゃあ……明日にしようよ! 早く雲の上にいってみたいな……!」 | 「わかった。じゃあ……明日にしようよ! 早く雲の上にいってみたいな……!」 | ||
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小鳥は、じぶんのことがきらいになりました。 | 小鳥は、じぶんのことがきらいになりました。 | ||
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「あっ、小鳥さんだ! 今日はおそかったね!」 | |||
「やあ小鳥さん。あれ? ま~た木の実をとってきたの?」 | |||
「ほうほう、けっこう大きいね。これは……イチゴ、とかいったかな?」 | |||
小鳥は、いちごといっしょに森にかえってきました。りすさん、うさぎさん、ふくろうさんの顔をみてすこしだけ元気になれたけれど、明日のことをかんがえると気もちはしずむ一方です。 | |||
「こ、こら、いちごさんは食べものじゃない! ぼくのともだちだよ!」 | |||
「え、そうなの! ごめんごめん、しらなかったよ!」 | |||
森のみんなはびっくりしているようすです。……小鳥は、すこしだけぞっとしてしまいました。いちごさん――イチゴを、……木の実を食べものだとおもうのは、じぶんたちにとってべつにおかしなことでもないのに、なにかすごくいやなかんじがしたのです。……あのおかしなカラスのことばをおもいだしたせいでしょうか。 | |||
「……ごめんねいちごさん、ここにいるみんなは、ぼくのともだち! ちかくにすんでるんだよ!」 | |||
「だいじょうぶ、気にしてないよ。……でも、わたしのからだをかじったりするのはやめてね!」 | |||
「あはは、ごめんごめん!」 | |||
いちごさんと森のみんなは、すっかり打ちとけたみたいです。よかったよかった。 | |||
気づけば空はすっかりまっくらになっていて、小鳥はもうねむることにしました。いちごといっしょに、木のみきのほら穴の中にねころがります。 | |||
「小鳥さんは、もうねむっちゃうの?」 | |||
「もう夜もおそいからね。……いちごさんはねむらないの?」 | |||
「わたしは小鳥さんみたいなどうぶつとちがってうごけないから、ねむるひつようもないの。」 | |||
「そうなんだ……だったらよなかはたいくつじゃない?」 | |||
「ふふ、いがいとそんなこともないよ。わたしはいつも、雲の上のことをそうぞうするの。きっとそこはとってもきれいで、すっごくたのしいんだろうな、って。」 | |||
「……そっか、それならたいくつしないかもね。」 | |||
「でしょ? ……でも、明日はついにほんとうに雲の上にいけるんだね……なんだか夢をみてるみたい!」 | |||
「……。」 | |||
「小鳥さん、ほんとうにありがとう。会ったばかりのわたしに、こんなに良くしてくれて。」 | |||
「……おやすみ。」 | |||
「……おやすみなさい、小鳥さん。」 | |||
小鳥は、にげるようにしてねむりにおちました。 | |||
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