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「ケンゴよお……ホラー映画ではそういう奴が最初に死ぬんだぜ。」
「ケンゴよお……ホラー映画ではそういう奴が最初に死ぬんだぜ。」


「おいおい、そんなことより、ここが例の廃墟じゃねえか?」
「おいマサシ、そんなことよりここが例の廃墟じゃねえか?」


 車をほとんど舗装されていない路地に停め、二人は廃墟に近づいていった。冷たく不気味な風が辺りを覆うが、彼らはそれを気にも留めない。
 車をほとんど舗装されていない路地に停め、二人は廃墟に近づいていった。冷たく不気味な風が辺りを覆うが、彼らはそれを気にも留めない。
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「もうそんなのいいから早く酒飲もうぜー。」
「もうそんなのいいから早く酒飲もうぜー。」


「『時は遡ること数十年前……この家には幸せな一家が暮らしていたという。しかしある時やってきた殺人鬼は、息子が間違ってドアを開けてしまったのをいいことに家の中に侵入、そして家族を次々惨殺! 残された息子が描いた、ドアの覗き窓越しに見た記憶の中の犯人の絵は、その子供っぽい画風と、魚眼レンズの不気味な歪みようから、『検索してはいけない画像』として今なおネットで語り継がれているのだ……。』だってよ。」
「『時は遡ること数十年前……この家には幸せな一家が暮らしていたという。しかしある時やってきた殺人鬼は、幼い息子が間違ってドアを開けてしまったのをいいことに家の中に侵入、そして家族を次々惨殺! 残された息子が描いた、ドアの覗き窓越しに見た記憶の中の犯人の絵は、その子供っぽい画風と、魚眼レンズの不気味な歪みようから、『検索してはいけない画像』として今なおネットで語り継がれているのだ……。』だってよ。」


「ぎゃははは、しょーもねー! どう考えても嘘だろ!」
「ぎゃははは、しょーもねー! どう考えても嘘だろ!」
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 片目をドアスコープにあてがった瞬間、マサシは息を呑み――
 片目をドアスコープにあてがった瞬間、マサシは息を呑み――


「何もいねえええええ!!!」
「何もいねえ!」


「ぎゃはははは! なんもいないのかよ!!!」
「ぎゃははは! 何もいないのかよ!」


 笑いが収まった後、マサシの頭には一つの疑問が浮かんだ。
 ――しかしマサシの頭には、一つの疑問が浮かんだ。


「……なあ、あの話ではさ、生き残った息子は最初にドアの覗き窓越しに殺人鬼を見たってことになってたよな。」
「……なあ、ここの息子は、ドアの覗き窓越しに殺人鬼を見たって話だったよな。」


「どうした急に。」
「どうした急に。」
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「あははは! じゃあそいつ、今もこの家に潜んでるかもな!」
「あははは! じゃあそいつ、今もこの家に潜んでるかもな!」


 ――突如として聞こえてきた知らない誰かの低い声に、二人の笑い声は一瞬にして止まった。
 ――突如として聞こえてきた知らない声に、二人の笑い声は一瞬にして止まった。


「うん。今、玄関にいるよ。」
「うん。今、玄関にいるよ。」


 クローゼットが内側から開かれる。
 クローゼットが内側から開かれる。
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