2,085
回編集
編集の要約なし |
編集の要約なし |
||
45行目: | 45行目: | ||
そして明治41年、舌助は究極の“愛のない料理”の制作を目指す。自らの誕生日の宴会でそれを食すことを目論み、舌助は使用人に食材を買わせていった。厳選した食材が集まってくると、使用人の制止<ref>「おやめください! そのようなものを食すだなんて! その……その<del>おぞましい実</del><ins>トマト</ins>を召し上がるのですか⁈」</ref>を振り切って舌助は調理を開始した。そして翌日の3月2日、ついに料理は完成し、食卓に並んだ。これが後のいまさらである。 | そして明治41年、舌助は究極の“愛のない料理”の制作を目指す。自らの誕生日の宴会でそれを食すことを目論み、舌助は使用人に食材を買わせていった。厳選した食材が集まってくると、使用人の制止<ref>「おやめください! そのようなものを食すだなんて! その……その<del>おぞましい実</del><ins>トマト</ins>を召し上がるのですか⁈」</ref>を振り切って舌助は調理を開始した。そして翌日の3月2日、ついに料理は完成し、食卓に並んだ。これが後のいまさらである。 | ||
列席するゲストたちが萎縮する中、舌助は皿に盛られたサラダを嬉々として食べた。皿が空になると同時に、舌助は満面の笑みで「不味い」と言うと、激しく嘔吐して倒れてしまう。懸命な救命活動も報われず、舌助は間もなく息を引き取った。享年21。 | |||
こうして舌助の作ったサラダは、舌助の不可解な死によって、呪われた歴史の最初の1ページを刻んだのである。<ref> | こうして舌助の作ったサラダは、舌助の不可解な死によって、呪われた歴史の最初の1ページを刻んだのである。<ref>なお、「普通にトリカブトが入ってたからじゃね?」とか言ってる馬鹿もいる。</ref> | ||
===多くの死=== | ===多くの死=== | ||
81行目: | 81行目: | ||
==志仁田少女風の挑戦== | ==志仁田少女風の挑戦== | ||
===遍歴=== | ===遍歴=== | ||
<ruby>志仁田<rt>しにた</rt></ruby><ruby>少女風<rt>がーりー</rt></ruby> | <ruby>志仁田<rt>しにた</rt></ruby><ruby>少女風<rt>がーりー</rt></ruby>は、死にたがっていた。その理由は定かでない。親子関係の不和とも、学校でのいじめとも、将来へのただぼんやりした不安とも言われている。 | ||
他の「死にたい」と言っている多くの人とは異なり、志仁田は自殺を試みた。それも繰り返し。しかし、志仁田は死ななかった。それは土壇場で怖気づいたとか、他の人に助けられたとかが原因ではない。志仁田は不可抗力によって自殺に失敗したのである。 | 他の「死にたい」と言っている多くの人とは異なり、志仁田は自殺を試みた。それも繰り返し。しかし、志仁田は死ななかった。それは土壇場で怖気づいたとか、他の人に助けられたとかが原因ではない。志仁田は不可抗力によって自殺に失敗したのである。 | ||
250行目: | 250行目: | ||
わずか10分足らずで、忌まわしきサラダは完成した。周りに集まっていた人々からは、歓声ともどよめきともつかぬ声が上がった。 | わずか10分足らずで、忌まわしきサラダは完成した。周りに集まっていた人々からは、歓声ともどよめきともつかぬ声が上がった。 | ||
===実食=== | |||
==脚注== | ==脚注== | ||
<references/> | <references/> |
回編集