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 突如、人々のざわめく声が歓声になる。彼らの視線の先には、迷彩柄のズボンを履いている上裸の巨漢が、エスカレータを堂々とした足取りで歩いて降りていくのが見えた。サーカスの主催者、クリームパンダの登場だ。
 突如、人々のざわめく声が歓声になる。彼らの視線の先には、迷彩柄のズボンを履いている上裸の巨漢が、エスカレータを堂々とした足取りで歩いて降りていくのが見えた。サーカスの主催者、クリームパンダの登場だ。


 「ビャハハハハ! 今日も元気がいいなあ、市民たち!」
「ビャハハハハ! 今日も元気がいいなあ、市民たち!」


 クリームパンダの獣のような大声にも負けない歓声がモール中を埋め尽くした。彼は満足そうに目を細め、醜悪なウインクをさらす。
 クリームパンダの獣のような大声にも負けない歓声がモール中を埋め尽くした。彼は満足そうに目を細め、醜悪なウインクをさらす。


 「さあて、今日のサーカスの演目は先週告知した通り……『賭け駄段々』だ! 舞台はもちろん、このでくのぼうのエスカレーター!」
「さあて、今日のサーカスの演目は先週告知した通り……『賭け駄段々』だ! 舞台はもちろん、このでくのぼうのエスカレーター!」


 観客席からは万雷の拍手が聞こえるが、彼らはどうやらまだそわそわしている様子で、期待に満ちた目でクリームパンダを見ている。彼らが待っているのはもちろん、今日の獲物、治安警察から引き渡されてきた思想者だ。
 観客席からは万雷の拍手が聞こえるが、彼らはどうやらまだそわそわしている様子で、期待に満ちた目でクリームパンダを見ている。彼らが待っているのはもちろん、今日の獲物、治安警察から引き渡されてきた思想者だ。
「まあ待ってくれ、凶暴な市民たち。まずは『駄段々』の説明だ。知っている人も結構いるだろうが、このゲームは地下賭博場で作られ、大流行したゲームのひとつだ。ギャンブルで脳みそが腐ったごろつきどもは、刺激を求めて何度も地下賭博場に出向くだろう? それである時、ついに奴らは地上の入口から地下賭博場へ続く長い階段を歩いて降りていくことですら退屈になっちまったらしい。こうして考え出されたのが、階段とトランプだけを使って遊べるゲーム、『駄段々』ってわけだ」
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