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***仮定1――「非自己叙述的」という言葉は非自己叙述的である。<br>∴「非自己叙述的」は「非自己叙述的」という言葉に背いている。<br>∴「非自己叙述的」は'''非自己叙述的でない'''。(=仮定と矛盾する結論) | ***仮定1――「非自己叙述的」という言葉は非自己叙述的である。<br>∴「非自己叙述的」は「非自己叙述的」という言葉に背いている。<br>∴「非自己叙述的」は'''非自己叙述的でない'''。(=仮定と矛盾する結論) | ||
***仮定2――「非自己叙述的」という言葉は非自己叙述的でない。<br>∴「非自己叙述的」は「非自己叙述的」という言葉に背いていない。<br>∴「非自己叙述的」は「非自己叙述的」である。(=またもや仮定と矛盾する結論) | ***仮定2――「非自己叙述的」という言葉は非自己叙述的でない。<br>∴「非自己叙述的」は「非自己叙述的」という言葉に背いていない。<br>∴「非自己叙述的」は「非自己叙述的」である。(=またもや仮定と矛盾する結論) | ||
***どうしてこんなことに?――先にも言ったように、ある言葉が非自己叙述的かどうか判断するとき、その言葉は'''メタ言語'''でなければならない。ということは、「非自己叙述的」という言葉は'''メタ言語について述べる言語'''である。もし仮に、「'''メタ言語'''」と「'''メタ言語について述べる言語''' | ***どうしてこんなことに?――先にも言ったように、ある言葉が非自己叙述的かどうか判断するとき、その言葉は'''メタ言語'''でなければならない。ということは、「非自己叙述的」という言葉は'''メタ言語について述べる言語'''である。もし仮に、「'''メタ言語'''」と「'''メタ言語について述べる言語'''」の性質が異なるとすれば、「『非自己叙述的』という言葉は非自己叙述的であるか」という問いに矛盾が生まれることを説明できる。<br>要は、「『非自己叙述的』という言葉は'''メタ言語'''について述べるために使われるべきなのに、この問いは『非自己叙述的』という言葉を'''メタ言語について述べる言語'''について述べるために使おうとしている」すなわち「言葉の使い方を間違えている」ため、「常に偽」つまり「矛盾」が起こる、ということである。<br>たとえるならば、「現在のフランス国王は74歳である」という文が常に偽となる(「74歳である」と仮定しても「74歳でない」と仮定しても、「現在のフランス国王」という言い方が間違っている<ref>現在のフランスに国王はいない。</ref>ため)ようなものである。 | ||
==脚注== | ==脚注== |
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