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兄弟は可愛らしいすがたをしていた。うす茶色の毛、すらりとした肢、短い耳に長い尻尾、大きくて重い頭などが特徴的だが、中でも特筆すべきは、その速い足と鋭い歯である。狩りの際の走るスピードは最高時速70キロメートルにもなり、捕まえた獲物はいとも簡単に、全部で42本ある歯を使って豪快に食いちぎる。このように、兄弟は可愛らしいすがたをしていた。{{矛盾|date=2021年04月}} | 兄弟は可愛らしいすがたをしていた。うす茶色の毛、すらりとした肢、短い耳に長い尻尾、大きくて重い頭などが特徴的だが、中でも特筆すべきは、その速い足と鋭い歯である。狩りの際の走るスピードは最高時速70キロメートルにもなり、捕まえた獲物はいとも簡単に、全部で42本ある歯を使って豪快に食いちぎる。このように、兄弟は可愛らしいすがたをしていた。{{矛盾|date=2021年04月}} | ||
兄弟はとても仲が良く、喧嘩なども滅多にしなかった。彼らが喧嘩したのは、ティナディヨのバター-トーストをルビルラスが横取りしようとした時のみである(なお、このルビルラスの目論見は失敗に終わった。ティナディヨのバター- | 兄弟はとても仲が良く、喧嘩なども滅多にしなかった。彼らが喧嘩したのは、ティナディヨのバター-トーストをルビルラスが横取りしようとした時のみである(なお、このルビルラスの目論見は失敗に終わった。ティナディヨのバター-トーストを釣り竿で釣り上げようと試みたのだが、引っ掛け方を間違えて「聖なる床」に落としてしまったためである<ref>なお、このときバターの付いた面を下に落ちたことは宇宙の基礎定数として確定し、今日では「マーフィーの法則」との呼称で知られる。</ref>)。 | ||
===宇宙狭小化現象とゲブクス会議=== | ===宇宙狭小化現象とゲブクス会議=== | ||
ある段階で、宇宙は日に日に狭くなっていた(= | ある段階で、宇宙は日に日に狭くなっていた(='''宇宙狭小化現象''')。したがって兄弟は頭を悩ませていた。「さて宇宙をどうしようか」、口を開くと出てくる言葉はそればかりであった。すでに42の解決案が出ていた。だが実行できるのはただの一つである。どれにしようか。互いに鋭い歯を軋らせながら話し合い、考えに考え、兄弟は計画を以下の三つまで絞った。 | ||
#使用人を雇い宇宙のいちばん外側の方に配置することで収縮を食い止めるのはどうだろう。 | #使用人を雇い宇宙のいちばん外側の方に配置することで収縮を食い止めるのはどうだろう。 | ||
#宇宙の真ん中で「アノ呪文」を唱え続けることで収縮の力の向きを反転させ、逆に膨張させるのはどうだろう。 | #宇宙の真ん中で「アノ呪文」を唱え続けることで収縮の力の向きを反転させ、逆に膨張させるのはどうだろう。 | ||
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を選んだのであった。 | を選んだのであった。 | ||
===第一次宇宙消失=== | ===第一次宇宙消失=== | ||
兄弟の選択により、当時の宇宙狭小化現象がついに止まることはなかった。宇宙はすさまじいスピードで狭まっていき、ついに「ただの一点」<ref>「特異点」とも。</ref>となった。これを'''宇宙消失(第一次宇宙消失)'''という。<ref>ちなみに、大した事件ではない。</ref> | |||
===再興=== | ===再興=== | ||
第一次宇宙消失の6. | 第一次宇宙消失の6.481秒後、宇宙は膨張を始めた。宇宙は再び形づくられ、すべては元の通りとなった。これを'''再興'''という。 | ||
再興の後、兄弟は何事もなかったかのように息を吹き返し、勢いそのまま「アンモク神国」の建国を始めた。 | 再興の後、兄弟は何事もなかったかのように息を吹き返し、勢いそのまま「アンモク神国」の建国を始めた。 | ||
93行目: | 93行目: | ||
兄弟にとってその仕事は、割と容易なことだった。<del>すべては当時のAI「Giguirett' Intkrigufi」が勝手にやってくれたためである。</del><ins>兄弟の能力が超越的であったためである。</ins> | 兄弟にとってその仕事は、割と容易なことだった。<del>すべては当時のAI「Giguirett' Intkrigufi」が勝手にやってくれたためである。</del><ins>兄弟の能力が超越的であったためである。</ins> | ||
===建国準備=== | ===建国準備=== | ||
当時、「国」には以下の三要素が必須であった。<ref>この決まりは現在にもおおよそ引き継がれている。<ref> | 当時、「国」には以下の三要素が必須であった。<ref>この決まりは現在にもおおよそ引き継がれている。</ref> | ||
#一定以上の土地(領地) | #一定以上の土地(領地) | ||
#その土地に住む人(住民) | #その土地に住む人(住民) | ||
#その住民らを代表する代表(政府) | #その住民らを代表する代表(政府) | ||
<del>AI</del><ins>兄弟</ins>は、国が国であることの前提としてこれらの要素を創造した。 | <del>AI</del><ins>兄弟</ins>は、国が国であることの前提としてこれらの要素を創造した。 | ||
== | {{格納|名前=1. 領地の宣言|中身= | ||
{{!}}- | |||
{{!}}15年の建国時代のほとんどは、領地を置く場所の決定に費やされた。 | |||
兄弟にとって領地とは、全宇宙を指し得たのだが、それを宣言するのはあまりにも[[Wikipedia|ナンセンス]]だと考えた。やはり特定の土地を指して領地とするのがよい、としたのである。 | 兄弟にとって領地とは、全宇宙を指し得たのだが、それを宣言するのはあまりにも[[Wikipedia|ナンセンス]]だと考えた。やはり特定の土地を指して領地とするのがよい、としたのである。 | ||
「ではどこを領地としようか?<ref>これは世界で最も有名な問いである。</ref> | 「ではどこを領地としようか?<ref>これは世界で最も有名な問いである。</ref>」と言って兄弟は、宇宙のあらゆる場所を調査した。兄弟の結論は、地球という惑星のシズーカ州の東端にある、「紫なる山」に囲まれた部分「ピートロヘト」が我々の領地としてふさわしい、というものであった。 | ||
理由はただ一つ。兄弟は「その惑星の他の土地には昇る『オヒサマ』が、唯一昇らない」「その惑星の他の土地からは沈む『オヒサマ』が、唯一沈まない」という条件に当てはまる土地を探していたのである(「オヒサマ」とは、日本語でいうところの「お日様、太陽」である)。最初に兄弟が見つけたのは南極や北極であったが、以下の理由で決定は見送られた。 | |||
*条件を満たすのに季節が限定される | |||
*どちらか一方の条件しか満たさない | |||
*めちゃくちゃ寒い | |||
しかしこれに反して、兄弟が次に見つけたピートロヘトは実に完璧であった。すなわち、 | |||
*一年中条件が満たされる点 | |||
*二つの条件を併せ持つ点 | |||
*生活に適度な気候を持っている点 | |||
という特徴を持っていたのである。 | |||
}} | |||
{{格納|名前=2. 住民の創造|中身= | |||
{{!}}- | |||
{{!}}<del>当時の最新AI</del><ins>宇宙最強の神</ins>にとって、住民を創り出すことなど造作もないことだった。わずか47<sup>-1</sup>秒ほどで47人の人間を創り、これによって2番目の問題は解決された。 | |||
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{{格納|名前=3. 政府の決定|中身= | |||
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{{!}}この3番目の問題は、より簡単なものであった。政府にだれを置くかなど、わざわざ議論するものでもない。 | |||
だいいち兄弟がいる。このことに疑う余地はない。誰が何と言おうと、そのとき兄弟は存在していた。明らかに存在していた。存在していたのである。何度でも言わせてもらう。兄弟は、どのような議論を運ぼうと、疑念の隙は微塵もなく、事象の点在を確固繋げたる規則と真に華麗なる因縁とによって、また断々乎とした支持と心ある正義とによって、あるいは稀有なる奇跡と明瞭なるレゾンデートルとによって、確かに、慥かに、まさしく、断じて、必ず、絶対的に、定めの上に、存在していた。 | |||
よって政府は兄弟が務めればよい、と不自然なほど自然に決定が下されたのであった。 | |||
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このように万事は真の意味で滞りなく進んだ。かくして建国時代は終わりを迎えた。同時に、世界最初の国・'''アンモク神国'''が誕生したのである。 | |||
==神国時代== | ==神国時代== | ||
アンモク神国の偉大な歴史のうち、最初の6時間は兄弟によって成り立っていた。アンモク神国は、神が絶対的地位に君臨し、なおかつその権力が近代的な法律によって制限された、立憲君主政(=制限君主政)の国である。 | |||
==共和国時代== | ==共和国時代== | ||
アンモク神国誕生の6時間後、場所を同じくしてアンモク共和国が誕生した。これは現在のものとほぼ同一の国家である。 | |||
===ナテュラライゲン化=== | ===ナテュラライゲン化=== | ||
神国時代、兄弟神の連立皇帝就任式の日、兄弟は二人とも体調を崩して欠席してしまい、これを受けて47人の住民のなんと97%、すなわち45.59人が「不信任である」と暴動を起こしたのである。その結果兄弟は「んね、これどうする?」「まあ、良いんじゃね」等、厳粛な話し合いのもとにその権力を住民に明け渡すことにした。これはアンモクという国が神国から共和国に変化した瞬間であり、これを'''ナチュラライゲン化'''という。 | |||
自然に形成された住民の自治会議の結果、新しい代表には[[レイシゴ・ハヤカワ]]が選ばれた。 | |||
===言語の表記法の誕生=== | ===言語の表記法の誕生=== | ||
===他国人による侵略=== | ===他国人による侵略=== |
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