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(→語彙体系) |
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*duriChyo^ widuri N gu^ pe(どうやって彼は寝るのだろうか。) | *duriChyo^ widuri N gu^ pe(どうやって彼は寝るのだろうか。) | ||
======連続疑問文====== | ======連続疑問文====== | ||
ピロリ語の'''連続疑問文(chyoguba gN mayeyato)''' | ピロリ語の'''連続疑問文(chyoguba gN mayeyato)'''は、不定疑問代名詞が使われ、文係説明詞が諾否疑問のものである「Chyo^」に限られる形態の疑問文である。 | ||
*Chyo^ roda D pe(彼は誰だろうか?) | *Chyo^ roda D pe(彼は誰だろうか?) | ||
*Chyo^ rowa N gu^ pe(どうやって彼は寝るのだろうか?) | *Chyo^ rowa N gu^ pe(どうやって彼は寝るのだろうか?) | ||
1,330行目: | 1,330行目: | ||
ピロリ語の文に文独立語はほとんど発生しない。これは、ピロリ語における他の語との関係性のない語の位置が定まっていないため、ピロリ菌たちが文独立語を文中に設けるという思考に達しにくいからである。 | ピロリ語の文に文独立語はほとんど発生しない。これは、ピロリ語における他の語との関係性のない語の位置が定まっていないため、ピロリ菌たちが文独立語を文中に設けるという思考に達しにくいからである。 | ||
ただし、感嘆などを表す言葉('''談話詞''')は少しではあるが語彙として存在している。<ref group="例文">'''u''' | ただし、感嘆などを表す言葉('''談話詞''')は少しではあるが語彙として存在している。<ref group="例文">'''u''' sadoka pi('''ああ'''、悲しい…)</ref>品詞分類においては、文独立語としてのみ用いられる品詞を独立詞としている。 | ||
===品詞体系=== | ===品詞体系=== | ||
ピロリ語では、活用する言葉の一切が存在しないため、品詞分類は品詞の文中の位置や役割によって決まる。 | ピロリ語では、活用する言葉の一切が存在しないため、品詞分類は品詞の文中の位置や役割によって決まる。 | ||
1,402行目: | 1,402行目: | ||
実際のピロリ語には性別などという概念は存在していない。<ref>[[ピロリ語#親族語彙|親族語彙節]]も参照。</ref>しかし、非ピロリ語ネイティブにおいては、これを性別的な意味で分けて使うことが慣習となっており、本項でもそれを用いている。 | 実際のピロリ語には性別などという概念は存在していない。<ref>[[ピロリ語#親族語彙|親族語彙節]]も参照。</ref>しかし、非ピロリ語ネイティブにおいては、これを性別的な意味で分けて使うことが慣習となっており、本項でもそれを用いている。 | ||
======菌称====== | ======菌称====== | ||
ピロリ語における'''不定菌称''' | '''一菌称'''、'''二菌称'''、'''三菌称'''は、単にそれぞれ一人称、二人称、三人称に対応したピロリ語独自の名称であり、その意味はそれらと変わらない。 | ||
ピロリ語における'''不定菌称'''は基本的に、定まっていない、または分からない名詞を指すものである。通常疑問文や不能文の内部では、'''不定代名詞(purono ^ baneyayi D zii'K wi)'''として、それぞれの文法上の役割を形式的に獲得する。 | |||
また、平叙文の内部では[[関節疑問文|間接疑問文]]のような形で使われ、<ref group="例文">Chye^ '''wi''' D pe waka pi(私は彼が'''誰なのか'''分からない。)</ref>さらに感嘆文でも強調の意味で用いられることがある。<ref group="例文">Chyo^ '''viofarizin''' D biutukusi D heriko('''なんと'''美しいピロリ菌なのだろう!)</ref> | |||
また、'''四菌称'''については様々な言語でみられるが、ピロリ語においての四菌称は、促し文や命令文などの内部で、普遍示称と同様に'''普遍代名詞(purono ^ baneyayi D zii'K yipa)'''として、それぞれの文法上の役割を形式的に獲得する。 | また、'''四菌称'''については様々な言語でみられるが、ピロリ語においての四菌称は、促し文や命令文などの内部で、普遍示称と同様に'''普遍代名詞(purono ^ baneyayi D zii'K yipa)'''として、それぞれの文法上の役割を形式的に獲得する。 | ||
1,417行目: | 1,421行目: | ||
また、前述の通りピロリ語では修飾の原則として、主言の後置修飾や修飾補助語による修飾補助などがあるのだが、ピロリ語代名詞における'''所有格(属格)'''は例外的に、主言を単独で前置修飾できる。<ref group="例文">Ko daChyo^ '''pihi''' apupuru mogu wi('''私のリンゴ'''を食べたのは誰ですか?)</ref> | また、前述の通りピロリ語では修飾の原則として、主言の後置修飾や修飾補助語による修飾補助などがあるのだが、ピロリ語代名詞における'''所有格(属格)'''は例外的に、主言を単独で前置修飾できる。<ref group="例文">Ko daChyo^ '''pihi''' apupuru mogu wi('''私のリンゴ'''を食べたのは誰ですか?)</ref> | ||
======一覧====== | ======一覧====== | ||
1,655行目: | 1,560行目: | ||
|yipaoya | |yipaoya | ||
|yipaoyaqin | |yipaoyaqin | ||
|} | |||
====== 不定代名詞 ====== | |||
不定菌称代名詞、すなわち不定代名詞は、先述したような生物や物体のそれぞれの格の数のみではなく、諾否疑問文係語も含めた疑問文係詞の各種にそれぞれ対応した'''菌称外不定代名詞(puruno ^ baneyayi D zii'K wi JD wigu)'''も存在している。 | |||
なお、菌格、主格、様格、所有格(属格)に関しては、それぞれ対応した'''不定菌称代名詞'''が、前述したとおりに不定代名詞となる。 | |||
{| class="wikitable" | |||
! style="border-top:1px solid #ffffff ; border-left:1px solid #ffffff ; border-bottom:1px solid #ffffff ; background-color:#ffffff" | | |||
! colspan="2" rowspan="2" |Chyo^ | |||
! colspan="2" |yaChyo^ | |||
! colspan="2" |baChyo^ | |||
! colspan="2" |daChyo^ | |||
! colspan="2" |waChyo^ | |||
! colspan="2" |naChyo^ | |||
! colspan="2" |duriChyo^ | |||
! colspan="2" |dowiChyo^ | |||
! colspan="2" |dagnChyo^ | |||
|- | |||
! style="border-top:1px solid #ffffff ; border-left:1px solid #ffffff ; border-bottom:1px solid #ffffff ; background-color:#ffffff" | | |||
! colspan="2" |時格 | |||
! colspan="2" |処格 | |||
! colspan="2" |菌格 | |||
! colspan="2" |主格 / 様格 | |||
! colspan="2" |因格 | |||
! colspan="2" |具格 | |||
! colspan="2" |向格( / 具格) | |||
! colspan="2" |菌格 /所有格(属格) | |||
|- | |||
! style="border-top:1px solid #ffffff ; border-left:1px solid #ffffff ; background-color:#ffffff" | | |||
!ピロリ語 | |||
!日本語 | |||
!ピロリ語 | |||
!日本語 | |||
!ピロリ語 | |||
!日本語 | |||
!ピロリ語 | |||
!日本語 | |||
!ピロリ語 | |||
!日本語 | |||
!ピロリ語 | |||
!日本語 | |||
!ピロリ語 | |||
!日本語 | |||
!ピロリ語 | |||
!日本語 | |||
!ピロリ語 | |||
!日本語 | |||
|- | |||
!不定 | |||
代名詞 | |||
|wiwiwu | |||
|(無し) | |||
|wiya | |||
|どのときか / | |||
どのときでも | |||
|wiba | |||
|どこか / | |||
どこでも | |||
|wi | |||
wio | |||
wifari | |||
wiofari | |||
wifarizin | |||
wiofarizin<ref name="wivi">不定代名詞となる形態においても、通常の不定菌称代名詞と同様に、単数 / 複数や、主格、単純格、疎外格は使い分けられる。</ref> | |||
|どの菌(人物)か / | |||
どの菌(人物)でも | |||
|vi | |||
vio | |||
vifari | |||
viofari | |||
vifarizin | |||
viofarizin<ref name="wivi" /> | |||
|どれか | |||
どのようにか / | |||
どれでも | |||
どのようにでも | |||
|wina | |||
|どのためか / | |||
どのためでも | |||
|widuri | |||
|どうしてか / | |||
どうしても | |||
|widowi | |||
|どちらか | |||
どうしてか / | |||
どちらでも | |||
どうしても | |||
|wifa | |||
wiofa | |||
wifawi | |||
wiofawi | |||
vifa | |||
viofa | |||
vifavi | |||
viofavi<ref>不定代名詞となる形態においても、通常の不定菌称代名詞と同様に、単数 / 複数や、所有格、所有代名詞は使い分けられる。</ref> | |||
|どの菌(人物)か | |||
どのものか / | |||
どの菌(人物)でも | |||
どのものでも | |||
|} | |} | ||
1,662行目: | 1,686行目: | ||
また、'''菌格'''という独自の意味格がある。 | また、'''菌格'''という独自の意味格がある。 | ||
======示称====== | ======示称====== | ||
'''近示称'''、'''中示称'''、'''遠示称'''は、単にそれぞれ近称、中称、遠称に対応したピロリ語独自の名称であり、その意味はそれらと変わらない。 | |||
また、ピロリ語における'''不定示称'''は基本的に、定まっていない、または分からないものを指すものである。 | また、ピロリ語における'''不定示称'''は基本的に、定まっていない、または分からないものを指すものである。 | ||
連続疑問文や重複疑問文の内部では、'''不定疑問代名詞(purono ^ baneyayi D zii'K roro)'''として、それぞれの文法上の形式的な役割、加えて自身に対する疑問の意味を獲得する。 | 連続疑問文や重複疑問文の内部では、'''不定疑問代名詞(purono ^ baneyayi D zii'K roro)'''として、それぞれの文法上の形式的な役割、加えて自身に対する疑問の意味を獲得する。 | ||
また、ピロリ語における'''超話示称'''は、文字通りに、ある会話には示されていないものの、その前の会話にて示されたものを指すものである。<ref group="例文">baChyo^ pihi husiru yi(私のえんぴつはどこにありますか。)―wiba D ruru husiru yi waka'K u wi u pi(私はそのえんぴつがどこなのか、残念なことに分かりません。) | また、ピロリ語における'''超話示称'''は、文字通りに、ある会話には示されていないものの、その前の会話にて示されたものを指すものである。<ref group="例文">baChyo^ pihi husiru yi(私のえんぴつはどこにありますか。)―wiba D ruru husiru yi waka'K u wi u pi(私はそのえんぴつがどこなのか、残念なことに分かりません。) | ||
1,692行目: | 1,714行目: | ||
! colspan="2" |時格 | ! colspan="2" |時格 | ||
! colspan="2" |処格 | ! colspan="2" |処格 | ||
! colspan="2" | | ! colspan="2" |菌格( / 所有格) | ||
! colspan="2" |様格( / 因格) | ! colspan="2" |様格( / 因格) | ||
! colspan="2" |向格( / 具格) | ! colspan="2" |向格( / 具格) | ||
1,702行目: | 1,724行目: | ||
!ピロリ語 | !ピロリ語 | ||
!日本語 | !日本語 | ||
!ピロリ語<ref> | !ピロリ語<ref>砕けた表現として、または所有格の確定のために、それぞれの示称の「da」の代わりに「'''dagn'''」を使うこともある。このとき、普遍示称は「'''yaratagn'''」になる。</ref> | ||
!日本語 | !日本語 | ||
!ピロリ語<ref> | !ピロリ語<ref>砕けた表現として、または因格の確定のために、それぞれの示称の「wa」の代わりに「'''na'''」を使うこともある。このとき、普遍示称は「'''yarana'''」になる。</ref> | ||
!日本語 | !日本語 | ||
!ピロリ語<ref> | !ピロリ語<ref>砕けた表現として、または具格の確定のために、それぞれの示称の「dowi」の代わりに「'''duri'''」を使うこともある。このとき、普遍示称は「'''yarataya'''」になる。</ref> | ||
!日本語 | !日本語 | ||
|- | |- | ||
1,793行目: | 1,815行目: | ||
|かつ、かくして | |かつ、かくして | ||
|} | |} | ||
====数の語彙==== | |||
====== 不定疑問代名詞 ====== | |||
不定自称代名詞、すなわち不定疑問代名詞は、'''示称外不定代名詞(puruno ^ baneyayi D zii'K wi JD rorogu)'''として、諾否疑問文係語に対応したものが一つだけ存在している。 | |||
なお、それ以外の全てのものに関しては、それぞれ対応した'''不定示称代名詞'''が、前述したとおりに不定疑問代名詞となる。 | |||
{| class="wikitable" | |||
! style="border-top:1px solid #ffffff ; border-left:1px solid #ffffff ; border-bottom:1px solid #ffffff ; background-color:#ffffff" | | |||
! colspan="2" rowspan="2" |Chyo^ | |||
! colspan="2" |yaChyo^ | |||
! colspan="2" |baChyo^ | |||
! colspan="2" |daChyo^ | |||
! colspan="2" |waChyo^ | |||
! colspan="2" |naChyo^ | |||
! colspan="2" |duriChyo^ | |||
! colspan="2" |dowiChyo^ | |||
! colspan="2" |dagnChyo^ | |||
|- | |||
! style="border-top:1px solid #ffffff ; border-left:1px solid #ffffff ; border-bottom:1px solid #ffffff ; background-color:#ffffff" | | |||
! colspan="2" |時格 | |||
! colspan="2" |処格 | |||
! colspan="2" |菌格 | |||
! colspan="2" |主格 / 様格 | |||
! colspan="2" |因格 | |||
! colspan="2" |具格 | |||
! colspan="2" |向格( / 具格) | |||
! colspan="2" |菌格 /所有格(属格) | |||
|- | |||
! style="border-top:1px solid #ffffff ; border-left:1px solid #ffffff ; background-color:#ffffff" | | |||
!ピロリ語 | |||
!日本語 | |||
!ピロリ語 | |||
!日本語 | |||
!ピロリ語 | |||
!日本語 | |||
!ピロリ語 | |||
!日本語 | |||
!ピロリ語 | |||
!日本語 | |||
!ピロリ語 | |||
!日本語 | |||
!ピロリ語 | |||
!日本語 | |||
!ピロリ語 | |||
!日本語 | |||
!ピロリ語 | |||
!日本語 | |||
|- | |||
!不定疑問代名詞 | |||
|rowiwu | |||
|(無し) | |||
|roya | |||
|どのとき | |||
|roba | |||
|どこ | |||
|roda | |||
|どの菌(人物) | |||
|roro | |||
rona | |||
|どれ | |||
どのような | |||
|rona | |||
|どのため | |||
|roduri | |||
|どうして | |||
|rodowi | |||
|どちら | |||
どうして | |||
|roda | |||
roro | |||
rodagn | |||
|どの菌(人物) | |||
どの | |||
|} | |||
====== 数の語彙 ====== | |||
ピロリ語では、人語において手の指などから成り立った数の数え方があるように、8本の鞭毛と1つの体(細胞)、そして胃から成り立つ'''数の語彙(数詞)'''を持つ。 | ピロリ語では、人語において手の指などから成り立った数の数え方があるように、8本の鞭毛と1つの体(細胞)、そして胃から成り立つ'''数の語彙(数詞)'''を持つ。 | ||
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