|
|
(同じ利用者による、間の54版が非表示) |
1行目: |
1行目: |
| ==起== | | {{お知らせ|内容=この記事は実際の出来事について記述しています。<br>'''内容をより正確にするために、加筆訂正にご協力ください。'''}} |
| 「ねえ小島さん、'''叙述トリック'''って知ってます?」
| |
| <br>「急になんだよタケ。まあ知ってるけどさ」
| |
| <br> 冬の早朝6時15分、僕はいつもより少し早く目覚めてしまい、同じく起きていた小島さんにこの質問をぶつけたのだった。小島さんは30歳くらいで、彫りの深い顔に髭が似合うダンディな人だ。
| |
| <br>「なんでそんなこと聞くんだ?」
| |
| <br>「こないだ読んだ本にあって。ミステリーあたりはからっきしなんですよ」
| |
| <br> 僕はしばらく前にトラブルを起こして大学を退学になり、今は男4人で同居している。ルームシェアだと思えばましだけど…誰が進んで野郎共と一つ屋根の下で住むものか。4人というのは、僕と小島さん、そして京極さんと三津田さん。皆僕より年上だ。あとの2人はまだぐっすり寝こけている。いささか肌寒い。
| |
| <br>「はっ、マジかよ」
| |
| <br> 小島さんは鼻で笑った。お前がかよ、と顔が語っている。
| |
| <br>「こういうの好きだったでしょう? 教えてくださいよ」
| |
| <br> 時々小島さんが本を読んでいるのを見るが、大体推理小説なのだ。どうやらそういう系統の新人賞に応募したこともあるらしい。
| |
| <br>「わかったよ。丁度叙述トリックについての昔話があってな、聞かせてやるよ。ただし、手を動かしながらだ」
| |
| <br> 見ると、京極さんと三津田さんがもぞもぞと起き出していた。2人とももう、おじさんというよりおじいさんといった方がしっくりくる歳だ。京極さんは身長が低くて小太り、三津田さんは対照的にのっぽで痩せぎすな体型をしている。話し方も、三津田さんは二回りほど年下の僕にも丁寧語を使うが、京極さんはゴリゴリの関西弁で、対照的だ。
| |
| <br>「おはようございます」
| |
| <br>「なんや2人とも偉う起きるんが早いなあ」
| |
| <br> いつも同じ時間に起きていると、アラームなぞ無くとも自然と目が覚めてしまうものだ。僕は変わり映えのしない一日の到来に溜め息を吐くと、布団を畳むために立ち上がった。
| |
| <br>「あれは俺が小6になりたての4月の出来事だった」
| |
| <br> そう言って小島さんは話し始めた。
| |
|
| |
|
| ==序==
| | {{未検証}} |
| <font face="Tahoma">
| |
| 「ねえ亮二兄さん、叙述トリックって知ってる?」
| |
| <br>「急になんだよケン。まあ知ってるけどさ」
| |
| <br> ケンってのは俺、健児のあだ名だ。詳しくは覚えちゃいないが、お前と同様叙述トリックって言葉を何かの本で見たんだろう。亮二兄さんとは年が離れててな、子供心には何でも知ってるすごい人に思えたのさ。
| |
| <br>「叙述トリックっていうのはな、'''作者が読者に仕掛けるトリック'''のことだ。そしてそれは必然的に、'''文字媒体であるが故の特性を利用するもの'''になる」
| |
| <br>「作者が読者に?」
| |
| <br>「そうだ。普通のトリックってのは、'''犯人が被害者やら探偵やらに仕掛けるもの'''だろう? ほら、例えば」
| |
| <br> そこで椅子が軋む音が微かに聞こえた。兄さんは立ち上がったみたいだった。俺はベッドに座ったまま黙って話を聞いていた。
| |
| <br>「頭で想像しながら聞くんだぞ。ここには俺の部屋のドアがある。部屋の中に死体が転がってると思え。そして俺はこの部屋を密室にしようとする。そこで、俺は長い長い、部屋のドアから向かいの壁くらいの長さの氷の棒を持ってくる。あくまで例だから、『どこから?』とかは考えなくていいぞ」
| |
| <br> まさにそう質問しようとしていた俺は慌てて口を噤んだ。兄さんはエアーで簡易トリックを実演し始めたようだ。
| |
| <br>「まずドアを左手で人が通れるくらいに開けておく。そうしながら氷の棒の端をドアの向かいの壁につける。すると、もう片方の端はドアにつっかえる。まあドアに氷の棒を立てかけてるイメージだ」
| |
| <br>「んん? ちょっと待ってよ兄さん」
| |
| <br> 一旦頭を整理しないと。黙って兄さんの言うことをトレースしていると、階下からはお袋の笑い声が聞こえてきた。我が家は一軒家とはいえ、部屋と部屋の間の壁が薄いのだ。
| |
| <br>「どうだ?」
| |
| <br>「うん、何となくわかったよ」
| |
| <br>「じゃあ説明を続けるぞ。とりあえずこのギターを氷の棒と思って立てかけよう。そうしたら…、よっと、部屋の外へ出ると同時に氷の棒を放す!」
| |
| <br> ゴトッとギターが倒れる音がした。
| |
| <br>「こうすると、氷がつっかえ棒となって、ドアは開かなくなる。密室ができるわけだ。あとは鍵が掛かっているように見せかけて、氷が溶けるのを待ってドアを破り突入した瞬間鍵を閉めれば、密室の完成というわけだ! まあ床が濡れているのをどうにかして誤魔化さないといけないんだけどな」
| |
| <br> 正直後半はよく理解できなかったが、兄さんが見事に密室を作り上げたのがすごいと感嘆したよ。今思えば子供騙しの穴だらけなトリックだけどね。
| |
| <br>「どうだケン、兄さんが何したかはわかったか?」
| |
| <br>「うん!」
| |
| <br>「はは、そら良かった。さすが俺の弟だな。よし、あれ、ギターが引っかかって、ギリ通れない…くそ」
| |
| <br> そこでバキッと嫌な音がした。
| |
| <br>「ああ、俺のギター! 高かったのに!!」
| |
| <br> 兄さんはギターを上手くつっかえさせ過ぎたようだった。策士策に溺れるっていうか、兄さんも抜けてたんだな。俺は大笑いして、しまいにゃ兄さんもつられて大笑いしてたよ。
| |
| <br> 笑いの波が収まると、兄さんは説明を再開した。
| |
| <br>「いまやったトリックは、犯人が警察もしくは探偵に仕掛けるトリックだ。密室にすることで、捜査側を困らせようとしているんだからな。でも、叙述トリックはそうじゃない」
| |
| <br>「ならどんなトリックなの?」
| |
| <br>「さっきも言ったが、作者が読者に仕掛けるトリックだ。具体例を挙げるなら、こんな感じだ。『太郎さんが殺されました。犯行が可能だったのは、太郎の弟と妹、次郎、花子のどっちかです。そして現場には口紅が落ちていました。さて、犯人は誰でしょう?』」
| |
| <br>「花子!」
| |
| <br> 俺はすぐに答えた。口紅が落ちてたなら犯人は女じゃないか! ところが兄さんは言った。
| |
| <br>「ブブー、残念! 口紅が落ちているということは犯人は女。でも実は、次郎が女で、花子が男だったんです! というわけで正解は次郎でした!」
| |
| <br> 俺は唖然としていた。だって、そんなことないだろ? すると兄さんは少し焦ったような声で付け足した。
| |
| <br>「まあ、これは適当に作っただけだから。ちゃんとしたやつは、もっと丁寧に伏線が張られていて納得できるから安心しろ。こんな風に、'''作者が読者を直接騙す'''のが、叙述トリックだ」
| |
| <br>「作者が読者を騙す…」
| |
| <br>「そしてそれは'''フェアでなくちゃいけない'''。さっきの例で行くと、途中で『花子は三郎の<ruby>妻<rt>、</rt></ruby>だ』と書いてあるのに、最後になって『花子は男なんです!』と言っちゃあダメだ。整合性が取れないだろ? ただし語り手が勘違いしているなどの事情があれば構わないから、'''三人称の地の文で虚偽を書いてはいけない'''とされるのが一般的だな」
| |
| <br> 当時の俺は分かったような分からないような感じだったが、疑問は残った。
| |
| <br>「なんでそんなことするの?」
| |
| <br>「まあ、理由は大きく分けて2つだろうな。
| |
| <br> 1つは、'''ミステリの難易度を上げるため'''だ。ミステリには、犯人とかを当てる作者vs読者のバトルっていう一面があるんだ。どうしても勝ちたい作者が、こんなトリックを仕掛けるんだ。お前もさっき正解できなかっただろ? そういうことだ。
| |
| <br> 2つ目は、'''読者を驚かせるため'''だ。さっき俺の話を聞いたお前は驚いたろ? 世の中には、驚かされるのが楽しいっていう変な人種がいるんだ。そいつらを喜ばせるために作者は叙述トリックを仕掛けるのさ。
| |
| <br> おっと、長く喋り過ぎたな。もう小学生は寝る時間だ。じゃあ、おやすみ」
| |
| <br> こうしてその日の会話は終わった。
| |
| </font>
| |
|
| |
|
| ==承==
| | {{観点}} |
| 小島さんはそこまで話したところで、口を閉じた。いつの間にか京極さんと三津田さんも話に聞き入っている。
| |
| <br>「いいところだが、時間だ。続きはまた後でな」
| |
| <br> そう言って小島さんは時計を指した。6時45分。僕は大きく溜め息をつくと、顔を洗いに洗面所へ向かった。
| |
| <br>「タケ君は溜め息ばかり吐いてますねえ」
| |
| <br>「そんなんやと幸運も逃げてまうで」
| |
| <br> そう言って三津田さんは銀縁眼鏡を拭き、京極さんは赤ら顔でカラカラと笑った。
| |
| <br>「そうだぞ。みっちゃん、ゴクさん、もっと言ってやれ!」
| |
| <br> 3人のおじさんは揃って僕を子供扱いする。まあ30代の小島さんはともかく、京極さんと三津田さんは還暦が近い。年の差を考えれば当然なのかもしれない。でも、気分のいいことではないからやめてくれと言ってるんだが、本人たちは改善する気がないらしい。僕はまた溜め息を吐こうとして、慌てて口を閉じた。
| |
|
| |
|
| それから身支度をして朝飯を食って、勤労奉仕の時間と相なった。僕たち4人は同じ工場で働いている。しかも作業するブースも大抵一緒だ。仕事は楽だし働く時間も短いが、給料は信じられないほど少ない。それに、僕は根っからの労働嫌いだ。本音を言えば働きたくないが、それができたら苦労しない。
| | '''ババアゲーム'''とは、纏足ババアゲームから派生した、ババアに任意の事物の特性を仮託させるというゲームである。 |
| <br> 午前10時、僕たちは作られた商品をひたすら箱に詰める作業をしていた。コンベアーに乗った石鹸を片っ端から紙の箱に入れ、蓋を閉じる。ロボットでもできるだろと思うが、嘆いても詮方ない。単純作業ここに極まれりだ。まったく、暇で暇でしょうがない。
| |
| <br>「ねえ小島さん、朝の続きを話してくださいよ」
| |
| <br> そこで僕は、小島さんに話の続きをするよう催促した。少しでもこの時間を有意義に使いたいという思いが芽生えてしまったのだ。叙述トリックの説明はあらかた終わったと思うんだが、続きとは何だろう? 横の京極さんと三津田さんも、目を輝かせて小島さんを見つめている。この人たちホントに50代か? 目の輝きは小学生だぞ?
| |
| <br> 小島さんは「しゃあねえなあ」と言いつつも、どこか楽しげに続きを話し始めた。
| |
|
| |
|
| ==破== | | ==概要== |
| <font face="Tahoma">
| | 纏足ババアゲームは、長距離ウォーキングの往路の後半に生み出され、一時の隆盛を誇ったゲームである。[[魯迅 (ゲーム)|魯迅ゲーム]]に続いて常習者を魅了したが、復路には[[畜生!]]に取って代わられた。 |
| その次の日の晩、夕飯の時間になって、お袋に言われて俺は2階の自室にいる兄貴を呼びに行った。兄貴の部屋をノックしようとしたところで、急にドアが開き、俺は鼻をしたたかにぶつけた。兄貴は笑いながら「すまんすまん」と謝ったが、こっちは痛いのなんの。不貞腐れたよ。鼻の頭に絆創膏を貼らないといけなかった。
| |
| <br> ともかく夕飯になった。そのときは俺と兄貴、親父とお袋の4人暮らしだった。はは、今と同じだな。お袋は専業主婦、親父は市議会議員だった。俺は食卓のお誕生席で黙々と白飯を食ってた。兄さんには無邪気に接していたんだが、他の家族、特に親父の前でははしゃげなかった。今思えば、この時既に親に少し苦手意識を持ってたのかもしれないな。
| |
| <br> そんなことは露ほども知らない、何かと心労の絶えない時期を通り抜けた親父は、陽気に「政治は~、政治を~」と理想を語っていた。だからお袋が、
| |
| <br>「せっかくケンちゃんが賞状貰ってきたのに、お父さんったら政治、政治ってそればっかり。少しは気にかけてやってくださいよ」
| |
| <br>と嗜めた。だが親父は、
| |
| <br>「気にかけてるよ。それに、弟ってのは兄の背を見て育つもんだ。だからトシも優秀に育ってるし、これからもそうだろう。な?」
| |
| <br> 事実俺はそんなに気にしてなかったから、適当に返事して終わったと思う。親父が言うように、兄は教育通り優秀に育ったんだ。まあ弟がそうじゃないことは、あんたらも知っての通りだ。
| |
| <br> そしてその次の日の午後3時、俺は小遣いで買っといたプリンを食べようと、2階の自室からキッチンへ降りてきた。さあ食べようと冷蔵庫を開け放ったんだが、確かに2段目に入れといたはずのプリンがない。中を隅から隅まで探したが、ない。そこで横のゴミ箱を見ると、なんとプリンの空容器が捨ててあったのさ!
| |
| <br> それを見て幼き俺は愕然として落涙、この世の不条理を嘆いた…わけじゃあない。正直あんまショックは受けなかった。プリン大好きってわけじゃないし、小遣いは十分貰ってたから惜しくもなかった。たかがプリン1個くらいで家族を詰るような、狭量な男じゃなかったんだ、俺は。
| |
| <br> だが、ここで一つ疑問が残った。誰がプリンを食べたのだろう? 容器はゴミの上の方にあり、俺が昼飯のときにこぼしたレタスよりも上にある。ということは、プリンは昼飯より後に食われたってことだ。でも、両親は昼飯の前から買い物に行っていて、まだ帰ってきていない。その日は子供だけで冷凍食品をチンして食べたんだ。そして俺がレタスを捨てたとき、プリンのカップなんて無かった。なら、親が食べたのではない。そして、兄さんは珍しいことにプリンがとても苦手なんだ。食べるなんてこと絶対にあり得ない。今日は客も一切来ていない…。
| |
| <br> そこまで考えたところで、自分が無駄な思考をしていたことに気づいた。落ち着いて考えれば、答えは歴然じゃあないか…。
| |
| </font>
| |
|
| |
|
| ==転==
| | しかしその後、このゲームは変質し、纏足から脱却した「ババアゲーム」として生まれ変わった。再び息を吹き返したババアゲームはさらなる繁栄を謳歌した。 |
| 「おいそこ、無駄話するんじゃない!」
| |
| <br> そこまで小島さんが話したところで、高い椅子に座ったオヤジに注意された。三津田さんと京極さんはそそくさと箱詰め作業をし始める。まったく、いいところだったのに! あいつ、僕たちが働いてるのを見てるだけで給料が入るなんて…。工場勤めを辞められた暁には、あの仕事を目指そうかしら。まあ無理か。
| |
| <br> 小島さんが話を再開する気配はない。続きはお預けかあ。
| |
| <br> でも、プリンを食べたのは一体誰だろう? 僕はそのことばかりを考え続け、いつの間にか昼休憩の時間になっていた。
| |
|
| |
|
| 昼飯を食いながらでも話の続きを聞かせてもらおうと思ったが、小島さんは手早くカレーライスをかきこむと、どこかに行ってしまった。京極さんはそれを見て、
| | 常習者は数々のゲームを作り上げてきたが、ババアゲームを最後に新たな言葉遊びの創出は下火になり、やがてなくなった。ババアゲームは、常習者の自然発生的ゲームの集大成にして最後の花火であると言える。 |
| <br>「ケンのヤツ、あら女やな。女に逢いに行くんや」
| |
| <br>と顎をさすりながら言った。三津田さんも小指を立てて笑っている。まさかと思ったが、小島さんならあり得るかもしれない。なんてったって顔がいい。
| |
| <br>「もしそうなら、彼女さん、小島さんに相当入れ込んでるんすね」
| |
| <br>と言うと、2人のおじさんは揃って頷いた。この人らホントに中年か? ニヤケ面は中学生そのものだぞ?
| |
|
| |
|
| 小島さんは仕事が再開する直前に戻って来た。よっしゃ話の続きをせがもうと身構えた矢先、残念ながら京極さんと三津田さんは離れた場所に増援に向かわされてしまった。2人のいないところで続きを聞くのは忍びない。だが…。
| | ==歴史== |
| <br>「さっき聞いた話なんだが、叙述トリックにもいろいろあるらしいぜ」
| | ===長距離ウォーキング往路後半――纏足ババアゲーム=== |
| <br> 葛藤していると、小島さんが突然口を開いた。
| | きっかけは、常習者が興じていた魯迅ゲームの行き詰まりだった。「魯迅」に似た音は無数にあるが、複数名が一時間以上それを言い続ければ、アイデアは枯渇していく。一行の歩みにも沈黙が伴うようになった往路の後半、[[利用者:キュアラプラプ]]が突然このようなことを言った。 |
| <br>「『'''意味なし叙述'''』ってのと『'''意味あり叙述'''』ってのがあるらしい」
| |
| <br>「さっきって、昼休みに?」
| |
| <br>「ああ」
| |
| <br>「もしかして、恋人?」
| |
| <br>「ん、さてはみっちゃんとゴクさんに入れ知恵されたな? あの爺さんたち、勘が鋭いからなぁ。すごいぜあの人らは」
| |
| <br> ならなぜこんな底辺の暮らしをしてるんだ。もっとも、僕が言えたことじゃないが。
| |
| <br>「まあそれはさておき、叙述トリックの説明だ。小説とかで叙述トリックが仕掛けられているとする。問題は、なぜ仕掛けられたのか、だ。」
| |
| <br> 何か小島さんのお兄さんが話の中で言ってた気がするな。
| |
| <br>「もし読者を驚かせるためだけに仕掛けられたものなら、それは『意味なし叙述』だ。でも、犯人当てとかの要素として組み込まれたものならば、作品の成立に不可欠だから、『意味あり叙述』となる」
| |
| <br>「えーっと、小島さんのお兄さんの話に合わせると…読者を驚かせるためのものが意味なし叙述、ミステリの難易度を上げるためのものが意味あり叙述ってことですか」
| |
| <br>「そうだ。よく覚えてるな。まあミステリ的な仕掛けに限らずとも、小説の主題に関わるなら意味あり叙述だとする人もいるらしい。そもそもこれらの概念自体が最近提唱されたもので、定義は人によってまちまちなんだと」
| |
| <br> むむむ、要するに驚かせるためだけか否か、ってことか。というか、彼女さんに会う貴重な時間を使ってこんなこと聞いてきてくれたのかよ。もっと別のこと話しなさいよ。
| |
| <br>「じゃ、そういうことだ。昔話の続きは、仕事終わってからな」
| |
| <br> 小島さんはそう言うと、あとは黙々と箱詰めをするだけだった。僕は、小島さんのミステリ好きは彼女さんの影響なのかもな、とぼんやり思った。
| |
|
| |
|
| 結局4人が揃ったのは夜8時半、布団を敷いて寝支度をする頃合だった。冬の夜は長いが、僕らは季節に関係なく9時には寝る。他の皆も各々の布団に胡座をかいたのを見ると、僕は早速切り出した。
| | <blockquote>「[[[忘却]]された] (意味深な沈黙を挟んで) 豆腐屋ごまドレ」 |
| <br>「それで小島さん、プリンを食べたのは誰なんです?」
| | ~ 長距離ウォーキング往路にて、'''キュアラプラプ''' |
| <br>「なんだタケ、解らないのか? あれだけヒント出してやったってのに」
| | </blockquote> |
| <br> 小島さんは馬鹿にしたように笑うと、
| |
| <br>「ゴクさんとみっちゃんは解ったよな?」
| |
| <br>と水を向けた。
| |
| <br>「まあ、考える時間がぎょうさんあったさかいなあ」
| |
| <br>「老いた脳にはなかなかきつかったですよ」
| |
| <br> え? 解ってないの僕だけ? | |
| <br>「じゃあ、タケのために続きを話すか」
| |
| <br> そう言うと小島さんはニヤニヤしながら話の最終章へ入った。 | |
|
| |
|
| ==急==
| | 「魯迅」とはかけ離れた音韻に一行は困惑したが、「故郷」の登場人物「豆腐屋小町」をもじった発言だという説明を受け、ようやく彼の意図を了解した。とはいえ、言葉が長すぎたのか豆腐屋小町がマイナーキャラだったせいか、「豆腐屋小町」に似た音韻が提示されることは一、二回しかなかった。しかし、豆腐屋ごまドレは大きなパラダイムシフトをもたらした。{{傍点|文章=魯迅じゃなくたっていい}}のだ。 |
| {{格納|中身= | |
| <font face="Tahoma">
| |
| 俺がプリンを諦めて、ダイニングで源氏パイを食っていると、兄貴が2階の自室から降りてきた。そして兄貴は俺の顔を見るなり、笑い出したのさ。俺は少々ムッとして、
| |
| <br>「何が可笑しいのさ」
| |
| <br>と問うた。すると兄貴は、
| |
| <br>「アハハ、鼻の頭に絆創膏付いてるの見ると笑えちゃって」
| |
| <br>と言ってなおも笑い続けた。てめえのせいで怪我したってのに、悪びれもせずよく笑えるもんだ。俺はカチンと来て、こう言い返してやった。
| |
| <br>「人のプリンを取って食べるような外道め!」
| |
| <br> すると兄貴はちょっと困ったような顔をして、
| |
| <br>「あ、あれお前のだったの? ごめんごめん、そんなに食いたかったのか。あとでアイスでも奢るから許せよ」
| |
| <br>と言った。まあそう惜しくもなかったからアイスの約束を取り付けられたのは思わぬ収穫で、小学生の俺はすぐに機嫌を直したよ。
| |
|
| |
|
| これで昔話は終わりだ。
| | ほどなくして、次段階への移行が起こった。「故郷」に登場し、豆腐屋小町と同様の名付けられ方をしている彼女が次の主役になることは、必然だったと言えるかもしれない。そう、'''纏足ババア'''である。 |
| </font>
| |
|
| |
|
| ==結==
| | 原初の纏足ババアは[[忘却]]されたが、魯迅ゲームの衣鉢を継ぎ、 |
| {{格納|中身=「ちょっ、終わり?」
| |
| <br> 思わず大きな声が出てしまった。
| |
| <br>「どういうことですか。お兄さんはプリン嫌いなんでしょう? 説明してくださいよ」
| |
| <br>「まあまあ落ち着けって。出題者が解説するのもなんかヤだから、ゴクさんとみっちゃんに任せてもいいかい?」
| |
| <br> 呼ばれた2人は顔を見合わせると、同時に右の拳を突き出した。
| |
| <br>「じゃんけんほい!」
| |
| <br> 勝者は三津田さん。頭を抱えて悔しがる京極さんを尻目に、得意そうに話し始めた。
| |
| <br>「タケくん、今までのケンくんの話には叙述トリックが仕掛けられていたんですよ」
| |
| <br> さすがにそのくらいは見当がついている。そうでもないと、急にプリンの話になった理由がわからない。
| |
| <br>「では、それは何なのか。叙述トリックというのは、きちんと伏線を辿れば見破れるようになっているんですよ」
| |
| <br>「その伏線っていうのは?」
| |
| <br>「じゃあタケくん、ギターを使った密室トリックを思い出してください。こら、ゴクさん、じゃんけんに負けた人に解答権はありませんよ」
| |
| <br> 得意気に口を開きかけた京極さんを制して、三津田さんは説明を始めた。
| |
| <br>「あのトリックは、ドアが内開きだから成立するものです。外開きならつっかえ棒なんてできませんからね。つまりこの事実から解ることは、''小島さんのお兄さんの部屋の扉は内開き''だということです」
| |
| <br> 全く予期していなかった方向に話が転がっている。それがプリンと何の関係があるんだ? 三津田さんは微笑んで説明を続けた。
| |
| <br>「でも幼き頃のケンくんが鼻に傷を負ったとき…」
| |
| <br> その瞬間、ようやく三津田さんの言わんとしていることが理解できた。
| |
| <br>「''ドアは外開きだった''!」
| |
| <br> 僕は思わず叫んでしまった。なぜこんなことに気づかなかったんだろう? 小島さんは相変わらずニコニコしている。すると京極さんが口を挟んできた。
| |
| <br>「どっちの場合も、部屋は兄の自室やと明言されとる。部屋に扉が二つもあるっちゅうのは考えづらいやろう」
| |
| <br> 三津田さんは京極さんを止めるのを諦めたらしい。
| |
| <br>「ということは、導きやすい結論はこれです。''小島さんに兄は2人いるんです''」
| |
|
| |
|
| 「兄が、2人…?」
| | <big>「(そのババアを想起させる説明または演技)――(「てんそく」に近い音韻)ババア」</big> |
| <br> 一瞬思考が止まる。そんなことあり得るのか? 戸惑う僕を尻目に、2人は解説を続けた。 | |
| <br>「始めに出てきた兄とその後の兄は別人なんです。厳密に言うと、''『幼いケンくんに叙述トリックの解説をした兄』と『ケンくんに怪我をさせ、笑った兄』は別人''ということですね。そして''プリンを好かないのは前者、プリンを食べたのは後者''というわけです」
| |
| <br>「気いつけて聞いとると、『兄さん』と『兄貴』ちゅうて呼び分けとったで。ケンは3兄弟だっちゅうことやないかな」
| |
| <br> 話の展開が急過ぎて理解が追いつかない。僕の頭には当然の疑問が生まれた。
| |
| <br>「でも、小島さんちは4人家族だって言ってたじゃないですか」
| |
| <br> 兄が2人いるなら家族は5人いないとおかしくなる。すると三津田さんは足し算に見事正解した孫を見るような顔をした。
| |
| <br>「その通りですが、正確には『その時は』『4人暮らし』と言っただけです。''上の兄、つまりプリンが嫌いな兄は、もう一人暮らしを始めた頃だった''のではないですかね。そう、丁度その年の4月から」
| |
| <br>「父親の『何かと心労の絶えない時期』っちゅうのは長兄の大学受験とかやろな。それに、食卓にお誕生席があったのも、5人暮らしの名残やろう。4人家族なら、2人ずつ向かい合って座ればええんやからな」
| |
| <br> なんでこの爺さんたちはそんなに細かいところまで覚えてるんだ。
| |
| <br>「ふむ、それは気づきませんでした。ですが、私は次男の名前が分かりますよ。おそらく『<ruby>政治<rt>せいじ</rt></ruby>』というんでしょう。どうです、ケンくん?」
| |
| <br>「ああ、その通りだ。ちなみに漢字も、ちゃんとまつりごとだよ」
| |
| <br> 小島さんも2人の洞察力に苦笑いしている。一方、僕は釈然としない。
| |
| <br>「じゃあ、最初の場面で小島さんとお兄さんが話してたのはどういうことです? 亮二お兄さんの部屋に2人ともいたじゃないですか」
| |
| <br> とここで、僕の脳裏にある仮説が閃いた。
| |
| <br>「あ、もしかして、小島さんはお兄さんの家に遊びに行ったところだったってことですか?」
| |
| <br> しかし京極さんは渋い顔をした。
| |
| <br>「残念やが、『我が家』ゆう記述がある。ケンは間違いなく自分の家におったんや」
| |
| <br>「なら一人暮らししているお兄さんとどうやって話したんですか?」
| |
| <br> 京極さんは頭を掻きながら事も無げに言った。
| |
| <br>「''ありゃあ電話やろ''」
| |
| <br> え…。唖然とする僕に、三津田さんは優しく語りかけた。
| |
| <br>「実は、''同じ部屋にいるという記述はない''んですよ」
| |
| <br>「でも電話って…ええ? 言われてみればあり得なくもないのか…?」
| |
| <br> 確かにその時代には携帯電話は普及し始めていただろうけれども。京極さんは手を叩いて、話をまとめにかかった。
| |
| <br>「つまり、プリンを平らげた犯人は両親やないとわかった時点で、残る選択肢は政治兄しかあらへんかったんや。『無駄な思考』っちゅうのは、もう巣立った亮二兄を考えの範疇に入れとったことやな」
| |
| <br>「というわけで、プリンを食べた犯人は、政治お兄さんだとわかるんです」
| |
| <br> 三津田さんと京極さんはこうして説明を締めくくった。
| |
| <br>「さすがだな、みっちゃん、ゴクさん。まあタケ、叙述トリックってのはこんな風に、気をつければ見抜けるようになってるものなんだ」
| |
| <br> 僕は2人の注意深さと推理力に感嘆した。もちろん話を組み立て、叙述トリックをこれ以上ないくらい分かりやすく説明してくれた小島さんにも。どうやら僕はこの人たちを見くびっていたらしい。
| |
| <br>「皆さんすごいです! 感動しました!」
| |
| <br> 3人は照れたような顔をして笑った。
| |
|
| |
|
| その時、武骨な声が割って入った。
| | と言う文化が瞬く間に形成された<ref>のちに[[利用者:芯]]がこの原則から逸脱した「バーバーババア」を生み出し、変革を引き起こすことになる。</ref>。魯迅ゲームが隆盛した理由もそうであるが、「纏足」に似た音韻から成る言葉は非常に多く、各人が途切れることなく矢継ぎ早に纏足ババアを言うことができたため、ゲームは大いに盛り上がった。 |
| <br>「おい1813番、もう就寝時刻だぞ!」 | | |
| <br> いつの間にか時計の針は9時を指していた。電灯が消え、僕らは慌てて布団に潜り込んだ。足音が遠ざかってから、僕は | | 纏足ババアゲームは昼休憩地点の公園を再度出発するまで興じられた。以下は、そのとき生まれては消えた纏足ババアたちを含めた、纏足ババアの亜種どもである。 |
| <br>「まったく、[[Sisters:WikiWikiオンラインニュース#法学部生、詐欺罪で逮捕|山田たけし]]って名前で呼んでほしいものだよ」 | | |
| <br>と呟き、深々と溜め息を吐いた。 | | {{大喜利|場所=この箇所}} |
| <br> 府中刑務所の夜が更けていく。 | | この箇所は、当時言われた纏足ババア、および新たに思いついた纏足ババアを書く欄である。 |
| }}}} | | *あっ、ババア、またババア、またババア。――連続ババア |
| [[カテゴリ:文学]][[カテゴリ:自己言及]]{{DEFAULTSORT:しよしゆつとりつく}} | | *もしもし? あの、皿を盗む件なんだけど、車をよこしといてよ、うん、よろしく。――連絡ババア |
| | *ジジイ。――変則ババア |
| | |
| | |
| | |
| | 昼休憩が終わって復路が始まると、一行に[[利用者:Mapilaplap]]と[[利用者:せうゆ]]が加わった。そこでは纏足ババアゲームではなく[[畜生!]]が興じられ、纏足ババアゲームは(常習者が生み出した多くのゲームと同様に)一時のものとして消え去るかのように思われた。 |
| | |
| | ===ある日、学校にて――ババアの再発明=== |
| | 長距離ウォーキングからおよそ一ヶ月経った令和5年12月7日のことだった。常習者たちは[[多目的C教室|文芸部]]の活動として部誌「つぼみ第八号」の作成にあたっていた。そんな日の休み時間、[[利用者:Notorious]]がキュアラプラプとMapilaplapに対して次のようなことを言った。 |
| | |
| | <blockquote>「部員たちが『つぼみ』に書いてきた作品はみなファンタジーばかりだ。ファンタジーに頼らないノベルを書きたいものだ」 |
| | ~ 自分も「[[Sisters:WikiWikiオンラインノベル#地図クライシス|地図クライシス]]」を書いてきたくせに、'''Notorious''' |
| | </blockquote> |
| | |
| | それを受けて、キュアラプラプはこのように答えた。 |
| | |
| | <blockquote>「じゃあミルクティー<ruby>婆<rt>ばあ</rt></ruby>を書いたら?<ref>ファンタの対義語がなんだったかは[[忘却]]されたが、後のキュアラプラプの「俺ならミルクティーと言う」という証言に基づきミルクティーとしている。</ref>」 |
| | ~ ファンタジーの対概念を想定して、'''キュアラプラプ''' |
| | </blockquote> |
| | |
| | 偶然に生み出された「ミルクティー婆」という概念に、一同はそれがどんなババアなのか考察した。この営みは、先日の纏足ババアゲームと結びつき、一同に「◯◯ババア」という名称とその特性を考えさせた。その過程で「スプリンクラーババア、小便を撒き散らす」とかいう化け物が誕生したりもした<ref>キュアラプラプ以外の人物の名誉のために付言すると、生んだのはキュアラプラプである。</ref>。 |
| | |
| | この例にも顕著だが、このとき、纏足ババアゲームからの変質が起こっていた。前者では |
| | #(基本的には)「纏足」に似た音韻がババアの頭につく |
| | #そのババアの特徴を言った後、そのババアの名前を言う |
| | というルールがあったが、変質したババアは |
| | #ババアの頭につくものは問わない |
| | #そのババアの名前を言ってから、そのババアの特徴を言う |
| | という特性を備えていた。 |
| | |
| | この変容が起こったこと以上に重要なのは、その場にいたMapilaplapは纏足ババアゲームを知らなかったという点だ。彼は長距離ウォーキングの往路はせうゆと一緒に歩いており、纏足ババアゲームに参加していなかった。それゆえに彼は、{{傍点|文章=変質したババアの営みをババアゲームの本流と勘違いしてしまった}}。これを正統だと誤解した彼は、そうとも知らずに魅せられ、次のような素晴らしいババアを生み出すに至る。 |
| | |
| | <blockquote>「若ババア、39歳<br>アメフトババア、山で人を殺す<br>I am not ババア、認めない」 |
| | ~ 令和5年12月7日、'''Mapilaplap''' |
| | </blockquote> |
| | |
| | ここに至って、ババアは息を吹き返したのだ。 |
| | |
| | しかし、顔を出した芽がすべて花を咲かせるわけではない。展望に満ちて書き始められたはずの記事は[[カテゴリ:裏切られたスタブ|数年放置され]]、[[テンプレート:姉妹2]]にはすっかり息を潜めたプロジェクトが並ぶ。ビブラスラップ、名探偵コナンゲーム、コドンゲームなど、生まれては泡沫のように消えたゲームも枚挙にいとまがない。そんな有象無象から脱して皆の記憶に残るものになるには、革命が必要だ。凡庸な存在から価値ある存在へと自らを押し上げる、根本的な変容。思えば、人は皆これを求めて生きてきた。成長するにつれて、自分がなんら特別な存在ではないと知り、世界がどれだけ優れた人間に溢れているか知る。歩けただけで手放しで賞賛された時代は過ぎ、周りからの要求は釣り上がっていき、できるだけ少ない報酬でできるだけ高いパフォーマンスをする優れた歯車となることを求められる。自分を偽り、自分を痛めつけ、それでも価値ある人間になろうともがく。ある者は他の人間に愛を求め、ある者は金を稼いで他者から認められようとし、ある者は作品を通して後世に残ろうとする。いつの日か革命が起こり、自分の望む自分になれることを夢想し、人々は目を閉じる。 |
| | |
| | きっかけは、その日の放課後、ローソンでMapilaplapが変容したババアのありさまを芯やせうゆに伝えたことだった。 |
| | |
| | <blockquote>利用者:芯「'''お月様ババア、どこまでもついてくる'''」</blockquote> |
| | |
| | 革命であった。 |
| | |
| | ===第七回全九州高等学校総合文化祭大分大会――ババアゲーム=== |
| | お月様ババアや、せうゆの「空ババア、次の音はシ」によって、ババアは老婆を脱した。それまでのババアは年老いた人間の女性であることが[[暗黙の了解]]であった。いや、むしろそれを疑う者はいなかった。そしてその範疇においてゲームは興じられてきた。 |
| | |
| | しかし、お月様ババアの登場で状況は一変した。お月様ババアは、お月様の属性を保持したババアである。だから、およそババアにはできないだろう「どこまでもついてくる」ということが可能になるのである。今やババアは肉体を捨て去った概念に過ぎず、それによってババアにはすべてが可能になり、無限の面白さが生まれた。 |
| | |
| | そして、ババアゲームには全く新しい楽しみ方が生まれた。ババアに任意の事物の特性を付与することにより、面白さを演出することができる。ババアに何を仮託するか、そして仮託したモノのどんな特性を抽出するか。作り手にはそのセンスが問われ、生まれたさまざまな特徴を持つババアは聞く者に笑いを喚起した。 |
| | |
| | 翌8日、Mapilaplap、Notorious、[[利用者:いせ|いせ]]の三名は、弊校文芸部の代表の一員として第七回全九州高等学校総合文化祭大分大会に参加した。その出発地である那覇空港から、生まれ変わったババアゲームをMapilaplapが普及を推し進め、主としてそれに魅せられたNotoriousとともにゲームに勤しんだ。空港やバスの中で数多のババアが生まれた。ババアゲームが面白すぎるあまり、この大会中NotoriousがMapilaplapといせ以外の生徒と交流を深めることはなかった。道中、富士山で琵琶湖を埋め立てることが決定されたり、城跡でいせの辞世の句が(Mapilaplapによって)詠まれたりもした。 |
| | |
| | 以下は、そのとき為されたババア、および新たに思いついたババアを書く欄である。 |
| | |
| | {{大喜利|場所=この箇所}} |
| | *若ババア、39歳 |
| | *アメフトババア、山で人を殺す |
| | *I am not ババア、認めない |
| | *お月様ババア、どこまでもついてくる |
| | *空ババア、次の音はシ |
| | |
| | |
| | その大会が終わるとともにババアゲームは急速に下火になり、まもなく終焉した。その数ヶ月後には[[お花摘みゲーム]]が一世を風靡し、幾度かの発展を伴って長く繁栄することになる。しかし、長らく常習者の文化の中心であった「ある言葉に似た言葉を言い続ける」形式のゲームは、纏足ババアゲーム以降ほとんど生まれず、会話の中から自然発生したゲームもなかなか見られなくなった<ref>これには受験暗黒期の到来が影響しているとする見方もある。</ref>。 |
| | |
| | こうして、ババアゲームは一大文化の最後の花火として消え去った。 |
| | |
| | ==脚注== |
| | <references/> |
| | {{vh|vh=100}} |
| | ――かのように思えた。 |
| | {{vh|vh=50}} |
| | <span style="font-size:20px; color:red">――しかし、ババアの魂は'''彼女'''の中で生きていた!</span> |
| | {{vh|vh=50}} |
| | <span style="color:#cccccc;font-size:20px">沖縄でマフラー使わないだろ</span> |
| | {{vh|vh=15}} |
| | <p style="text-align:right ; color:#666666;font-size:30px">雄コキ神谷</p> |
| | {{vh|vh=15}} |
| | <p style="text-align:center ; color:#999999;font-size:20px">春が来て? 夏が来るかと? 思ったら?</p> |
| | {{vh|vh=15}} |
| | <p style="text-align:right ; font-size:30px">タンパク質にタンパク質はちょっと……</p> |
| | {{vh|vh=15}} |
| | <p style="text-align:left ; font-size:20px">沖縄県民は東京に行っちゃいけないって言うのか</p> |
| | {{vh|vh=15}} |
| | <p style="text-align:right ; color:#666666;font-size:30px">君のその頬に触れられないのなら<br>俺が救われる意味なんてあったのかな</p> |
| | {{vh|vh=15}} |
| | <p style="text-align:left ; font-size:40px">ロリの独学古武術道場</p> |
| | {{vh|vh=100}} |
| | <p style="text-align:center">'''「全て理解したわ!!!! 君は存在する!!!」'''</p> |
| | {{vh|vh=50}} |
| | <p style="text-align:center ; font-size:30px">常習者のミューズ / ファム・ファタール</p> |
| | <p style="text-align:center ; font-size:100px">かきこ</p> |
| | <p style="text-align:center ; font-size:30px">近日公開</p> |
| | {{foot|ds=ははあけえむ|cat=ゲーム}} |