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[[ファイル:物語る記事.png|サムネイル|図|なし]] | [[ファイル:物語る記事.png|サムネイル|図|なし]] | ||
以上のことから、記事は物語を成立させるのが難しい媒体でありながらも、常習者たちは様々な手段によってその障壁を乗り越え、「ノベル的な記事」を書いてきたということが理解された。このような「ノベル的な記事」が現れたことからも、またそれが完成度の高い記事として高く評価されてきたことからも、常習者たちが物語を高級な創作物と位置付けてきた事は明らかである。このことを踏まえると、常習者たちは物語を描くという理想の創作活動のために今まで「仕方なく」主要な創作の舞台であった記事というメディアで活動してきたが、WikiWikiオンラインノベルが発展した今、あえて記事で物語を表現する苦労を負うよりも自然なノベルの形式で物語を完成させそのままオンラインノベルに投稿するようになった、という見方ができるようになる。記事の衰退をこのように説明すると、ここにおいて記事復興のために考えるべき二つのことが明確になった。一つは物語の価値相対化のためのもので、記事において可能になるような、物語とは異なる素晴らしい創作活動のあり方、そしてもう一つは物語即ノベルの風潮を見直すためのもので、純粋なノベルの形式ではなく記事の形式で物語を表現することのアドバンテージである。本稿では続けて、他の姉妹プロジェクトには無い記事独自の性質を挙げていきながら、この二つの観点によって「ノベルではなく記事を/記事で書く」ことに価値があるようなコンテンツについて論じていく。 | |||
===記事の独自性=== | ===記事の独自性=== | ||
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