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表記体系では、'''ピロリベド(piroribedo)'''と'''ピロソーバド(piroso^bado)'''という二つの文字が存在し、主に代表語や固有名詞の子音はピロリベドで<ref>ただし、固有名詞の表記に関して、ピロリ=アルファベット表記においては'''シングルクォーテーション'''('''’''')で囲って強調するのが一般的になっている。</ref>、他の単純語などはピロソーバドで表記される。
表記体系では、'''ピロリベド(piroribedo)'''と'''ピロソーバド(piroso^bado)'''という二つの文字が存在し、主に代表語や固有名詞の子音はピロリベドで<ref>ただし、固有名詞の表記に関して、ピロリ=アルファベット表記においては'''シングルクォーテーション'''('''’''')で囲って強調するのが一般的になっている。</ref>、他の単純語などはピロソーバドで表記される。


なお、ピロリベド、ピロソーバド共に文字コードが定められておらず、ここでの表記が難しいため、本項では'''ピロリ=アルファベット表記(Arupua^bado)'''を用いて説明する。<ref>ピロリ=アルファベット表記では、大文字をピロリベド、小文字をピロソーバドとする。また、長音を「'''^'''」、促音を「'''<nowiki/>''''」で表す。</ref><ref>なお、ピロリべド「ch」と「gn」のピロリ=アルファベット表記では、両方とも大文字にするのではなく、慣用として「'''Ch'''」、「'''gN'''」という特殊な形で表記する。</ref>
なお、ピロリベド、ピロソーバド共に一般的な文字コードが定められておらず、ここでの表記が難しいため、本項では'''ピロリ=アルファベット表記(Arupua^bado)'''を用いて説明する。<ref>ピロリ=アルファベット表記では、大文字をピロリベド、小文字をピロソーバドとする。また、長音を「'''^'''」、促音を「'''<nowiki/>''''」で表す。</ref><ref>なお、ピロリべド「ch」と「gn」のピロリ=アルファベット表記では、両方とも大文字にするのではなく、慣用として「'''Ch'''」、「'''gN'''」という特殊な形で表記する。</ref>


また、音韻は日本語のものと類似しており、語彙にも日本語との類似点が見られることから、ピロリ語は日本語ともかなり関係が深い言語であるとされている。
また、音韻は日本語のものと類似しており、語彙にも日本語との類似点が見られることから、ピロリ語は日本語ともかなり関係が深い言語であるとされている。


さらに、ピロリ語は胃という閉鎖空間で発生し、使用されていることから、方言等の派生が存在していない。これによって、ピロリ語は発生当時の形を比較的簡単に予測し、遡ることが可能であるため、
さらに、ピロリ語は胃という閉鎖空間で発生し、使用され続けていることから、方言等の派生が存在していない。これによって、ピロリ語は発生当時の形を比較的簡単に予測し、遡ることが可能であるため、


近年では言語学者らが言語発生のメカニズムを知るために、ピロリ語を盛んに研究している。
近年では言語学者らが言語発生のメカニズムを知るために、ピロリ語を盛んに研究している。
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==系統==
==系統==
ピロリ語は、先述の通り、日本語に酷似した発音や、類似点のある語彙を持つことから、日本語から派生した言語であるという可能性もある。なお、語彙に関しては英語との類似点も指摘されている。
ピロリ語は、先述の通り、日本語に酷似した音韻体系や、類似点のある語彙体系を持つことから、日本語から派生した言語であるという可能性もある。なお、語彙に関しては英語との類似点も指摘されている。


しかし、ピロリ語は日本語とも英語とも異なる文法を持っているため、一概に日本語や英語から派生した言語であるとは言えず、
しかし、ピロリ語は日本語とも英語とも異なる文法を持っているため、一概に日本語や英語から派生した言語であるとは言えず、


近年では、ヘリコバクターピロリがもとより所持していた言語体系において、その単語などを日本語や英語から借用しただけであり、これらの言語家族的な関係性は皆無であるともされる。
近年では、ヘリコバクターピロリがもとより所持していた言語体系において、その発音や単語などを日本語や英語から借用しただけであり、これらの言語家族的な関係性は皆無であるともされる。


これらのことから、言語学においてピロリ語は<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%A4%E7%AB%8B%E3%81%97%E3%81%9F%E8%A8%80%E8%AA%9E 孤立言語]</span>であると考えられている。
これらのことから、言語学においてピロリ語は<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%A4%E7%AB%8B%E3%81%97%E3%81%9F%E8%A8%80%E8%AA%9E 孤立言語]</span>であると考えられている。
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===音韻体系===
===音韻体系===
ピロリ語の音韻は、前述した通り日本語のそれとかなり類似している。しかし、細かな違いは多くみられる。
ピロリ語の音韻は、前述した通り日本語のそれと極めて類似している。しかし、細かな違いは多くみられる。


代表的なものとして、<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%93 撥音]</span>において、「ん」で一括りにされる日本語とは異なり、'''軟口蓋音'''と'''硬口蓋音'''が表記面でも区別される<ref>本項で用いているピロリ=アルファベット表記では、軟口蓋音の方を「'''n'''」、硬口蓋音の方を「'''gn'''」としている。</ref>ことや、<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8B%97%E9%9F%B3 拗音]</span>が存在しないことなどが挙げられる。詳細は後述する。
代表的なものとして、<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%93 撥音]</span>において、「ん」で一括りにされる日本語とは異なり、'''軟口蓋音'''と'''硬口蓋音'''が表記面でも区別される<ref>本項で用いているピロリ=アルファベット表記では、軟口蓋音の方を「'''n'''」、硬口蓋音の方を「'''gn'''」としている。</ref>ことや、<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8B%97%E9%9F%B3 拗音]</span>が存在しないことなどが挙げられる。詳細は後述する。
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====モーラ====
====モーラ====
ピロリ語では、日本語と同様に撥音、促音、長音がそれぞれ独立して1拍に数えられ、さらに子音だけの音さえも1拍として数えられている。
ピロリ語では、日本語と同様に撥音、促音、長音がそれぞれ独立して1拍に数えられ、さらに子音だけの音さえも1拍として数えられている。
また、清音や濁音、半濁音といった概念も日本語のそれと共有している。しかし、後述のように清濁が定義されたピロリ語独自の音韻も存在する。


ピロリ語における<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%A9 モーラ]</span>の種類は、以下の表に示すように'''116'''ほど存在している。ここでは、ピロリ語の字に対応するピロリ=アルファベット表記と、その<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E9%9F%B3%E5%A3%B0%E8%A8%98%E5%8F%B7 国際音声記号]</span>における発音も列挙する。
ピロリ語における<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%A9 モーラ]</span>の種類は、以下の表に示すように'''116'''ほど存在している。ここでは、ピロリ語の字に対応するピロリ=アルファベット表記と、その<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E9%9F%B3%E5%A3%B0%E8%A8%98%E5%8F%B7 国際音声記号]</span>における発音も列挙する。
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ピロリ語は、ピッチの上下による高低アクセントを持つ。なお、強勢アクセントなどは一般的には使われない。
ピロリ語は、ピッチの上下による高低アクセントを持つ。なお、強勢アクセントなどは一般的には使われない。


ピロリ語には同音異義語がほとんど存在しない<ref>述言補助詞と不定菌称単数主格代名詞における「'''wi'''」など。</ref>ため、ほとんどの場合、言葉の発音には抑揚がない。このため、弁別機能としてのアクセントはピロリ語には存在しない。
ピロリ語には同音異義語がほとんど存在しない<ref>述言補助詞と不定菌称単数主格代名詞における「'''wi'''」など。</ref>ため、言葉の発音の抑揚が統一的に定義されていることはない。このため、弁別機能としてのアクセントはピロリ語には存在しないといえる。


しかし、統語機能として、言葉のまとまりや切れ目を分かりやすくするために高低アクセントが使われることがある。
しかし、統語機能として、言葉のまとまりや切れ目を分かりやすくするために高低アクセントが使われることがある。
659行目: 661行目:
*nuwu D riba(ここは庭だ)
*nuwu D riba(ここは庭だ)


なお、この文型の文は単独でしか存在できず、文叙述語などを付け足すと第一文型の文対象語となる。<ref group="例文">'''miya D rere'''('''あれは猫だ'''/第三文型)―'''miya D rere''' pet wu pi('''あの猫'''を飼いたい/第一文型)</ref>
なお、この文型の文は単独でしか存在できず、文叙述語などを付け足すと第一文型の文対象語となる。<ref group="例文">'''miya D rere'''('''あれは猫だ。''' / 第三文型)―'''miya D rere''' peto wu pi('''あの猫'''を飼いたい。 / 第一文型)</ref>


===文の成分===
===文の成分===
706行目: 708行目:
|'''Ch'Kkho^'''
|'''Ch'Kkho^'''
|「Chyu^」と複合したもの。過去に完了している文を表す。
|「Chyu^」と複合したもの。過去に完了している文を表す。
|Kkho^ kumu pi ' gu^ pe
|Kkho^ Ko^ kumu pi S gu^ pe
|私が来たとき、彼は寝ていた。
|私が来たとき、彼は寝ていた。
|-
|-
721行目: 723行目:
|-
|-
|'''Ssha^'''
|'''Ssha^'''
|現在のこと、または未来を仮定する文を表す。
|未来を仮定する文を表す。
|Ssha^ jiyota pi ' Sa^ jiyota pu
|Ssha^ jiyota pi zeafoyote Sa^ jiyota pu
|もし私が楽しめば、あなたも楽しむだろう。
|もし私が楽しめば、あなたも楽しむだろう。
|-
|-
731行目: 733行目:
|-
|-
|'''Ch'Sa^'''
|'''Ch'Sa^'''
| 「Chyu^」と複合したもの。過去のこと、または現在を仮定する文を表す。
| 「Chyu^」と複合したもの。現在を仮定する文を表す。
|Ch'Sa Na^ jiyota pi ' Ssha^ jiyota pu
|Ch'Sa^ jiyota pi zeafoyote Na^ jiyota pu
|もし今、私が楽しめば、あなたも楽しむだろう。
|もし私がいま楽しめば、あなたもいま楽しむだろう。
|-
|-
|'''Ch'Ssha^'''
|'''Ch'Ssha^'''
| 「Chyu^」と複合したもの。過去を仮定する文を表す。
| 「Chyu^」と複合したもの。過去を仮定する文を表す。
|Ch'Ssha Ko^ jiyota pi ' Ch'Sa jiyota pu
|Ch'Ssha^ jiyota pi zeafoyote Ko^ jiyota pu
|もし私が楽しんでいれば、彼も楽しんでいたのに。
|もし私が楽しんでいたなら、彼も楽しんでいたのに。
|-
|-
|'''Ch'SaNa^'''
|'''Ch'SaNa^'''
|「Chyu^」と複合したもの。過去説明語を未来のことに置き換えることを表す。
|「Chyu^」と複合したもの。過去説明語を未来のことに置き換えることを表す。
|Ch'SaNa Ch'Ko^ jiyota pi
|Ch'SaNa KoNa^ jiyota pi
|私は楽しみ続けているだろう。
|私は楽しんでいるだろう。
|-
|-
! rowspan="4" |現在
! rowspan="4" |現在
763行目: 765行目:
|'''Ch'Nnha^'''
|'''Ch'Nnha^'''
|「Chyu^」と複合したもの。過去説明語を現在のことに置き換えることを表す。
|「Chyu^」と複合したもの。過去説明語を現在のことに置き換えることを表す。
|Ch'Nnha Ch'Ko^ da' pi
|Ch'Nnha Ch'KoNa^ da' pi
|私は楽しみ続けている。
|私は楽しみ続けている。
|}
|}
785行目: 787行目:
|文がはいかいいえで答えられる疑問文であることを表す。
|文がはいかいいえで答えられる疑問文であることを表す。
|Chyo^  gu^ pe
|Chyo^  gu^ pe
|彼は寝たのだろうか。
|彼は寝るのだろうか。
|-
|-
|'''yaChyo^'''
|'''yaChyo^'''
|文が時間についての疑問文であることを表す。
|文が時間についての疑問文であることを表す。
|yaChyo^ gu^ pe
|yaChyo^ gu^ pe
|いつ彼は寝たのだろうか。
|いつ彼は寝るのだろうか。
|-
|-
|'''baChyo^'''
|'''baChyo^'''
|文が場所についての疑問文であることを表す。
|文が場所についての疑問文であることを表す。
|baChyo^ gu^ pe
|baChyo^ gu^ pe
|どこで彼は寝たのだろうか。
|どこで彼は寝るのだろうか。
|-
|-
|'''daChyo^'''
|'''daChyo^'''
|文が菌(人物)についての疑問文であることを表す。
|文が菌(人物)についての疑問文であることを表す。
|daChyo^ gu^ wi
|daChyo^ gu^ wi
|誰が寝たのだろうか。
|誰が寝るのだろうか。
|-
|-
|'''waChyo^'''
|'''waChyo^'''
|文がそれ自体についての疑問文であることを表す。
|文がそれ自体についての疑問文であることを表す。
|waChyo^ "gu^"
|waChyo^ gu^'K yi
|「寝る」ということは何だろうか。
|「寝る」ということは何だろうか。
|-
|-
810行目: 812行目:
|文が理由についての疑問文であることを表す。
|文が理由についての疑問文であることを表す。
|naChyo^ gu^ pe
|naChyo^ gu^ pe
|どうして彼は寝たのだろうか。
|どうして彼は寝るのだろうか。
|-
|-
|'''duriChyo^'''
|'''duriChyo^'''
|文が手段についての疑問文であることを表す。
|文が手段についての疑問文であることを表す。
|duriChyo^ gu^ pe
|duriChyo^ gu^ pe
|どうやって彼は寝たのだろうか。
|どうやって彼は寝るのだろうか。
|-
|-
| rowspan="2" |'''dowiChyo^'''
| rowspan="2" |'''dowiChyo^'''
| rowspan="2" |文が選択についての疑問文であることを表す。
| rowspan="2" |文が選択についての疑問文であることを表す。
|dowiChyo^ gu^ pe
|dowiChyo^ gu^ pe
|どうやって彼は寝たのだろうか。(口語表現のみ)
|どうやって彼は寝るのだろうか。(口語表現のみ)
|-
|-
|dowiChyo^ pihipi
|dowiChyo^ pihipi
855行目: 857行目:
|'''Ch'waChyo^'''
|'''Ch'waChyo^'''
|「Chyu^」と複合したもの。文がそれ自体に関わらず不能であることを表す。
|「Chyu^」と複合したもの。文がそれ自体に関わらず不能であることを表す。
|Ch'waChyo^ "gu^"
|Ch'waChyo^ gu^'K yi
|何も「寝る」ということではない。
|何も「寝る」ということではない。
|-
|-
936行目: 938行目:


====文叙述語====
====文叙述語====
ピロリ語における'''文叙述語(mubumei)'''は、動詞によって作られ、文を成り立たせる基本的な成分の一つである。述語として用いられる。
ピロリ語における'''文叙述語(mubumei)'''は、述言によって作られ、文を成り立たせる基本的な成分の一つである。述語として用いられる。


活用形はなく、修飾補助詞や述言補助詞によって文の前後関係を作っている。目的語の後、文起点語の前に置かれ、文起点語の行為を説明する動詞とその文修飾語、そして補助語によって構成される。
活用形はなく、修飾補助詞や述言補助詞によって文の前後関係を作っている。目的語の後、文起点語の前に置かれ、文起点語の行為を説明する動詞とその文修飾語、そして補助語によって構成される。
1,004行目: 1,006行目:
|tatoigizan
|tatoigizan
|述べた事柄の例を出す。
|述べた事柄の例を出す。
|hanawa raisu pi tatoigazan SaKuRa
|hanawa raisu pi tatoigazan ’sakura’
|私は花が好きだ。例えば、サクラだ。
|私は花が好きだ。例えば、サクラだ。
|-
|-
1,020行目: 1,022行目:


====補助語====
====補助語====
ピロリ語における'''補助語(herukumei)'''とは、修飾語による修飾や述言を補助し、意味を付け足す文の成分の一つである。日本語における格助詞に近い。
ピロリ語における'''補助語(herukumei)'''とは、文修飾語による修飾や述言、主言を補助し、意味を付け足す文の成分の一つである。日本語における格助詞に近い。


大きく分けて、修飾語による修飾を補助する修飾補助語、述言を補助する述言補助語が存在する。
大きく分けて、文修飾語による修飾を補助する修飾補助語、述言を補助する述言補助語、主言を補助する主言補助語が存在する。


=====修飾補助語=====
=====修飾補助語=====
1,030行目: 1,032行目:


また、主言修飾補助詞「D」は修飾補助詞の中でもかなり特殊で、疑似的なCS文型を作り出すことができる。さらに、名詞をひとまとまりにすることもできる。<ref group="例文">iign D '''hitorecin D piro'''('''私たち人間'''は賢い)</ref>
また、主言修飾補助詞「D」は修飾補助詞の中でもかなり特殊で、疑似的なCS文型を作り出すことができる。さらに、名詞をひとまとまりにすることもできる。<ref group="例文">iign D '''hitorecin D piro'''('''私たち人間'''は賢い)</ref>
さらに、述言修飾補助詞「K」は、前置修飾の形を取らず、述言の後ろで促音補助符号を立ててから設けられる。
{| class="wikitable"
{| class="wikitable"
! rowspan="2" |種類
! rowspan="2" |種類
1,057行目: 1,061行目:
|'''H'''
|'''H'''
|述言における対象の修飾の補助となる。
|述言における対象の修飾の補助となる。
|pu H iyei pi
|pu H iyei wo pi
|私はあなたに遊んであげる。
|私はあなたを遊ばせる。
|-
|-
|'''F'''
|'''F'''
1,081行目: 1,085行目:
|-
|-
|'''K'''
|'''K'''
|述言を形式的に名詞化する。
|述言を名詞化する補助となる。
|iyei'K wi pi
|iyei'K wi pi
|私は遊びをする。
|私は遊びをする。
1,114行目: 1,118行目:
|補助修飾詞の強調の修飾の補助となる。
|補助修飾詞の強調の修飾の補助となる。
|miya ChD rere
|miya ChD rere
|あの猫!(あれは猫だ!。)
|あの猫!(あれは猫だ!)
|-
|-
|'''J'''
|'''J'''
|補助修飾詞の打ち消しの修飾の補助となる。
|補助修飾詞の打ち消しの修飾の補助となる。
|miya JD rere
|miya JD rere
|あの猫でなし(あれは猫ではない。)<ref>この表現は差別用語として広く使われるので注意すること。「'''Chye miya D rere'''」のように否定の文型説明語を使うのが望ましい。</ref>
|あの猫でなし!(あれは猫ではない。)<ref>この表現は差別用語として広く使われるので注意すること。「'''Chye miya D rere'''」のように否定の文型説明語を使うのが望ましい。</ref>
|-
|-
|'''R'''
|'''R'''
1,137行目: 1,141行目:
|}
|}
=====述言補助語=====
=====述言補助語=====
ピロリ語における'''述言補助語(aukusaqi ^ herukumei)'''とは、述言を補助し、希望や可能などの意味を付け加える言葉。
ピロリ語における'''述言補助語(aukusaqu ^ herukumei)'''とは、述言を補助し、希望や可能などの意味を付け加える言葉である。


日本語における助動詞と類似しているが、他のピロリ語の成分と同様に活用形はない。品詞分類においては、述言補助語としてのみ用いられる品詞を述言補助詞としている。
日本語における助動詞と類似しているが、他のピロリ語の成分と同様に活用形はない。品詞分類においては、述言補助語としてのみ用いられる品詞を述言補助詞としている。


また、述言補助詞「wi」は、基本的には省略されるが、主に名詞の動詞化などに使われる。
また、述言補助詞「wi」は、基本的には省略されるが、主に名詞の動詞化や動詞の強調などに使われる。
{| class="wikitable"
{| class="wikitable"
! rowspan="2" |述言補助詞
! rowspan="2" |述言補助詞
1,152行目: 1,156行目:
|'''wi'''
|'''wi'''
|基本的な述言補助詞。基本的に省略される。
|基本的な述言補助詞。基本的に省略される。
|gu^'K wi pi
|gu^'K wi pe
|私は就寝する。
|彼は就寝する。
|-
|-
|'''wu'''
|'''wu'''
|希望を表す述言補助詞。
|希望を表す述言補助詞。
|gu^ wu pi
|gu^ wu pe
|私は寝たい。
|彼は寝たい。
|-
|-
|'''we'''
|'''we'''
|可能を表す述言補助詞。
|可能を表す述言補助詞。
|gu^ we pi
|gu^ we pe
|私は寝られる。
|彼は寝られる。
|-
|-
|'''wo'''
|'''wo'''
|使役を表す述言補助詞。
|使役を表す述言補助詞。
|pu H gu^ wo pi
|pu H gu^ we pi
|私はあなたを寝させる。
|私は彼を寝させる。
|-
|-
|'''wa'''
|'''wa'''
|推量を表す述言補助詞。
|推量を表す述言補助詞。
|gu^ wa pu
|gu^ wa pe
|あなたは寝るだろう。
|彼は寝るだろう。
|-
|-
|'''i'''
|'''i'''
|当然を表す述言補助詞。
|当然を表す述言補助詞。
|gu^ i pu
|gu^ i pe
|あなたは寝るべきだ。
|彼は寝るべきだ。
|-
|-
|'''u'''
|'''u'''
|打消を表す述言補助詞。
|打消を表す述言補助詞。
|gu^'K u wi pu
|gu^ u pe
|あなたは就寝しない。
|彼は寝ない。
|-
|-
|'''e'''
|'''e'''
|受身を表す述言補助詞。
|受身を表す述言補助詞。
|gu^ e pi
|gu^ e pe
|私は寝かされた。
|彼は寝かされる。
|-
|-
|'''o'''
|'''o'''
1,200行目: 1,204行目:
|あなたも寝ませんか?
|あなたも寝ませんか?
|}
|}
===== 主言補助語 =====
ピロリ語における'''主言補助語(aubane ^ herukumei)'''とは、主言を補助し、善悪や確実性などの意味を付け加える言葉である。
述言補助詞と同様に、他のピロリ語の成分と同様に活用形はなく、品詞分類においては、主言補助語としてのみ用いられる品詞を主言補助詞としている。
また、主言補助詞「yi」は、基本的には省略されるが、主に動詞の名詞化や名詞の強調などに使われる。<ref>なお、動詞の名詞化に関しては、一般に主言修飾補助詞「'''K'''」の方を使われることが多い。</ref>
{| class="wikitable"
! rowspan="2" |主言補助詞
! rowspan="2" |概要
! colspan="2" |例文
|-
!ピロリ語
!日本語
|-
|'''yi'''
|基本的な主言補助詞。基本的に省略される。
|apupuru yi mogu pe
|彼はリンゴのことを食べる。
|-
|'''yu'''
|善性を表す主言補助詞。
|gu^'K yu wi pe
|彼は良い意味で就寝する。<ref>意訳例:'''彼は不眠症から立ち直り、寝る。'''</ref>
|-
|'''ye'''
|不確実性を表す主言補助詞。
|apupuru ye mogu pe
|私はリンゴのようなものを食べる。
|-
|'''yo'''
|変化後を表す主言補助詞。
|gu^'K pe H wa guyi yo N wi pi
|私は彼の寝つきをより良いものにする。
|-
|'''ya'''
|大きい不確実性を表す主言補助詞。
|apupuru ya mogu pe
|彼はリンゴかもしれないものを食べる。
|-
|'''i'''
|確実性を表す主言補助詞。
|apupuru i mogu pe
|彼はただのリンゴを食べる。
|-
|'''u'''
|悪性を表す主言補助詞。
|gu^'K u wi pe
|彼は悪い意味で就寝する。<ref>意訳例:'''彼は…亡くなる…。'''</ref>
|-
|'''e'''
|疑念による不確実性を表す主言補助詞。
|apupuru ye mogu pe
|彼はリンゴとされているものを食べる。
|-
|'''o'''
|起点の、叙述のそれとしての性質を表す主言補助詞。
|mogu'K o M apupuru D pe
|彼はリンゴにとっての捕食者だ。
|-
|'''a'''
|疑念による大きい不確実性を表す主言補助詞。
|apupuru a mogu pe
|彼はリンゴといわれているものを食べる。
|}
====文独立語====
====文独立語====
ピロリ語における'''文独立語(isoratemei)'''とは、他の部分との係り受けがなく、孤立している文の成分の一つである。独立語として用いられる。
ピロリ語における'''文独立語(isoratemei)'''とは、他の部分との係り受けがなく、孤立している文の成分の一つである。独立語として用いられる。
1,227行目: 1,297行目:
述言を補助するものを'''述言補助語(aukusaqu ^ herukumei)'''とする。修飾補助語になるもののうち、述言が被修飾語となるものを'''述言修飾補助詞(aukusaqu ^ modhifa ^ herukumeyayi)'''とし、
述言を補助するものを'''述言補助語(aukusaqu ^ herukumei)'''とする。修飾補助語になるもののうち、述言が被修飾語となるものを'''述言修飾補助詞(aukusaqu ^ modhifa ^ herukumeyayi)'''とし、


主言が被修飾語となるものを'''主言修飾補助詞(aubane ^ modhifa ^ herukumeyayi)'''とする。また、述言補助語になるものを'''述言補助詞(aukusaqu ^ herukumeyayi)'''とする。<ref>用言補助詞は'''ピロソーバド'''によって表記されるが、慣習によって代表語とされている。</ref>
主言が被修飾語となるものを'''主言修飾補助詞(aubane ^ modhifa ^ herukumeyayi)'''とする。
 
また、述言補助語になるものを'''述言補助詞(aukusaqu ^ herukumeyayi)'''とし、主言補助語になるものを'''主言補助詞(aubane ^ herukumeyayi)'''とする。<ref>述言補助詞や主言補助語は'''ピロソーバド'''によって表記されるが、慣習によって代表語とされている。</ref>


====単純語====
====単純語====
単純語のうち、文起点語や文対象語になれるものを'''名詞(baneyayi)'''とする。そのうち、文起点語である名詞を'''起点詞(senta ^ baneyayi)'''、
単純語のうち、文起点語や文対象語になれるもののことを'''名詞(baneyayi)'''とする。そのうち、文起点語である名詞を'''起点詞(senta ^ baneyayi)'''、


文修飾語である名詞を'''修飾名詞(modhifa ^ baneyayi)'''とする。起点詞には、'''代名詞(purono ^ baneyayi)'''や'''数詞(figiya ^ baneyayi)'''も含まれる。
文修飾語である名詞を'''修飾名詞(modhifa ^ baneyayi)'''とする。名詞には、'''代名詞(purono ^ baneyayi)'''や'''数詞(figiya ^ baneyayi)'''も含まれる。


また、文叙述語や文対象語になれるものを'''動詞(kusaquyi)'''とし、そのうち、文叙述語である動詞を'''叙述詞(mubu ^ kusaquyi)'''、文修飾語である動詞を'''修飾動詞(modhifa ^ kusaquyi)'''とする。
また、文叙述語や文対象語になれるもののことを'''動詞(kusaquyi)'''とし、そのうち、文叙述語である動詞を'''叙述詞(mubu ^ kusaquyi)'''、文修飾語である動詞を'''修飾動詞(modhifa ^ kusaquyi)'''とする。


さらに、常に文接続語となるものを'''接続詞(kognjagnkumeyayi)'''、常に文独立語となるものを'''独立詞(isoratemeyayi)'''とする。
さらに、常に文接続語となるものを'''接続詞(kognjagnkumeyayi)'''、常に文独立語となるものを'''独立詞(isoratemeyayi)'''とする。


このとき、文起点語や文対象語になれるものをまとめて'''主言(aubane)'''とし、文叙述語になれるものをまとめて'''述言(aukusaqu)'''とする。
このとき、文起点語や文対象語になれるもののことをまとめて'''主言(aubane)'''とし、文叙述語や文対象語になれるもののことをまとめて'''述言(aukusaqu)'''とする。


==語彙==
==語彙==
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ピロリ語の語彙をその出自から分類すると、大きく分けて、ピロリ語特有の語彙である'''原語(mei M pirorikin)'''と他の言語から取り入れた語彙である'''外語(mei M wiofarizin)'''となる。
ピロリ語の語彙をその出自から分類すると、大きく分けて、ピロリ語特有の語彙である'''原語(mei M pirorikin)'''と他の言語から取り入れた語彙である'''外語(mei M wiofarizin)'''となる。


外語は更に一つの言語から取り入れた語彙である'''単外語(egn ^ mei M wiofarizin)'''<ref group="例文">'''mogu(食べる''':日本語の「もぐもぐ」から'''''''''beri(とても''':英語の「very」から''''''など。</ref>と、複数の言語から取り入れた語彙である'''複外語(repi ^ mei M wiofarizin)'''<ref group="例文">'''zeafoyote(ゆえに''':英語の「therefore」と日本語の「よって」から''''''</ref>に分けることができる。
外語は更に一つの言語から取り入れた語彙である'''単外語(egn ^ mei M wiofarizin)'''<ref group="例文">'''mogu'''」('''食べる''':日本語の「もぐもぐ」から)や「'''beri'''
 
'''とても''':英語の「very」から)など。</ref>と、複数の言語から取り入れた語彙である'''複外語(repi ^ mei M wiofarizin)'''<ref group="例文">'''zeafoyote'''」('''ゆえに''':英語の「therefore」と日本語の「よって」から)</ref>に分けることができる。


原語は数こそ少ないものの、ピロリ語の中心であり、文法上で多く使われる。また、もともとは外語だったものが変化して原語になることもある。<ref group="例文">'''aukusaqu(述言)'''はjutugo(述語)がsutuguを経て変化したものである。</ref>
原語は数こそ少ないものの、ピロリ語の中心であり、文法上で多く使われる。また、もともとは外語だったものが変化して原語になることもある。<ref group="例文">'''aukusaqu'''('''述言''')」はjutugo(述語)がsutuguを経て変化したものである。</ref>


外語はピロリ語の語彙のほとんどを占めており、ピロリ語を形成している。近年では、日本語や英語だけでなく中国語<ref group="例文">'''sianasiagn(パンダ)'''など。</ref>や[[オーストロェイリア|皇]]語<ref group="例文">'''arabiki(ウインナー)'''など。</ref>からの借用も目立ち始めている。
外語はピロリ語の語彙のほとんどを占めており、ピロリ語を形成している。近年では、日本語や英語だけでなく中国語<ref group="例文">'''sianasiagn'''('''パンダ''')」など。</ref>や[[オーストロェイリア|皇]]語<ref group="例文">「'''arabiki'''('''ウインナー''')」など。</ref>からの借用も目立ち始めている。


===語彙体系===
===語彙体系===
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さらに、呼びかけの対象と返答を求める対象が同じ疑問文では文起点語としてしばしば使われる。<ref group="例文">baChyo^ go '''purukin'''('''あなた'''、どこへ行くのですか。)</ref>
さらに、呼びかけの対象と返答を求める対象が同じ疑問文では文起点語としてしばしば使われる。<ref group="例文">baChyo^ go '''purukin'''('''あなた'''、どこへ行くのですか。)</ref>


また、前述の通りピロリ語では修飾の原則として、主言の後置修飾や修飾補助語による修飾補助などがあるのだが、ピロリ語における'''所有格(属格)'''は例外的に、主語を単独で前置修飾できる。
また、前述の通りピロリ語では修飾の原則として、主言の後置修飾や修飾補助語による修飾補助などがあるのだが、ピロリ語における'''所有格(属格)'''は例外的に、主言を単独で前置修飾できる。<ref group="例文">Ko daChyo^ '''pihi''' apupuru mogu wi('''私のリンゴ'''を食べたのは誰ですか?)</ref>


======一覧======
======一覧======
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====数の語彙====
====数の語彙====
ピロリ語では、人語において手の指などから成り立った数の数え方があるように、8本の鞭毛と1つの体(細胞)、そして胃から成り立つ'''数の語彙'''を持つ。
ピロリ語では、人語において手の指などから成り立った数の数え方があるように、8本の鞭毛と1つの体(細胞)、そして胃から成り立つ'''数の語彙(数詞)'''を持つ。


なお、ピロリ語に「0」は存在しない。<ref>このため、「'''20'''」などを表すときは、「'''regnmouipirorou'''」(または「regnipi」)のように、長音補助符号を用いないで十の位の数詞と「ipirorou」をつなげる。</ref>また、「11」などを表す際は、そのまま「'''egnmou ^ egnmou'''」(または「egn ^ egn」)となる。
なお、ピロリ語に「0」は存在しない。<ref>このため、「'''20'''」などを表すときは、「'''regnmouipirorou'''」(または「regnipi」)のように、長音補助符号を用いないで十の位の数詞と「ipirorou」をつなげる。</ref>また、「11」などを表す際は、そのまま「'''egnmou ^ egnmou'''」(または「egn ^ egn」)となる。
さらに、所有格菌称代名詞と同様に、ピロリ語における修飾の原則への例外として、主言を単独で前置修飾できる。<ref group="例文">'''regnmou''' pere T ribu pi(私は'''三匹のピロリ菌'''と暮らしている。)</ref>
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